スマートフォン版へ

【朝日杯FS】末脚に頼らない果敢な先行策 ムーア騎手が世界トップである理由

  • 2019年12月19日(木) 18時01分
哲三の眼

▲サリオスがレコードV、ムーア騎手は今期GI初勝利 (c)netkeiba.com


ライアン・ムーア騎手は今期初のGI勝利。果敢な先行策から直線突き抜け、レースレコードも記録しました。その中で哲三氏が注目したのは、サリオスの末脚に頼らなかったスタートからのポジション取り。世界のトップジョッキー・ムーア騎手が馬の能力を最大限に引き出せる理由とは?(構成:赤見千尋)

「今回のレースは“馬5:人5”の力関係」


 朝日杯フューチュリティステークスは、1番人気だったサリオスが好位から直線早めに抜け出して勝利しました。今回の来日でライアン・ムーア騎手はGIを勝っていなかったですし、ここはどうしても勝ちたいという気持ちが強かったと思います。ジョッキーは「勝ちたい勝ちたい」と気持ちが強くなると、時には足元をすくわれてしまうこともあるのですが、しっかり勝ち切ったところはさすがでしたね。

 レースはスタートを決めて、ハナに行くくらいの勢いで追って、いいポジションを取りました。サリオスはデビュー戦、サウジアラビアロイヤルカップと2戦続けて33.1という末脚を使っている馬です。そういう馬に対しても、抑えて最後の末脚を引き出すという競馬ではなく、しっかりと勝てるポジションを取り切って、直線半ばくらいで勝負を決めてしまった。この辺りはさすが海外のトップジョッキーだなと。

 一昔前だったら

続きはプレミアムサービス登録でご覧になれます。

登録済みの方はこちらからログイン

1970年9月17日生まれ。1989年に騎手デビューを果たし、以降はJRA・地方問わずに活躍。2014年に引退し、競馬解説者に転身。通算勝利数は954勝、うちGI勝利は11勝(ともに地方含む)。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング