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【有馬記念】ターフを去りゆくキミへのラストメッセージ

  • 2019年12月21日(土) 18時05分
馬ラエティBOX

今年の有馬記念がラストランとなる6頭(撮影:下野雄規、(C)netkeiba.com)


暮れのグランプリ、有馬記念――これまでも数々のサラブレッドがここを最後にターフを去っていきました。今年「有馬で引退」を表明している6頭に向けて…各陣営からのメッセージや、これまでの思い出などを伺いました。

(取材・文=美浦:佐々木祥恵、栗東:大恵陽子)

アエロリット × 菊沢隆徳調教師


――まず、アエロリットを一言で表すと…

菊沢師 「キュート。」

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管理する菊沢隆徳調教師に伺いました(C)netkeiba.com


 ※フリップに書いていただくまでに「頑張り屋さん」「根性娘」など紆余曲折ありましたが、最終的に「キュート」になりました。自ら手綱を取って1週前追い切りを終えた後「引退は僕が誰よりも寂しい」と話されていた菊沢先生。「キュート」の一言に、アエロリットが可愛くて仕方がないのだなと感じました。

――初めて見た時の印象

菊沢師 1歳の春に牧場で見ました。5月生まれでもありますし、まだその頃は華奢な感じでした。それでもバランスが良いですし、脚も長くて、このまま順調にいけばいいなと思いました。

――1番思い出に残っているレース

菊沢師 いっぱいありますよね。負けたレースもそうですし。その中でも厩舎として初めてのGIを勝たせてもらったNHKマイルCですね。競馬は冷静に見ていたのですけど…(勝った時には)周りの雰囲気もありますし、実際に当事者になると舞い上がってしまって、冷静さを欠いていました(笑)。

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この頃と比べると、ずいぶん白くなりました…(撮影:下野雄規)


――印象的なエピソード

菊沢師 初めての海外遠征でアメリカに行った時に、1週間近く付きっきりでいろいろな経験をさせてもらったのですけど、馬自体は我々人間の想像を超えるような冷静さがあって、精神面の強さに驚きました。若い頃に比べると心身ともにドッシリして、男馬に負けないくらいパワフルな体付きになりました。良いタイミングで休養挟んで、それとともに成長して、パフォーマンスを下げるどころか上げてくるという馬はなかなかいないですし、本当にすごいと思います。

 若い時は厩(うまや)でもワーッと暴れたり、カン性のきついところがありました。今では馬房の中では大人しくて優しいです。餌も食べますし、厩ではゆっくり過ごすので、太ってしまうのではないかと心配ですね(笑)。ただパドックや返し馬では気合いがグッと入ります。年齢を重ねるにつれて輪をかけて力がついてきたものだから、今は抑えるのが大変という感じです。

――有馬記念への意気込み

菊沢師 秋の天皇賞が終わってしばらく経っていろいろ考えた結果、有馬記念に出走が決まりました。GIのグランプリ有馬記念というのは、引退レースとしてはふさわしい選択だったと思います。あとはこの馬のペースで走ってほしいですね。

――アエロリットへのメッセージ

菊沢師 感謝しかないですね。この先お母さんになる仕事もあるので、その時はちゃんと子供を可愛がりなさいよ、という感じです(笑)。最初は子供を見てビックリするだろうけど(笑)。



アルアイン × 音瀬慎調教助手


――まず、アルアインを一言で表すと…

音瀬助手 何がいいかなぁ……ちょっと待ってくださいね。うーん、やんちゃ…でもないんですよね。自分で分かってやっていますし、賢いです。よし、「天才肌」でいきましょう。

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担当の音瀬慎調教助手に伺いました(撮影:大恵陽子)


――初めて見た時の印象

音瀬助手 デビュー前に見たのですが、筋肉モリモリで、筋肉量がすごいなぁと感じました。でも、大きいながらにも、触った感触がフワフワしていて「上質な筋肉なんだろうな」と思いました。

――印象的なエピソード

音瀬助手 香港ですかね。クイーンエリザベスII世Cに向けての調教で、コースには入ったんですけどアルアインが調教拒否してコースを回れませんでした。海外馬が少なかったので、向こうの方も「好きなように逆回りでも芝コースでも、何でもやっていいですよ」と言ってくれたんですけど、押しても引いても叩いても、1時間近く全然ダメでした。相当焦りますよね。

 でも、先生が冷静に見ていてくれて、「帰巣本能があるから、直線コースを厩舎の方に向かって逆走させたらどうか」と。そうしたら、何とかアルアインも走ってくれて最終追い切りを終えることができました。すごく勉強になりましたし、こちらが思っているほど馬のことを考えられていなかったんだなと感じました。もし今後、他の馬の時には「もっとこうした方がいんじゃないかな」という引き出しは増えた気がします。

 最も印象に残っているレースは皐月賞です。

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音瀬助手にとっても初のGI制覇となった皐月賞(撮影:下野雄規)


――アルアインにメッセージ・有馬記念への意気込み

音瀬助手 「頑張ってください」状態はいいです。天皇賞・秋とマイルCSはちょっとこの馬らしくなく落ち着いていたのかなって思うんですが、今回はこちらが手こずる感じの、いい意味でのうるささがあります。直線が短くて小回りの中山は得意です。最後ですし、やっている側としては勝ってほしいですよね。GIだといろんな方の思いが乗っているので、気が張ります。

 僕も元々は競馬ファンで、エアジハードが好きでした。憧れの世界で、池江厩舎に所属が決まった時は、実は嬉しくて泣いたんです。走るのは馬ですが、担当者として責任をもってやりたいです。



クロコスミア × 北添裕哉調教助手


――まず、クロコスミアを一言で表すと…

北添助手 難しいですが……「頑張り屋」!

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担当の北添裕哉調教助手に伺いました(撮影:大恵陽子)


 あ、このフリップは2歳で赤松賞を勝った時の写真ですね。勝浦さんで1枠1番。勝った時の写真は残りますし、全部覚えています。

 インターネットとかでファンの方たちが撮った写真を見たりするのですが、クロコスミアはだいたいカメラの方を見ていますよね。さすがにパドックなのでグッと気合いの入った顔になりますけど、それでも見ています。すごく周りに対して敏感なんだと思います。いまも下を向いていますが、カメラを向けたらちゃんと顔を上げると思いますよ。

――初めて見た時の印象

北添助手 背も小さかったですし、線も細くて、通りすがりの先輩たちに「小さいなー」って言われていました。それでも、芯が強そうなところは感じました。最初は何でも初めてだったのが、いろんな経験をして徐々に自分が何をすべきか分かってきたのかなと思います。

――1番思い出に残っているレース

北添助手 今回、いろんな人に聞かれるんですけど、なかなか「一番」って難しいですね。

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