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【ホープフルS】次世代のスター候補たちが集まる一戦の追い切りを徹底解説!

  • 2019年12月25日(水) 18時00分

ポイントになりそうなのは中山の芝状況


 先週の有馬記念。当日は中山競馬場でのイベントでしたが、いつ雨が降り出すか分からない空模様ということもあり、来場者数は前年比減。アーモンドアイが出走した割にはという肩透かし感が否めませんが、近年で言えば、やっぱりキタサンブラックは本当にスターホースだったんだなあという気がします。

 さて、今週はホープフルS。次世代のスター候補たちが集まる一戦ですが、ポイントになりそうなのは中山の芝。先週は22日の午後のレースで芝の時計が掛かる状況に変化していました。午後は13時の時点で小さな雨粒が落ちていましたから、それが影響したかも知れません。状況的には昨年に似た馬場状態の推移かも知れませんから、昨年の調教適性を重視した予想を考えています。

 また、当欄の最後に東京大賞典から1頭取り上げました。全体的な予想はウマい馬券で提供させていただく予定なので、JRAとNARの最後のGI競走の締めくくりとして、参考にしていただければ幸いです。

【ホープフルS/コントレイル】

 新馬、東京スポーツ杯2歳Sと連勝。しかも前走がアルジャンナ、ラインベックといったところに圧勝、さらにレコードという価値の高い勝利になりました。前走は左回りですが、デビュー戦は阪神競馬場ですから、今回の中山芝2000mに向けてはあまり死角はなさそうに思います。

 ひとつ懸念するなら、折り合いでしょうか。CWでの1週前追い切り。福永祐一騎手が跨っていましたが、道中はかなり行きたがる仕草を見せていました。調教のスピードでゆっくり走ることはあまり得意ではないのかも知れません。でも最終追い切りでは坂路で前走時と同じようにきっちり動けましたし、レースで走るということに関して大きな心配はないと思います。

コントレイル

中山芝2000mに向けてはあまり死角はなさそうなコントレイル(12月24日撮影)


【ホープフルS/ヴェルトライゼンデ】

 新馬戦が小倉芝1800mでコーナー4つをこなし、前走が京都芝1800mで直線長い舞台でも力を発揮しました。中山芝2000mという意味では直線の急坂への対応力ということになりますが、これに関しては坂路での脚力がその不安を感じさせません。

 ちなみに前走時の最終追いが坂路で4F目11.9秒。今回の最終追いは坂路で4F目12.0秒。今回は3F目が13秒台なので、正味1Fしか速い脚を使えていないことになりますが、前走時は3F目12.6秒からの11秒台ですから、さほど気にすることはなさそう。とはいえ、1週前追い切りのCWでの動きを見ると、コーナーから直線に向く時の加速力にセールスポイントがありそうな馬だけに、今回もうまく立ち回ることが勝利への近道のような気はします。

ヴェルトライゼンデ

ヴェルトライゼンデは今回もうまく立ち回ることが勝利への近道か(12月24日撮影)


【ホープフルS/ラインベック】

 デビューからの2連勝に疑問符を持っていた方なら前走の負けに「やっぱりな」と思ったはず。確かに中京での2戦は時計も遅かったので、パフォーマンスのレベルを疑った方もいるでしょうが、前走のレースを経験できたことで、今後には大きな糧となったと思います。

 まずは速い時計を経験したこと。そして、早目のレースで機動力がついたこと。これは今後の重賞戦線では必要になる要素です。この中間はその経験が活きているんだろうなという動きを見せていますし、最終追い切りのCWでの実戦的な2頭併せ×2で4頭レースのような追い切りをやって、そこから抜け出してきた脚の速さを見ると確実に前走時よりも走りのレベルが上がっています。時計は6F82.1〜5F67.3〜4F52.6〜3F38.2〜1F12.4秒でしたが、非常に中身の濃い走りができたと思います。

ラインベック

確実に前走時よりも走りのレベルが上がっているラインベック(写真最左、12月24日撮影)


【ホープフルS/ブルーミングスカイ】

 まだ1勝クラスですが、経験値という意味ではここでも十分に勝負になりそうな馬。なにせ新馬戦で負けた相手はマイラプソディ。この馬だって、もっと出世していいはずですし、それだけの素質はあると思わせてくれたのが1週前追い切りでした。

 CWでの3頭併せでしたが、後ろから追いかけてくる相手の手応えを見ながら追い出しを待つ余裕があります。逆手前で伸びるあたりにまだ若さが見られますが、それでもしっかり速い時計が出るあたりはさすが。うまく立ち回って、最後が我慢比べのような流れに持ち込むことができれば楽しみです。

ブルーミングスカイ

まだ若さが見られるが、それでも速い時計が出るブルーミングスカイ(12月24日撮影)


【東京大賞典/オメガパフューム】

 チャンピオンズCからのローテーションは昨年と同じ。その間に追い切りが3本あるのも昨年と同じですが、違うのは1週前追い切りがDPになった点。これに関しては「不凍液を撒いたウッドチップは馬が警戒しながら走るので、その点を確認することも含めて、ポリトラックでの追い切りを選びました」と安田翔伍調教師。明確な理由があってのことなので、ここは特に問題ありません。

 むしろ最終追い切りの動きをみると、前走時よりも動きが良く見えました。2回目のハローが終了した直後の馬場でしたが、まったくふらつくようなところがなく、最後は馬場の中央を堂々と駆け上がります。時計がさほど速くない(2F25.2秒)分、そりゃそうでしょといった感じに受け取る方もいるかも知れませんが、4F時計は前走時とほぼ同じ。それでいて、最後がこれだけ余力ある状態なら、やっぱり前走よりも良いと判断したいところです。

オメガパフューム

前走時よりも動きが良く見えたオメガパフューム(12月24日撮影)


◆次走要注意

・12/21 2歳新馬【アイスナイン】(10人4着)

 パドックで馬を確認しましたが、後肢の運びに力強さがあるものの、体型的にはマイル以下がベストに思えます。内々で脚をためた分、最後は掲示板確保ですが、もっと強気な競馬ができそうなマイル以下の距離で勝てると思います。

[メモ登録用コメント] [ダートマイル以下]追い切り本数標準以上の併用系統の調教タイプなら勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・2歳1勝クラス【ディアマンミノル】

 前半がゆっくり入ったとはいえ、CWで外を回りながら、最後は余裕を持ってビオレイメルを交わす動き。追えば追うほど伸びそうな動きでしたし、キャリアの浅さはさておいて、この動きは評価すべきです。

ディアマンミノル

追えば追うほど伸びそうな動きだったディアマンミノル(写真右、12月24日撮影)


【予想】井内利彰の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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