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とにかく斤量増組を買うしかない中山金杯

  • 2019年12月31日(火) 12時00分

昔は「荒れる金杯」、最近は「堅い中山金杯」


 このコラムは当該週の重賞について書くことがほとんどなので、1年経ったら同じ重賞について書くことも多い。そのためふだんは2年続けて同じ内容にならないよう、その年のメンバーに応じたテーマなどを設定して変化をつけている。

 しかし今回は、敢えて堂々と宣言したうえで昨年と同じ趣旨の話をする。そのくらい、中山金杯においては重要な要素だからだ。

 それは、「中山金杯は前走から斤量増の馬がやたらと強い」ということだ。

 昔は「荒れる金杯」などという言葉もあり、ハンデ重賞だけに波乱を期待するファンも多かった。しかしそもそも、最近の中山金杯は堅い重賞である。過去10年、全馬を均等買いした場合の回収率は単32%・複60%と標準的な値よりかなり低いし(それだけ穴が出ていない)、1番人気馬は[4-1-3-2]で回収率は単複ともに100%を超えている。

 その堅さの背景にあるのが、斤量増組の強さだ。斤量増の形になりやすいのは持ちハンデが高いということでもあり、要は実績馬が強いということである。

 前走から斤量増となっていた馬は過去10年[9-4-5-10]で複勝率は驚異の64.3%。回収率は単151%・複131%だが、単勝オッズ15倍以上から馬券に絡んだ馬はいないので、ひたすら的中頻度で作った回収率と言える。

 過去10年のうちこのグループから勝ち馬が出なかったのは2012年だけ。2014年は該当1頭でそのオーシャンブルーが優勝。2017年は該当2頭でワンツー、2013年は該当2頭で1,3着。2016年は除外馬を除くと該当3頭のみでその3頭が1〜3着を占めた。とにかくこのグループを買わないことにははじまらない。

 今年の該当馬はギベオン、クレッシェンドラヴ、トリオンフ、ブラックスピネルの4頭。いずれも前走GIII組だが、前走GIII組で斤量増は前走連対だと[3-1-4-2]、それ以外は[0-0-0-3]。まずはクレッシェンドラヴかトリオンフの2択、あるいはこの2頭1着からの3連単フォーメーションということになる。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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