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最速の喜びの声! エイシンヨッシーで勝利した日曜中京をレース回顧

  • 2019年12月10日(火) 18時01分
太論

▲日曜日の中京8Rで勝利したエイシンヨッシーについて、レースを振り返るとともに語ってくださいました


先週の日曜日は中京に参戦した小牧騎手ですが、8Rの3歳上1勝クラスで久々のトップゴールを決めました! パートナーは、デビュー以来一貫して手綱を取っているエイシンヨッシー。レースを振り返るとともに、この馬に対する理解を深めた貴重な過程に迫ります。(取材・文:不破由妃子)

ガツガツ乗るより、逆にいい競馬ができた


──日曜日の中京8R(3歳上1勝クラス・ダ1800m)をエイシンヨッシーで勝利。おめでとうございます!

小牧 ありがとう。馬が強かったねぇ。勝ち負けよりも、この馬の競馬をしようと思って乗ったんだけど、やっぱり強かった。

──中団から徐々にポジションを上げていく競馬でしたが、まずはレースを振り返って。

小牧 うん、あんまり無理して行かんとこうと思ってジックリ乗りましたわ。でも、道中は「変なところに入ってしまったなぁ」と思って。

──馬群のなかでしたね。7月の昇級初戦で12着に敗れた際、「揉まれて嫌気が差してしまった」とおっしゃっていたので、大丈夫かな…と思いながら見ていました。

小牧 ああ、あのときはね、僕がけっこう慌てさせたもん。その結果、あの馬のリズムが崩れてしまった。その点、今回は同じ馬群であっても、自分のリズムで走らせることができたから。そうすれば馬群でも大丈夫やねん。というのもね、前走(8月3日・小倉12R・9番人気2着)は出遅れて後方からの競馬になったでしょう。それで開き直って外から上がっていったんやけど、そのときにね、「あ、自分のペースでいければ走るんやなぁ」とわかったから。

──そうだったんですね。その前走2着のあと、「まだ気分よく走れていない。エンジンの掛かりが遅い」と課題を挙げていらっしゃいましたが、そのあたりに進境は見られましたか?

小牧 そうやね。一回追い切りに乗ったんやけど、放牧から帰ってきてからだいぶ良くなってる。反応については、「勝たなアカン」とか思わんと、ジックリ乗ったのが逆によかったね。強い馬に乗ったら、そういう乗り方のほうが力を引き出せるわ。

──4カ月ぶりの実戦で、馬体はプラス14キロ。3月に未勝利戦を勝った際には“緩さ”を指摘されていましたが、そのあたりの成長は?

小牧 まだ緩いところはあるけど、その状態であれだけ走れるんだから大したもの。まだまだよくなってくるはずやし、あの馬はホントに楽しみやね。

──デビュー戦から一貫して小牧さんが手綱を取ってきた馬。こういう馬と一緒に上がっていけるのは、ジョッキーとしての楽しみも倍増ですよね。

小牧 うん。ただね、僕はもう慌てない。走る馬は走る。しばらく勝ってなかったけど、最近は「勝つときは勝つんやから」っていうね、そういう気持ちでひとつでも上の着順を目指して乗ってる。今回も、ガツガツ乗るより逆にいい競馬ができたような気がする。そういう気持ちでいたほうが、馬って走るからね。

──安藤勝己さんが口癖のようにおっしゃっていましたよね。「人間が勝とう勝とうと思っていると、余計な気負いが必ず馬に伝わってしまう」と。

小牧 そうそう、まさにその通りで。勝とう勝とうと思ったらどうしても焦ってしまうけど、結局、走る馬はジッとしとったらもっと走るねん。人間があれこれするよりもね。もちろん、力の足らん馬は何とかせなアカンのやけど。

──とはいえ、小牧さんにとって8月以来の勝利です。ゴールした瞬間の心中は、歓喜? それとも安堵?

小牧 もちろんうれしかったけど、ゴールした瞬間は、「あ〜、ようやく勝ったなぁ」っていう感じで淡々としてたかな。それより、ファンの人たちがみんな喜んでくれていてね。なによりそれがうれしかった。今回はね、力があるのはわかっていた馬やから、僕がどうこうよりも、「結果を出せてよかったなぁ」っていう気持ちが強いね。

──続いては、土曜日の新馬戦(阪神6R・ダ1800m)のワンダーコンパス。追い切りにも騎乗されていましたが、いきなり2着と結果を出しました。

小牧 うん。追い切りも動いてたからね、走ると思ってた。それこそまだ緩いから、もっとよくなってくると思う。

──直線は差し返すようなシーンもあって。

小牧 ああ、あれは差し返したというよりも、怖がって一瞬躊躇したんですわ。で、立て直したらまた伸びて。

──レース後のコメントで「物見が激しい」とおっしゃっていたのは、そのあたりだったんですね。

小牧 そうそう。初戦はちょっと時計が物足りんかったけど、直線の感じからして詰められるはずやから、この馬も次が楽しみやね。

太論

「あ〜、ようやく勝ったなぁ」っていう感じで淡々としてたかな。

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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。その後もローズキングダムとのコンビで朝日杯FSを制するなど、今や大舞台には欠かせないジョッキーとして活躍中。

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