スマートフォン版へ

【名古屋グランプリ】コース経験のあるアナザートゥルースを中心視

  • 2019年12月18日(水) 18時00分

未来へ向け飛躍を遂げる馬は現れるのか?


 12月19日(木)、名古屋競馬場で行われる『第19回名古屋グランプリ』は、2500mで実施されるダートグレード競走最長距離重賞。1周1100m・スタンド前を3回走る戦いで、コース適性が問われるレース。昨年の勝ち馬・チュウワウィザードは今年に入ってダイオライト記念、平安S、JBCクラシックとダートグレード競走を3勝し、ついにJpnIタイトルを手にしました。今年もそんな飛躍を遂げる馬は現れるのか?JRA勢5頭をご紹介しましょう。

 まずは前走・浦和記念の2頭から。

 アナザートゥルースは浦和記念でケイティブレイブの2着に健闘。東京大賞典の選定馬でありながらこちらのレースを選択したことからも、本気度の高さを感じます。3月の名古屋大賞典(1900m)でグリムとヒラボクラターシュに続く3着。続く4月のアンタレスSでは先に動いたグリムを直線で交わし、重賞初制覇を飾りました。今回、コース経験のある名古屋競馬場で重賞2勝目を狙います。

浦和記念で2着に健闘したアナザートゥルース(写真は2019年浦和記念出走時、撮影:高橋正和)


 浦和記念は4着だったデルマルーヴル。2走前・白山大賞典では初めての古馬との対戦で、内で粘るグリムを外からクビ差2着まで追い詰めました。ダートグレード競走5勝馬のグリムを物差しにすると、アナザートゥルースとデルマルーヴルは互角の戦いをしていて、ここでは力上位。昨年の兵庫ジュニアグランプリを制して以降、全日本2歳優駿2着、ジャパンダートダービー2着、レパードS2着、白山大賞典も2着と惜しいレースが続いていて、そろそろ重賞2勝目を挙げたいところ。昨年のチュウワウィザードに続く3歳馬による制覇を目指します。

そろそろ重賞2勝目を挙げたいデルマルーヴル(写真は2019年浦和記念出走時、撮影:高橋正和)


 続いてご紹介する3頭は地方競馬初参戦。

 アナザートゥルースと同じアイルハヴアナザー産駒のメイショウワザシ。重賞初挑戦だった9月のシリウスSで逃げ粘って3着。前走・師走S(中山・L)では2番手からの競馬で3着。オープン入りしてから勝ち切れていませんが、前々でレースを進めることができるのは好材料。鞍上・武豊騎手は2002年アッパレアッパレでこのレースを制しているほか、かきつばた記念2勝、名古屋大賞典も2勝と当地のダートグレード競走では心強い存在。

前々でレースを進めることができるのは好材料のメイショウワザシ(写真は2019年薩摩S優勝時、撮影:(C)netkeiba.com)


 アポロテネシーは現在2連勝中でオープン入りしたばかりの4歳馬。2連勝の内容はどちらも2番手からの競馬で、危なげない勝ちっぷりを披露。着実にステップアップしてのダートグレード競走初挑戦。勢いは一番で、未知の魅力ある1頭です。

着実にステップアップしてダートグレード競走初挑戦のアポロテネシー(写真は2019年晩秋S優勝時、撮影:下野雄規)


 アングライフェンは今年に入って2月のアルデバランS(京都・1900m)、5月のブリリアントS(東京・2100m・L)とオープンを2勝。2走前・シリウスSではロードゴラッソのクビ差2着にまで迫りました。前走・みやこSは16頭立てと多頭数で直線は前が壁になり、追い出しが遅れて4着。小回りコースへの対応がカギとなりますが、スムーズな競馬ができれば抜け出す可能性を秘めています。鞍上は名古屋競馬場初参戦のO.マーフィー騎手です。

小回りコースへの対応がカギとなるアングライフェン(写真は2019年ブリリアントS優勝時、撮影:下野雄規)


【イチオシ馬】
・アナザートゥルース
 ご存知サウンドトゥルーの半弟。兄同様に遅咲きで、条件戦からコツコツと勝ち上がり5歳にして重賞初制覇。兄の背中も知っている大野拓弥騎手とのコンビで、ここから息の長い活躍に期待します。

【気になる馬】
・デルマルーヴル
 鞍上は地元愛知の岡部誠騎手。エイシンモアオバーとのコンビで名古屋グランプリを2勝(2012年、2014年)しており、久しぶりの重賞制覇に向けて視界良好。

 このレース、地方所属馬が優勝したのは第1回ミツアキサイレンス(笠松)だけとJRA勢が断然優位で、近年馬券圏内にきた地方所属馬はカツゲキキトキトのみ(2016年、2017年ともに3着)。今年もまたJRA勢が上位を占めそうな面々ですが、そのJRA勢の中では混戦模様。コース経験のあるアナザートゥルースが勝利するのか?3歳馬デルマルーヴルか?地方競馬初参戦馬たちがコース適性の高さを見せるのか?2500mの長距離重賞、騎手たちの手綱さばきも含め、じっくりとご観戦ください!

名古屋グランプリの出馬表はこちら→→→
場外発売所一覧はこちら→→→
名古屋競馬のホームページはこちら→→→
地方競馬情報サイトはこちら→→→

埼玉県出身。フリーアナウンサー。競馬好きが高じてこの世界へ。2001年から15年間、グリーンチャンネルで「中央競馬全レース中継」のキャスターを務める。2016年度から「グリーンチャンネル地方競馬中継」のコメンテーターとして出演。さらに全国各地の競馬場のトークイベントに参加するなど、中央競馬・地方競馬の垣根を越えて活躍中。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング