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新年あけまして的場文男

  • 2020年01月07日(火) 18時00分

ひとつひとつの勝利が日本の競馬の、そして日本人騎手としての記録更新に


 正月から“あっぱれ!”は、63歳の的場文男騎手だ。

60歳を超えても未だ現役バリバリの活躍をみせている的場文男騎手(c)netkeiba.com、撮影:高橋正和


 1月2日の川崎メイン、大師オープン(1600m)で、中央から浦和・小久保智厩舎に移籍して3戦目のマイネルバサラに騎乗。好スタートを切ったものの、先行争いでハイペースと判断したのか、前の集団とはやや離れた4番手まで位置取りを下げた。道中は時折口を割るなど力んで走っているようにも見えた。しかし4コーナーから直線を向いて大外に持ち出されると、“的場ダンス”とも言われる豪快なアクションにこたえ弾けるように伸びて他馬を突き放し、2着のベイビータピットに3馬身差をつけての快勝となった。マイネルバサラは移籍後初勝利、的場騎手にとっては2020年の初勝利となった。

 最近ではあまり話題になることもなくなった的場騎手だが、ひとつひとつの勝利が、地方競馬のみならず、おそらく日本の競馬の、そして日本人騎手としての通算最多勝記録の更新となっている。この勝利が地方通算7268勝。それまで不滅と思われてきた佐々木竹見さんの記録(地方通算7151勝、ほかに中央2勝)をいつの間にか100勝以上も上回っている。中央・海外の勝利を加えると7273勝となる。

 騎乗数も徐々に減っていることで、昨年は勝利数が68にとどまり、年間100勝の記録は34年連続(35回目)までで途切れた。それでも63歳にして昨年の南関東リーディングで12位という成績は超人と言ってもいいだろう。

 的場騎手が更新し続けている自身の記録には、地方競馬における最年長重賞勝利記録もある。これは2018年9月19日に大井・東京記念をシュテルングランツで制したのがもっとも最近で、その記録は62歳と12日。

 さらに、的場騎手によって近いうちに更新されるかもしれない記録というのもある。地方競馬における最年長勝利記録だ。

 現在この記録を保持しているのが、川崎の森下博騎手。的場騎手とは地方競馬教養センター時代の同期で、デビューしたのは同じ時期だが、森下騎手のほうが1年4カ月ほど生まれが早く、1955年5月4日生まれの64歳。その記録は2019年1月31日の川崎・多摩川オープンをトキノパイレーツで制してのもので、63歳8カ月27日という記録になっている。

 ただ森下騎手は、インタビューなどで「次の騎手免許更新はしないだろう」と話しており、もしそうなれば現役は今年3月限りとなる。昨年は落馬負傷による長期休養もあって21戦の騎乗にとどまったが、年明けの川崎4日間開催では3レースに騎乗(いずれも着外)。まだまだ元気なところを見せている。

 56年9月7日生まれの的場騎手が、森下騎手の現在の記録を抜くとすれば、今年6月4日以降。しかしながら森下騎手自身が記録をさらに更新するという可能性もおおいにあり、そうなれば的場騎手がその記録を更新するのはまたしばらく先のことになる。

 タイムリミットを決めた(と思われる)森下騎手による最年長勝利記録のさらなる更新があるのか。それとも的場騎手によってその記録が更新されるのか。しばらくは注目したい。

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1964年生まれ。グリーンチャンネル『地・中・海ケイバモード』解説。NAR公式サイト『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』等で記事を執筆。ドバイ、ブリーダーズC、シンガポール、香港などの国際レースにも毎年足を運ぶ。

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