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【京成杯】大穴は来ないが中穴はガンガン来るレース!

  • 2020年01月13日(月) 18時00分

■京成杯(G3・中山芝2000m)フルゲート17頭

★3行でわかる!京成杯 攻略の糸口

1.大穴はこないが中穴は頻繁にくる。7〜9番人気が特注!
2.枠番はフラットで外枠でも問題なし。脚質は「前」が優勢
3.距離延長組は軽視。早生まれや継続騎乗組を重視で!

データ特注推奨馬
 ★現時点ではなし

 本来ならばG2である日経新春杯を取りあげるべき週なのだが、現在のところかなり「うっすうす」の出走メンバーとなりそうな雰囲気。ならば、それなりに頭数が揃って、馬券的にも面白くなりそうな京成杯を取りあげたほうがいいと判断した。イレギュラーではあるが、どうかご容赦を。

 京成杯の最たる特徴は、大穴の弱さと中穴の強さだろう。ふたケタ人気の大穴は過去10年で1頭たりとも馬券に絡んでいないのだが、4〜6番人気や7〜9番人気といった中穴が絶好調で、ここから入る馬券はかなりオイシイはず。大穴がバッサリ消せるので買い目の点数を減らせる上に、中穴が絡めば配当はそれなりに跳ねる。

 これは中山芝2000mというコースの特徴でもあるが、外枠に入った馬でも問題なく買える。ただし、脚質に関してはかなり「前」優勢なので、後方からの競馬しかしたことがないようなタイプは割引が必要だ。また、持久力が問われるコース&レースでもあり、芝1600m以下からの一気の距離延長は大マイナス。前走で芝1800m以上戦に出走していることが、好走するための必要条件となっている。

 キャリアはここまでに3〜4戦を消化している組が好成績で、キャリア5戦以上馬になると信頼度は一気にダウン。4月以降に生まれた馬よりも、1〜3月に生まれた「早生まれ」の馬を狙ったほうが期待できるというのも、3歳限定戦らしい特徴といえる。現段階で特注扱いとなる馬はいないが、「強い買い材料がある中穴」はすべて買うくらいの勢いで、レースに臨みたい。

【コース総論】中山芝2000m Cコース使用

・コースの要所!

★1〜3番人気など上位人気の強さが目立つ。穴なら7〜9番人気が狙い目か。
★内容が優秀なのは外枠である馬番13〜18番。外枠でも積極的に買えるはず。
★想定すべき決着パターンは「差し→先行」。後方に置かれる馬は大幅割引。




 つい先日、中山金杯が行われたばかりの中山芝2000m。まだ期間も空いていないので、コース分析の結果はまったく変わらない。さらにいえば昨年末にはホープフルSも行われており、短期間で3回目。これらの内容をよく覚えているという方は、すっ飛ばしていただいてまったく問題もない。解説も、さらっと流させていただこう。

 当コースでは、瞬発力だけでなく先行力や器用さ、持久力など、総合力が問われる。それだけに紛れる要素は少なく、ホープフルSは1番人気のコントレイルが、中山金杯も2番人気のトリオンフがそれぞれ快勝している。大波乱は望み薄で、あってヒモ荒れ程度に考えたほうがいいコース。穴で狙うならば、7〜9番人気を重視するのがオススメだ。

 枠番は基本的にフラット。内容については外枠である馬番13〜18番がもっとも優秀といえるほどで、外枠に入ってもまったく問題なしだ。Cコースに替わってからもある程度の時間が経過したので、枠番の内外による有利・不利はさらになくなっているはず。中山芝というイメージにとらわれると、痛い目にあうので注意が必要である。

 脚質については、先行勢と中団待機組が拮抗しているイメージ。最速上がり馬が好成績であるように「中団からの差し」もけっこう決まる。このあたりは組み合わせ次第でもあるが、多頭数になって前が流れる展開になる可能性が高そうな場合には、勝率や単勝適正回収値が高い中団待機組を重視するのがベターだと思われる。

【レース総論】京成杯(G3) 過去10年

・レースの要所!

★ふたケタ人気馬は全滅も中穴はけっこう強い。チョイ荒れ狙いが面白そう。
★内枠である馬番1〜4番が低調な成績も、基本的にはフラットと捉えるべき。
★脚質は先行勢が優勢。前走が1勝クラスの馬が好調で、未勝利でも好走可能。
★芝1400〜1600mからの距離延長組は不振。キャリアは3〜4戦の馬が好成績。








 レースの平均配当は、単勝603円、馬連2886円、3連複9023円とかなり低めの水準。その要因となっているのがふたケタ人気馬の弱さで、過去10年で1頭も馬券に絡めていない。つまり、基本的には「人気サイドが強いレース」なのだが、4〜6番人気や7〜9番人気といった中穴ゾーンも非常に強く、ここから入る馬券がもっともオイシイ。チョイ荒れ狙いのスタンスを推奨したいレースである。

 次に枠番データ。こちらはコースデータ同様に「フラット」が結論だ。外枠である馬番13〜17番が好成績であるのも、コースデータ同様の傾向。対照的に、内枠である馬番1〜4番の内容がイマイチだが、メチャクチャ悪いというほどでもないので、これは単なる偏りである可能性が高い。外枠を理由に人気を落としているような馬がいれば、逆に狙ってみるのも面白そうだ。

 脚質は、コースデータよりも先行勢優勢。上がり3位の馬が勝率36.4%と、最速上がりの馬を上回る結果を出しているのが、その証明だ。後方からでもけっこう届いているように差せなくはないレースだが、主軸に据えるべきはやはり先行勢。昨年も、4コーナーを先頭で回ったラストドラフトと2番手で回ったランフォザローゼスが、そのままワンツーを決めている。

