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【東京大賞典】去年の上位3頭VS大井のトップホース2頭

  • 2019年12月28日(土) 18時00分

暮れの大一番にふさわしい豪華メンバー!


 今年最後の日曜日、12月29日に大井競馬場で行われる、令和元年を締めくくるGI『第65回東京大賞典』。今年は昨年の1、2、3着馬が揃って出走。そこに有力地方馬も加わって、暮れの大一番にふさわしい豪華メンバーとなりました。さっそくJRA勢から見ていきましょう。

 昨年の覇者オメガパフューム。3歳馬が東京大賞典を制したのは2004年のアジュディミツオー以来14年ぶりの快挙。さすがはハイレベルと言われている2015年生まれ、今年の帝王賞も制しJpnI2勝目を挙げました。大井2000mでの成績を見ると3戦2勝【2-1-0-0】連対率100%で、死角なし(2着は2018年ジャパンダートダービー)。

 ここ2戦、浦和・JBCクラシックは実に惜しいハナ差2着、中京・チャンピオンズCは6着でしたが、得意の右回り・大井ならば巻き返し必至。東京大賞典の長い歴史の中で連覇を達成したのはアジュディミツオー(2004年、2005年)、スマートファルコン(2010年、2011年)、ホッコータルマエ(2013年、2014年)の3頭。史上4頭目の連覇に挑みます。

東京大賞典連覇を狙うオメガパフューム(写真は2018年東京大賞典優勝時、撮影:高橋正和)


 昨年、0.1秒差2着に惜敗したゴールドドリーム。2017年12月のチャンピオンズC1着以来、近10走すべてGI/JpnIで馬券圏内【4-5-1-0】という抜群の安定感。5月にはかしわ記念を制し、GI/JpnIタイトル“5”は今年のメンバー中最多。大井2000mは昨年の帝王賞を制していて4戦1勝【1-1-1-1】と、こちらも実績ある舞台。来春の種牡馬入りが発表されており、最後の東京大賞典で昨年のリベンジなるか注目が集まります。

リベンジを狙うゴールドドリーム(写真は2018年東京大賞典出走時、撮影:高橋正和)


 昨年3着のケイティブレイブ。ドバイワールドカップを疝痛で回避、その後の手術、長期休養を経ての復帰戦だった前走・浦和記念。数々の不安を払拭する3馬身差の鮮やかな快勝劇を見せてくれました。ダートグレード競走10勝、うちJpnI3勝の実力馬。

 こちらも大井2000mは6戦して【1-3-2-0】勝利は2017年の帝王賞のみですが、すべて馬券圏内。その帝王賞はまさかの出遅れから直線で見事な差し切りを決めての勝利。単なる逃げ・先行馬ではなく、幅広い脚質で結果を出す対応力が魅力。東京大賞典では2017年、2018年と2年連続3着。前走に続いて大井競馬を知り尽くした御神本訓史騎手とのコンビで、頂上を目指します。

御神本訓史騎手とのコンビで挑むケイティブレイブ(写真は2019年浦和記念優勝時、撮影:高橋正和)


 ロードゴラッソは9月のシリウスSで重賞初制覇。その後JBCクラシック7着、前走・浦和記念は0.8秒差3着。ダートグレード競走で苦戦している印象ですが、ここ2戦は浦和での成績。

 今回は大井の外回り2000mが舞台。初の大井参戦とはいえ良績のある右回りで、自身の力を発揮しやすいはず。有馬記念を制したリスグラシューと同じハーツクライ産駒で、大一番で実力を発揮するか。

右回りで力を発揮したいロードゴラッソ(写真は2019年シリウスS優勝時)


 ロンドンタウンは2017年佐賀記念、エルムSを勝利。韓国のGI・コリアCを2017年、2018年と連覇。今年9月の日本テレビ盃では逃げて、クリソベリルの0.8秒差2着に健闘。東京大賞典は2017年5着以来2回目の出走で、前回以上を狙います。

