スマートフォン版へ

【朝日杯FS】ヒモ荒れ決着を狙い打て!

  • 2019年12月08日(日) 18時00分

■朝日杯フューチュリティS(GI・阪神芝1600m外)フルゲート18頭/登録17頭


★3行でわかる!朝日杯フューチュリティS 攻略の糸口

1.連対馬のほとんどが上がり2位以内。末脚のキレ重視!
2.早生まれの馬が明らかに優勢。1〜2月生まれはプラス。
3.前走芝マイル組が好成績。前走プラス体重の馬も期待大。

データ特注推奨馬
 ★サリオス
 ★ジュンライトボルト

 阪神開催となって、今年で5年目となる朝日杯フューチュリティS。中山で開催されていた頃とはかなり傾向が異なっているので、その「要点」をここで触れておこう。まずは、瞬発力の要求度が非常に高いレースであるということ。これは阪神ジュベナイルFにも共通する傾向で、スローの瞬発力勝負になりやすい阪神芝1600m外のコース形態も、大きく関係しているはずだ。

 そして、目立っているのが「早生まれ」の強さである。この時期の2歳馬における1ヵ月や2ヵ月の差は非常に大きく、それだけに早生まれは大きなメリットに。実際にデータを見ても、1月〜2月生まれの馬はトータル[2-4-2-16]で連対率25.0%、複勝率33.3%と、3〜5月生まれの馬を圧倒している。

 あとは、この時期の「成長力」も重要。その指標といえるのが前走馬体重で、これがプラスだった馬のほうが格段に期待できる傾向が見受けられる。少なくとも、前走がマイナス体重だった馬よりも期待できるのは間違いなし。ちなみに、もっとも期待できるのは「前走も今回もプラス体重」というパターンである。

 その他のデータも加味した上での特注推奨馬は、人気馬ではサリオス、人気薄ではジュンライトボルト。とくにサリオスは「1月生まれで前走馬体重プラス、前走でマイル重賞を制覇」と、いかにもここで好走できそうなプロフィル&実績の持ち主だ。ヒモ荒れ傾向の強さを考えると、ここから人気薄に流す馬券をオススメしたいところだ。



【コース総論】阪神芝1600m外 Aコース使用

・コースの要所!

★人気による成績の偏りが小さいコース。あえていえば7〜9番人気が優秀か。
★好成績なのは中枠である馬番7〜12番。外枠はやや信頼度が落ちる傾向あり。
★先行勢と中団待機組の成績が拮抗。外回りらしく、上がり上位馬は好成績。





 先週の阪神ジュベナイルFが行われたのも、今回と同じく阪神の芝1600m外。1週間が経過したが、フルゲート18頭立てのレースは行われていないので、掲載しているデータの数値は先週とまったく同じである。当然ながら、「コース総論」の内容も前回とまったく同じとなるので、さらっと流す程度の解説にとどめたい。

 人気による成績の偏りが小さいコースで、極端な人気薄でもないかぎり、どこからでも入りやすい。あえていえば7〜9番人気や10〜12番人気の内容が良好なので、穴狙いに徹してみるのも面白いだろう。枠番については、中枠である馬番7〜12番がもっとも優秀な内容。それとは対照的に、外枠である馬番13〜18番は信頼度が少し落ちる傾向で、やや不利な面があるようだ。

 脚質については、先行勢と中団待機組が互角に張り合っているイメージ。最後の直線が長い外回りコースではあるのだが、同時に道中のペースが緩みやすいコースでもあり、意外に前も踏ん張れる。上がり上位馬が好成績であるように、勝ち負けに決め脚が要求されるコースである点も、しっかり意識しておきたい。

【レース総論】朝日杯フューチュリティS(GI) 過去5年

・レースの要所!

★人気サイドが強いが相手はけっこう紛れる。ヒモ荒れ決着を警戒すべき一戦。
★内枠が好成績。連対馬は上がり3F順位の上位ばかりで、展開的には差し優勢。
★前走でも芝1600m戦を使われていた組が好成績。前走クラスは不問といえる。
★鞍上の乗り替わりを割り引く必要なし。レースキャリアは4戦以内が望ましい。









 2014年から阪神開催となって、今年で6回目となる朝日杯フューチュリティS。トリッキーな中山芝1600mで開催されていた頃から考えると、好走馬のパターンはかなり異なっている。レースの平均配当は、単勝632円、馬連6162円、3連複1万5116円と、単勝平均が低いわりに馬連平均や3連複平均がソコソコ高いのが特徴だ。

 そこから導き出されるのは、ヒモ荒れ傾向の強さ。過去5年で2番人気以内馬が4勝をあげているように、基本的には人気サイドが強いレースである。しかし、人気薄がコンスタントに馬券絡みしているように、2017年のような「人気通りのガチガチ決着」は少ない一戦。人気馬から7〜9番人気や10〜12番人気に流すような馬券が面白そうである。

 枠番は、内枠である馬番1〜6番がトータル[3-2-3-22]で複勝率26.7%、単勝適正回収値121.1、複勝回収値104という好内容をマーク。平均人気の高さもあるが、それ以上の結果を残しているのだから、これはプラスに評価すべきだろう。中枠は、パッと見た印象は冴えないのだが、コレでも人気以上には走っている。ギャップ値のマイナスが大きな外枠の評価を少し割り引く──というのが、おそらく正解だろう。

