スマートフォン版へ

【中山金杯】一見不利に見えるハンデ増も嫌ってはいけない

  • 2020年01月04日(土) 18時00分

上位人気馬が人気以上に走るレース


「回収率向上作戦」で書いたとおり、中山金杯はとにかく前走から斤量増になる馬が強いレース。ただ、該当かつ人気薄という馬はさほど来ておらず、上位人気馬がその人気以上に走るという印象だ。過去に実績をあげて持ちハンデが上がったままという形ではだめで、前走・前々走あたりの内容も問われる。

 今年の斤量増組は4頭。クレッシェンドラヴは福島記念を勝って今回2キロ増だが、一見不利に見えるこのハンデを嫌ってはいけないのが最近の中山金杯だ。中団以降からの捲りになると思うので展開やタイミング、進路の問題はあるが、それでも重視せざるをえない馬だと思う。

 トリオンフは2000mのGIIIを2、1、2着からの参戦。今回は58キロで挑むことになるが、過去10年の58キロ組は[1-1-0-1]。いわゆる二走ボケだけが怖いが、1年以上の休み明けでいきなり重賞2着した能力のほうを評価したい。

 ブラックスピネルは前走6着、前々走4着というのが正直微妙なところ。ただ57キロの新潟記念が4着だし、無視はできない。単勝や1着付けはしづらいが、ヒモには入れたい。

 ギベオンは一年以上馬券に絡んでいないのだが、着差はそれほどひどくない。フォーリー騎手なら短期外国人でもそれほど人気にはならないだろうし、乗り替わりで新しい面が出れば2,3着も。デットーリだったとはいえ前走1番人気馬(チャレンジカップ)が人気落ちなら狙ってみたいような気もするが、あとはオッズと相談だろう。

 斤量減組だが前走がGIで自身が明け4歳なのでそこは仕方のないザダルもヒモ候補には考えたい。菊花賞はさすがに距離が長すぎた。中山芝2000mへのコース替わりは確実にプラスだろう。

 カデナの前走は天皇賞秋なのでノーカウントにすることができるが、脚質が脚質だけにどこまで届くのか。昨年なにもできなかっただけに、トリオンフが粘るような展開だと苦しい。

 ウインイクシードはディセンバーSをはさんだが、福島記念まで54キロだったハンデが今回55キロで、斤量増組と同じニュアンスのある馬。ハンデの額面は損をした気分になるが、それを言い出したらこのレースの傾向そのものが説明つかなくなる。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング