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【朝日杯FS】例年に比べスピード色が強いメンバー構成

  • 2019年12月13日(金) 18時00分

無視できない内枠の先行勢


 朝日杯FSはもともと前走1600m組が強く1400mが劣勢のレースだったが、阪神コースに舞台が移ってからその傾向が増している。重視すべきはまず、前走マイル重賞を好走してきた馬だ。

 その意味でサリオスはやはり軽視できない。このコース・この勝負服で1番人気となると先週を連想してしまうが、枠順の違いが大きい。内寄りからいける範囲の好位置を進めば、そうひどいことにはならないだろう。

 ただ今回は前走1400m組が多い一方で距離短縮組がおらず、全体的にスピード色が強いメンバー構成。前半が速くなって置かれる形になるとリスクは出てくる。速い上がりも使える馬なので、スロー寄りの流れを好位で進む形が理想だ。

 デイリー杯2歳S勝ちのレッドベルジュールもマイル重賞勝ちから来た馬なのでもちろん重視しなくてはならない。こちらは12番枠なので、それをどう処理するか、スミヨン騎手の判断が興味深い。

 苦戦している距離延長組だが、唯一買えるのが京王杯2歳S好走馬。タイセイビジョンは距離延長かつ初距離になるが、血統の字面からはマイルをこなせないということはなさそう。前走上がり33.5秒で勝っているが上がりだけの勝負だとサリオスなどに勝てないので、スタミナのリスクはあっても前半が流れてくれたほうがいい。

 ウイングレイテスト、ペールエールのデイリー杯2歳S2、3着馬も相手馬としては考慮する必要がある。前回先着しているのに人気が伸びないウイングレイテストのほうが馬券的には魅力があるが、ペールエールも3番枠を引いたので無視できなくなってきた。前付けが選択肢に入る馬で内枠となると、マーフィー騎手の良さがでそうだ。

 京王杯2歳S2着のビアンフェは、母や兄姉の成績を考えるとやはり距離が心配になるところ。ただ半姉ブランボヌールにしても阪神JFで3着と好走している。逃げ馬にとって有利な馬場であれば、馬券圏内の期待は持てる。

 ラウダシオンも距離延長に挑むが、こちらは大外枠に入ってしまった。枠順も考えるとビアンフェのほうが買いやすい印象。ルメール騎手のコース成績がかなり良いので、好走のためにはそこに期待したい。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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