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【香港回顧】唯一の日本人騎手 ウインブライト松岡正海騎手「日本の魂を見せられた」

  • 2019年12月10日(火) 18時02分
海外競馬通信

▲日本人で唯一参戦した松岡正海騎手がメインの香港カップを勝利


12月8日にシャティン競馬場で行われた香港国際競走。4つのG1に9頭の日本馬が参戦し、グローリーヴェイズ(香港ヴァーズ)、アドマイヤマーズ(香港マイル)、ウインブライト(香港カップ)がそれぞれ優勝。日本馬が3勝するのは18年ぶりの快挙でした。現地で見届けた斎藤修氏が、その感動を振り返ります。

(取材・文=斎藤修、撮影=高橋正和)


【香港ヴァーズ】アーモンドアイを避けた馬たちでレベル底上げ


 長引く香港政府に対するデモや抗議活動のため、香港の競馬にも少なからず影響があった。政府寄りの有名人馬主の所有馬が出走することで安全が確保できないとして、これまでにハッピーバレーの開催が2日間中止となった。

 香港国際競走に関連することでいえば、開催が疑問視されたことでJRAでの馬券発売の発表が昨年より1週間遅れ、その決定はレースが10日後に迫った11月28日のこと。また国際競走当日、15時から香港島中心部で国際人権デーの大規模なデモ行進が予定されており、開催スケジュールが例年より1時間繰り上げられた。

 現地で聞いたところによるとデモ行進自体は整然と行われるが、その後に騒乱などが起こることが多いとのこと。実際そのデモには主催者発表で80万人、警察発表で18万人が参加。開催時間が早められたのは、競馬場から帰宅する人たちの安全を考慮してということのようだった。また例年最終レース後に行われている花火を打ち上げたりの派手なイベントも実施されなかった。

 開催は1時間繰り上げられたが、レース番号は例年通りで、第4レースの香港ヴァーズは、日本時間14時45分(現地13時45分)の発走。

 香港では層が薄い2400m路線だが、例年以上にレベルが高いメンバーが揃ってのフルゲート14頭立てとなったのは、結果的に回避となってしまったが、香港カップにアーモンドアイが出走予定だったことで、こちらに回ってきた馬が少なからずいたためと思われる。

 日本馬だけを見ても、ディアドラは香港カップが第1希望で、ラッキーライラックはエリザベス女王杯を勝った2日後の追加登録だった。このレース連覇のかかる地元期待のエグザルタントも当初は香港カップにも登録があり、もしアーモンドアイがいなければどちらに出走していただろう。

 そしてこのレースのレベルを押し上げたのは、この路線の層が厚い日本馬だった。

 逃げたのは、現地では単勝1.8倍の断然人気に支持されたエグザルタント。グローリーヴェイズは中団、ラッキーライラックはそのうしろ、ディアドラは向正面で最後方を追走していた。3〜4コーナー、日本の3頭はいずれも抜群の手応えだったが、勝負を分けたのは、道中の位置取りだったと言っていいかもしれない。

 直線を向いて、グローリーヴェイズが馬群を縫うように進出。ラッキーライラックも一気に迫り、2頭が馬体を併せたままエグザルタントをとらえにかかった。しかし残り200mを切ってからの脚色が抜群だったグローリーヴェイズが一気に突き抜けた。

海外競馬通信

▲脚色が抜群だったグローリーヴェイズが一気に突き抜ける


 ラッキーライラックもエグザルタントを交わしたものの、勝ったグローリーヴェイズからは3馬身半差の2着。その直後を伸びたディアドラだったが、エグザルタントをとらえきれず4着だった。

 勝ちタイムの2分24秒77は、2007年にヴィヴァパタカが地元G1でマークしたコースレコード(2分24秒60)に迫るもの。エグザルタントの走破タイム2分25秒36は自身の最高タイムで、能力は発揮しており、やはり3頭で臨んだ日本馬の能力がそれを上回ったという結果だった。

 海外G1初勝利となった尾関知人調教師は、「このコースはこの馬に合っていると思って、ここを目標に来ました。前走負けてしまいましたが(京都大賞典6着)、そのあとの状態もよかったし、香港に来てから日に日に落ち着いて、万全の状態で臨めると思っていました。さすがモレイラジョッキーというレースぶりで、自分たちが思っていた以上に馬が能力を発揮してくれました」とのこと。

 2着だったラッキーライラックの松永幹夫調教師は「今日は前が残っている感じでどうかと思いましたが、それでも最後は伸びてくれて、今回は勝った馬が強かった。この馬の力は出してくれました」と、勝ち馬を褒めるしかなかった。

海外競馬通信

▲ラッキーライラックは惜しくも2着


【香港スプリント】ダノンスマッシュが挑むも8着


 第5レースの香港スプリントは、日本時間15時25分(現地14時25分)の発走。このカテゴリーは、やはり地元の実績馬が強かった。

 逃げたのは、前哨戦のG2ジョッキークラブスプリントで重賞初制覇を果たし、断然人気(現地の単勝オッズ1.5倍)に支持された3歳の上がり馬エセロ。しかし歴戦の実績馬たちが楽には逃してくれなかった。

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