スマートフォン版へ

【中山金杯・京都金杯追い切り】人気上位馬に気になる点が…年明け最初の重賞を徹底分析!

  • 2020年01月03日(金) 18時00分

今年もユーザーの皆様に有益な情報提供に努力していきたい


 皆様、明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い致します。

 年末になると、1年のテキストファイルをまとめる作業を行っていますが、この研究所が始まったのが、2013年の12月になりますから、今年で7年目を迎えることになります。

 前身のコラムを入れると、もう10年以上はお付き合いいただいていますが、これだけ長く継続させていただいているのも、ユーザーの皆様の評価あってのこと。このコラムが有益だからこそ長期連載させていただけているということを忘れず、2020年も新たな気持ちでコラム提供に努力していきたいと思います。

【中山金杯/トリオンフ】

 1年3ヶ月ぶりのレースをあわや逃げ切るかの2着。18キロの馬体重増はありましたが、動ける状態だったからこそ、最後まで粘り込んだのでしょう。個人的には最終追い切りの併せ馬に遅れていたこともあり、印を付けることすらできませんでした。

 今回は入念すぎるくらいに坂路での追い切り本数を積み重ねて、12月31日と1月2日に4F57秒前後の時計を出しています。やりすぎず、だからといって本数は少なすぎず。こちらも丹念な仕上げといってよい直前の調教内容。もちろん、こういったパターンでの追い切りが過去にないだけに、良いか悪いかは今回の結果次第。斤量と人気を考えると、判断は難しいところです。

【中山金杯/カデナ】

 勝てなかったものの、芝中距離で安定した成績を残してきましたが、前走が大敗。ここはG1という考え方をすれば、ハンデ重賞であらためてという見直しは必要でしょう。ただ、最初に鍵になるのは休み明け。4歳以降、巴賞を除くと、中9週以上では結果を残せていません。実際、2年前の中山金杯は今回と同じローテーションで10着でした。

 ちなみに当時の最終追い切りは坂路で4F53.6秒。2F25.1秒でしたが、決して悪くない調教内容だったと思います。今回は4F53.0秒の坂路での最終追いなので、これは良いと思います。ただ、3F目12.0秒から4F目12.8秒と減速が大きかった点は気になります。なにせ、これが前走時の最終追いと同じです。

【京都金杯/カテドラル】

 後方からのレース脚質ということもあって、成績はなかなか安定しませんが、前走は13番人気で6着ですから、決して悪い内容ではないかも知れません。同じ舞台で再びという状況ですから、当然、ここで評価すべき1頭になることは間違いありません。

 ただ、1週前追い切りの内容が今ひとつ。CWでの併せ馬で遅れていますが、これは東スポ杯2歳Sや京成杯の時と同じ。ひょっとしたら、寒い時期になってくると、追い切りでの動きが緩慢なところがあるのかも知れませんが、それがレースにも表れるということも考えられます。

カテドラル

1週前追い切りで、CWでの併せ馬で遅れているのが気になるカテドラル(12月24日撮影)


【京都金杯/ダイアトニック】

 マイルCSまでは京都競馬場で負けたことがないという超巧者ぶりを発揮していましたが、前走をどう判断するか。マイルが長いという見立てもあると思いますが、個人的にはそれ以上にレース間隔が詰まったことが影響したように思います。

 今回はこれまで好走実績のあるローテーション。ゆえに追い切りにも余裕があって、12月25日がしっかりとした1週前追い切りで、12月31日は軽め。そして、年明け2日にきっちりと時計を出しました。馬場こそ違いますが、安土城Sの時と同じく1週前追い切りには併せ馬を行って先着する内容。巻き返す態勢は整いました。

【京都金杯/モズダディー】

 netkeiba.comの予想オッズを確認すると、4番人気という高い支持。ここ2走は価値の高い勝利という判断があるのかも知れませんが、個人的にもその通りだと思います。高速決着だけでなく、パワーが必要な阪神マイルにも対応した点は大きく評価したいところ。今年は重賞制覇も視野に入ってくるはず。

「くるはず」というのは、今回がその機会ではないということを逆説的に書きました。12月31日のCWが最終的な追い切りになりますが、この5F時計が遅い点は疑問。また、この時は左回りのトラック馬場ですから、今回とは回りが違います。気持ちで走るタイプだと思いますし、年明けから追い切らずのレースだと、最後の踏ん張りに支障をきたす可能性はあると思います。

モズダディー

ここ2走は価値の高いモズダディー(12月24日撮影)


◆次走要注意

・12/28 ホープフルS【ラインベック】(6人4着)

 上位には離されましたが、オーソリティに差されなかったところが収穫。目標にされると一気に交わされてしまうタイプですが、だからといってバテるタイプでもありません。もう少し速い脚を使えるようになれば、もっと走れるような気がします。

[メモ登録用コメント] [芝中長距離]追い切り本数標準以上の併用系統の調教タイプなら勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・3歳未勝利【マルカバージョン】
 1月3日、CWでの追い切りの動きがなかなか渋め。先行していましたが、持ったまま並びかけてきた相手にしっかりと反応して、逆にゴールではこちらが優勢の状態。デビュー戦は見せ場がありませんでしたが、今なら激走気配を感じる動きです。

【予想】井内利彰の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング