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クリスマス休暇明けは障害シーズンへ

  • 2019年12月25日(水) 12時00分

大きな盛り上がりを見せる障害


 1年を通じて毎日のように競馬開催のある英国と愛国だが、クリスマス休暇となる12月22日から25日の4日間だけは、いずれの国でも全く開催がない。その一方で、26日のボクシングデイは2か国あわせて11もの競馬場で開催がある。そして、26日から29日までの4日間に、障害シーズンの前半戦の山場となるカードが、各地で組まれている。

 26日に英国のケンプトンで行われるのが、G1クリスマスハードル(芝16F)とG1キングジョージ6世チェイス(芝24F)だ。

 チェルトナムのG1チャンピオンハードル(芝16F87y)を総決算とするハードル2マイル路線のG1クリスマスハードルは、昨季のG1チャンピオン4歳ハードル(芝16F)勝ち馬で、今季初戦となったウィンカントンのG2ユニベットエリートハードル(芝15F65y)を白星で通過したフュージルラッフルズ(セン4、父サンデサン)が中心。

 前年に続くこのレース連覇を狙うヴァーダナブルー(セン7、父ゲッタウェイ)と、今季初戦となったニューバリーのLRインターメディエイトハードル(芝16F69y)を6馬身差で制した新興勢力のエパタント(牝5、父ノーリスクアットオール)が2番手グループを形成する。

 チェルトナムのゴールドC(芝26F70y)を総決算とするスティープルチェイス3マイル路線の、英国における前半戦の頂点となるG1キングジョージ6世チェイスは、昨季のG1アスコットチェイス(芝21F8y)勝ち馬で、今季初戦のG2クリスティ1965チェイス(芝21F8F)で、19連勝中だったアルティオール(セン9、父ハイチャパラル)を2着に退けて優勝したサーネイム(セン7、父ニックネーム)が中心。

 昨季のG1ザゴールデンミラー(芝19F168y)2着馬で、ヘイドックのG1ランカシャーチェイス(芝25F125y)を勝っての参戦となるロストイントランズレーション(セン7、父フレメンスファース)と、昨年に続くこのレース連覇を狙うクランデゾーボウ(セン7、父カプガルデ)が2番手グループを形成する。

 27日にレパーズタウンで行われるのが、G1パディーズリワーズクラブチェイス(芝17F)だ。チェルトナムのG1クイーンマザーチャンピオンチェイス(芝15F199y)を総決算とするスティープルチェイス2マイル路線の、愛国における前半戦の頂点となるこのレースで、ブックメーカー各社が1.4〜1.57倍のオッズを掲げて圧倒的1番人気に推しているのがシャクンプルソワ(セン7、父ポリシーメーカー)だ。

 今年3月、およそ3年ぶりの出走となったナースのビギナーズチェイス(芝16F)を31馬身差で制し、スティープルチェイスにおける初勝利を挙げると、続いて出走したパンチェスタウンのG1ライアンエアノーヴィスチェイス(芝16F)も4.1/4馬身差で制した上がり馬がシャクンプルソワだ。ここが今季の緒戦となる。

 そのレパーズタウンで28日に行われるのが、G1フランクワードメモリアルハードル(芝24F)と、G1サヴィルズチェイス(芝24F)だ。

 チェルトナムのG1ステイヤーズハードル(芝23F213y)を総決算とするハードル3マイル路線のG1フランクワードメモリアルハードルは、18年のG1チェルトナムメアズハードル(芝19F200y)勝ち馬で、今年5月に仏国のG1オートイユ大ハードル(芝5100m)を制し、3マイルを越える距離に対応できることを実証したベニーデジュー(牝8、父グレートプリテンダー)が中心。

 昨季のG1チャンピオンズステイヤーズハードル(芝24F)2着馬バカーディーズ(セン8、父コースタルパス)と、昨年に続くこのレース連覇を狙うアップルズジェイド(牝7、父サドラーメイカー)が2番手グループを形成する。

 スティープルチェイス3マイル路線の、愛国における前半戦の頂点となるG1サヴィルズチェイスは、昨季のこのレースを含めてこの路線のG1を3勝しているケムボーイ(セン7、父ヴォワドゥノール)が中心。

 18年のG1RSAインシュランスノーヴィスチェイス(芝24F80y)勝ち馬で、今季初戦のG1ジョンダーカンメモリアルチェイス(芝20F40y)3着のプレゼンティングパーシー(セン8、父サーパーシー)、17年のこのレースの勝ち馬で、今季初戦となったダウンロイヤルのG1チャンピオンチェイス(芝24F)で4度目のG1制覇を果たしての参戦となるロードトゥリスペクト(セン8、父ガマト)、昨年のこの開催ではG1ネヴィルホテルスノーヴィスチェイス(芝24F)を8馬身差で快勝したデルタワーク(セン6、父ネットワーク)の3頭が、2番手グループを形成している。

 そして、29日にレパーズタウンで行われるのが、ハードル2マイル路線の愛国における前半戦の頂点となる、G1マティソンハードル(通称ディセンバーハードル、芝16F)だ。

 ブックメーカー各社は、昨季のG1シュプリームノーヴィスハードル(芝16F87y)勝ち馬で、今季初戦のG1モーギアナハードル(芝16F110y)が3着だったクラシカルドリーム(セン5、父ドリームウェル)を、オッズ1.91〜2.25倍の1番人気に支持している。

 大きな盛り上がりを見せる障害シーズンの後半戦へ向けて、いずれも見逃せない一戦だけに、日本の競馬ファンの皆様もぜひご注目いただきたい。

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1959年(昭和34年)東京に生まれ。父親が競馬ファンで、週末の午後は必ず茶の間のテレビが競馬中継を映す家庭で育つ。1982年(昭和57年)大学を卒業しテレビ東京に入社。営業局勤務を経てスポーツ局に異動し競馬中継の製作に携わり、1988年(昭和63年)テレビ東京を退社。その後イギリスにて海外競馬に学ぶ日々を過ごし、同年、日本国外の競馬関連業務を行う有限会社「リージェント」を設立。同時期にテレビ・新聞などで解説を始め現在に至る。

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