東京大賞典2回目の出走となるロンドンタウン(写真は2019年日本テレビ盃出走時、撮影:高橋正和)


 アポロテネシーは前走・名古屋グランプリがダートグレード競走初出走でデルマルーヴルの1.8秒差5着。名古屋の2500mはコーナーを8回も回る小回りコースで、リズムよく走れなかったのが敗因。大井は初めてですが、この馬にとってはむしろプラス材料。鞍上に1年10か月ぶりに武豊騎手を迎え大舞台に臨みます。

武豊騎手と大舞台に臨むアポロテネシー(写真は2019年晩秋S優勝時、撮影:下野雄規)


 サノサマーはダートグレード競走初参戦。長距離でコツコツと成績を伸ばしオープン入りした馬ですが、近走は成績不振。いきなりのGI挑戦は厳しいですが、今後の糧にしたいところ。

ダートグレード競走初参戦のサノサマー(写真は2019年春光S優勝時、撮影:下野雄規)


 以上7頭のJRA勢に対する地方勢。今年は大井からのみ6頭の参戦になりました。中でも有力視される2頭をご紹介します。

 前走・勝島王冠で見事連覇を飾ったモジアナフレイバー。しかもただの連覇ではなく、昨年は53kgで、今年はトップハンデ58kgを克服しての勝利はお見事。しかも2馬身差で破った相手はノンコノユメ、3着サウンドトゥルーというGI/JpnIホース2頭。高い価値ある勝利で、余裕十分の勝ち方は、東京大賞典に向けて期待が大きく高まります。

 昨年は9着でしたが、この1年は1戦ごとにパワーアップ。成長は目覚ましく、今の状態なら頂点をも目指せる勢い。大舞台で大井生え抜き馬の走りに大注目。

地元大井生え抜き馬のモジアナフレイバー(写真は2019年勝島王冠優勝時、撮影:高橋正和)


 ノンコノユメは大井移籍後5戦【1-1-3-0】で勝ったのはサンタアニタトロフィーのみですが、すべて馬券圏内。大井はJRA時代に2015年ジャパンダートダービー1着、2016年帝王賞2着。東京大賞典は2016年4着以来。今年、移籍初戦の帝王賞ではオメガパフュームの3着とまだまだ力上位。前走・勝島王冠はいつもより早めに動いて敗れた印象。末脚にかける自身の競馬に徹すれば逆転可能。

末脚一発があるノンコノユメ(写真は2019年勝島王冠出走時、撮影:高橋正和)


【今回のイチオシ馬】
・オメガパフューム
 2000年以降、3歳でこのレースを制したのはゴールドアリュール、アジュディミツオー、オメガパフュームの3頭。ダート競馬の歴史に大きな足跡を残した先輩たちに続く活躍を期待。祖父ゴールドアリュールの血が騒ぎます。

【気になる馬】
・モジアナフレイバー
 2005年アジュディミツオー以来となる地方馬の勝利を狙える存在。夢が広がる舞台で、アジュディミツオーやフリオーソのように地方馬の頂点を目指します。

 昨年の上位3頭、オメガパフューム・ゴールドドリーム・ケイティブレイブが、この1年それぞれの激戦を経て再び集結。地方勢からは今年大きく飛躍したモジアナフレイバー、GIでの復活を狙うノンコノユメが加わって、文字通りのチャンピオン決定戦。

 2019年のダートグレード競走、GI/JpnI戦線を締めくくり、王者の座に就くのは果たしてどの馬か!?気持ちが高まる戦いです!

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埼玉県出身。フリーアナウンサー。競馬好きが高じてこの世界へ。2001年から15年間、グリーンチャンネルで「中央競馬全レース中継」のキャスターを務める。2016年度から「グリーンチャンネル地方競馬中継」のコメンテーターとして出演。さらに全国各地の競馬場のトークイベントに参加するなど、中央競馬・地方競馬の垣根を越えて活躍中。

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