 脚質は差し優勢。複勝率は先行勢のほうが高いが、勝率や連対率は中団待機組が先行勢を上回っている。注目すべきは上がり上位馬の好成績で、過去5年の連対馬10頭のうち実に9頭までが、上がり2位以内。「中団から差した馬が連対し、3着には先行勢が残る」といった決着パターンがたいへん多い。今年も、差し馬を中心に考えたい。

 前走距離別では、前走でも芝1600m戦を使われていた組が好調。具体的には、1勝クラスのベゴニア賞やG2のデイリー杯2歳S、G3のサウジアラビアRCからのローテで出走した馬が、好成績を残している。芝1800mや芝2000mからの距離短縮組も、出走数こそ少ないが内容は悪くない。逆に、大きな割引が必要となるのが距離延長組で、こちらは2〜3着に食い込むのが精一杯。人気になっても軽視したいパターンである。

 前走クラスについては「不問」というのが結論。前走重賞組のほうが信頼度は高いが、能力さえあれば新馬戦を勝った直後でも勝ち負けになるレースだ。これは阪神ジュベナイルFでも見られた傾向だが、キャリアの浅い馬のほうが好成績であるように、ここは経験値ではなく「素質の高さ」が問われる一戦なのである。

 最後に騎手関連データだが、鞍上の乗り替わりを割り引く必要はまったくなし。それが外国人騎手へのスイッチであれば、大きなプラスだと考えるべきだろう。あとは、「関東馬に関東以外の騎手が騎乗」というパターンも注目したいところ。3年連続で馬券に絡んでいるようにかなり信頼度が高いので、今後も要チェックだ。

【血統総論】


 血統面は、ディープインパクト産駒とロードカナロア産駒をプラス評価の対象とした。芝のマイル戦における現在の「二強」であるのは言うまでもなく、仕上がりの早さにも定評がある。今年はハーツクライ産駒のサリオスが人気に推されるだろうが、こちらは「中の上」といったところ。もう少し長い距離でよさが出る産駒が多いのもあって、血統的にそう強くは推せない印象である。

★特別登録馬 総論×各論

 中距離適性の高い馬はホープフルSに向かうため、中山の頃よりも高いレベルで芝マイル適性を問われるレースとなった、朝日杯フューチュリティS。クリノプレミアムの回避が発表されているため、今年は最高でも16頭立てとなる。人気の中心はおそらく、マイル重賞であるサウジアラビアRCの覇者サリオスと、デイリー杯2歳Sの勝ち馬であるレッドベルジュールの2頭だろう。

 面白味には欠けるが、上位に評価したのもその2頭。とくに、冒頭の特注データ推奨馬でもあるサリオスは、かなりの確率で勝ち負けになると思われる。今年の登録馬で1〜2月生まれはサリオス、タイセイビジョン、ラウダシオンの3頭だけで、このコースで問われる「ハイレベルな瞬発力」があるのも間違いなし。極端な外枠に入った場合でもないかぎりは、好走必至とみている。

 二番手評価にレッドベルジュール。2走連続で最速上がりをマークするなど、こちらも末脚のキレ味はかなりのものだ。前走でプラス28キロと、馬体重を大幅に増やしているのも好印象。登録馬で唯一のディープインパクト産駒であるという点も魅力的である。さらに、スミヨン騎手に乗り替わる予定であるのもデータ的にプラス。サリオスを負かす可能性がありそうなのは、この馬くらいだろう。

 三番手評価にジュンライトボルト。1勝クラスで3着、2着と取りこぼしているようにキレでは見劣るが、ソコソコの先行力とソコソコの瞬発力を併せ持つのは大きな魅力。レッドベルジュールと同様に、阪神芝の外回りで初勝利をあげているのもプラスに働く。1着よりも2着、2着よりも3着の可能性が高そうだが、内枠からスッといい位置を取って粘り込むような競馬をすれば、侮れない面がある。

 以下はトリプルエース、ウイングレイテスト、タイセイビジョン、ペールエール、ラウダシオンという評価の序列。あとは枠番次第、オッズ次第だろう。堅く決まりそうな雰囲気ではあるが、2〜3着に1頭くらいは人気薄が絡んでくるはず。そこをうまく拾えれば、少ない点数で悪くない配当にありつけるはずだ。


■総論×各論・先々週の馬券回顧



高配当チャレンジ失敗(#^ω^)ビキビキ

 無理は承知で15ロンドンタウンをトップ評価した以上は、外枠に入ろうがそりゃ買います。まあ、大方の予想通りに見事撃沈したけどね!

 勝った05クリソベリルについては、お見事としか言いようがない。この相手で勝てた以上、もう何も疑う余地はござんせん。出資しておけばよかったと、ちょっとだけ悔しく思っているのは秘密。

※コース&血統データは2015年以降、レースデータは2014年以降が集計対象です。
※ギャップ値(G値)は、当該条件における「平均人気-平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、優秀な内容となります。

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

No.1予想にて関西全レース予想提供中!

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング