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【騎手のGIコース解説】大井の騎手から調教師へ 坂井英光元騎手が東京大賞典のコースを解説 (前編)

  • 2019年12月29日(日) 07時00分
GIドキュメント

▲現在は矢作厩舎(JRA)で研修中、坂井英光元騎手が東京大賞典のポイントを明かします (C)netkeiba.com


実際に騎乗経験のあるジョッキーに、コースの特徴や攻略方法を教えていただく「騎手のコース解説」企画。今回は地方競馬の暮れの大一番、東京大賞典が行われる大井ダ2000mを坂井英光元騎手が解説します。

坂井元騎手と言えば、11月14日に調教師試験合格が発表され、「最後の騎乗はホームの大井で…」という強い思いから、翌日15日がラストランに。現在は息子・坂井瑠星騎手が所属する矢作芳人厩舎(JRA)で研修中。矢作厩舎で学んでいること、息子への思いなど、様々な本音も飛び出します。

(取材・文=不破由妃子)

※12/22(日)に前編を、23(月)に後編を公開します。


大井のホースマンとして、一番勝ちたいレースだった


──東京大賞典といえば、競馬ファンにとって最後の砦ともいえる大一番ですが、大井のホースマンである坂井さんは、このレースにどんな思い入れがありますか?

坂井 大井のホースマンにとっては、JRAの有馬記念に匹敵するレースですよね。他場やJRAからも馬が集まるから(出走できる)枠は少ないんですけど、ハードルが高いぶん、出走できることは名誉でもあるし、もしかしたら一番勝ちたいレースだったかもしれません。

──その東京大賞典には、2005年(シャコーオープン14着)、2007年(トップサバトン7着)、2008年(ブルーホーク7着)と三度騎乗。なかでも一番印象に残っている年は?

坂井 やっぱり2008年のブルーホークですね。

──ブルーホークは、デビュー戦から一貫して坂井さんが手綱を取り、17戦12勝という好成績を残した馬ですものね。

坂井 そうです。だから思い入れがあって。カネヒキリ、サクセスブロッケン、ヴァーミリアン、ブルーコンコルドと錚々たるメンバーでしたけど、レースではハナに行ってね。

 ペースも上手く落ち着いたし、むちゃくちゃ手応えが良かったものだから、4コーナーでは「ヤバい! これ勝っちゃうよ」と思った(笑)。まぁ、そのあと一瞬で抜き去られたんですけど(苦笑)。あのときほど「やっぱりJRAの馬は違うな」と痛感したことはありませんよ。それもあって、一番思い出深いですね。

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▲2008年、ブルーホークで参戦した東京大賞典 (撮影:高橋正和)


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▲制したのはJRAのカネヒキリ (撮影:高橋正和)


──では、さっそくコースの特徴から傾向を探っていきたいのですが、大井の2000mというと、地方競馬のなかでは圧倒的なスケールを誇るコースというのが最たる特徴ですよね。

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