 前走クラス別成績から見えてくるのは「前走レースの格よりも素質や勢いが重要」という傾向だ。前走で重賞やオープン特別に出走していた組よりも、1勝クラスを勝って昇級する馬のほうが高信頼度。また、新馬や未勝利を勝ち上がった直後の馬の健闘も目立っている。前走重賞組の過信は禁物で、新馬・未勝利勝ちからのローテで出走する馬が7〜9番人気に推された場合は、かなり激走が期待できるパターンといえる。

 注意したいのが、前走芝マイル戦出走組の不振である。出走数がけっこう多いにもかかわらず、前走が芝1600m以下戦だった馬はトータル[1-1-0-23]で複勝率8.0%、複勝回収値19という惨憺たる成績。4番人気以内に推された場合でも、すべて4着以下に沈んでいる。この組はかなり割り引いて、前走で芝1800〜2000m戦に出走していた組を中心に、馬券を組み立てたいところ。前走がダート戦だった馬も「消し」でいい。

 レースキャリアと生まれ月について集計したデータからは「キャリア3〜4戦かつ早生まれの馬」を狙うべきだという結論となる。クラシック路線の重賞で、キャリアが武器とならない傾向が強まっているのは周知の通り。京成杯でも、キャリア5戦以上馬の連対例は、たったの1回しかない。早生まれのほうが有利であるのもご覧の通りで、複勝率だと差はないが、勝率や連対率では2倍近くの大差が出ている。

 最後に騎手関連データ。こちらでは「勝つのは継続騎乗組、2〜3着には乗り替わり組」という決着パターンが非常に多いことが見てとれる。トータルでの信頼度には大きな差はないが、単勝適正回収値における大きな差を考えると、ここは継続騎乗組から入ったほうがベター。あとは、ホームである関東所属騎手よりも、アウェイである関西所属騎手や外国人騎手のほうが期待できるという点を、ぜひ覚えておきたい。

【血統総論】


 血統面では、ディープインパクト産駒とルーラーシップ産駒をプラス評価の対象とした。中山の路盤改修以降、ディープインパクト産駒の成績が一気に向上したのは、よく知られている話。最優秀2歳牡馬に選出されたコントレイルも、かなり荒れたAコースの馬場を苦にせず、ホープフルSを快勝している。ルーラーシップ産駒が当コースで見せている適性の高さもかなりのもの。次点は、現3歳世代が絶好調であるハーツクライ産駒か。

★出走予定馬 総論×各論

 特別登録前の段階で出走の意向が把握できているのは12頭。エリカ賞の上位馬であるヒュッゲとディアスティマ、京都2歳Sで3着に逃げ粘ったロールオブサンダー、そして新馬戦を馬なりで圧勝した牝馬のスカイグルーヴなど、なかなか面白そうなメンバーである。そして、逃げや先行策で結果を残してきた馬が多く、それなりにピリッとした流れになりそうな印象。決め脚も求められてきそうだ。

 現時点でのトップ評価は、芙蓉Sの2着馬であるウインカーネリアン。あくまで推定でしかないが、こちらは松岡騎手が継続騎乗すると思われる。今年の出走予定馬は鞍上が乗り替わる想定の馬が非常に多いのだが、このレースの勝ち馬は継続騎乗組であることが圧倒的に多いので、これは大きなプラス。中山替わりで好走したように、馬場適性もありそうだ。さらに、キャリアが4戦であるのも買い材料といえる。

 二番手評価にスカイグルーヴ。新馬を勝ったばかりで、しかも京成杯での近年好走実績がない牝馬ではあるのだが、デビュー戦の内容はまさに「圧巻」のひと言。引き続きルメール騎手が騎乗する場合、勝ち負けの期待度はさらにアップするだろう。ノーザンファームの生産馬らしく、1月23日とかなりの早生まれ。キャリアの浅さも割り引く材料にはならず、先々が本当に楽しみな1頭である。

 三番手評価に、エリカ賞の勝ち馬であるヒュッゲ。鞍上がどうなるのか把握できていないが、こちらは前走の川田騎手から乗り替わる可能性が高そうだ。ハーツクライ産駒らしい奥の深さを感じる馬で、1勝クラスを勝っての参戦は、もっとも信頼度が高いといえる出走パターン。3月生まれでキャリア3戦と、プロフィール面でも強調材料がある。課題は、先行勢の多いこの組み合わせで「どう乗るか」だろう。

 以下はディアスティマ、ロールオブサンダー、ゼノヴァース、ヴィアメントという評価の序列だが、これはあくまで最終的な出走馬や人気がまったくわからない段階でのもの。このレースでの好走例が多い「7〜9番人気」が、出走予定が把握できていない馬である可能性も高い。この評価はあまりアテにせず、特別登録が出てからデータでしっかりふるいにかけていただきたい。


■総論×各論・先々週の馬券回顧


金杯で完敗だコンチクショウ(#^ω^)ビキビキ

 上位に評価した馬でいちばん自信があった07トリオンフが勝ちましたが、2着のウインイクシードと3着のテリトーリアルがノーマークではドモナラズ。02ブラックスピネルがそのまま残ってくれないか──という初夢を0.5秒ほど見ましたが、最後は思いっきり止まってましたね(落涙)。うーむ、今年も厳しい1年になりそうだ。

※コース&血統データは2015年以降、レースデータは2010年以降が集計対象です。
※ギャップ値(G値)は、当該条件における「平均人気-平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、優秀な内容となります。

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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