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年末年始SP『実家で太論』(4) 質問コーナー開催! スミヨン騎手の制裁にみる“ロスのない騎乗”の功罪

  • 2020年01月14日(火) 18時01分
太論

▲ユーザー質問に答えていただきました!


『太論 実家スペシャル』の最後は、『実家でQ&A』! 酔いが回らないうちに(笑)、ユーザーのみなさんからいただいた質問に答えていただきました。「芝・ダート適性の真実」から「スミヨン騎手の技術」、はては乗馬にまつわるアドバイスまで、リラックスモードの太節やいかに!?(取材・文:不破由妃子)

芝かダートか…レースのスピードで走らせてみないとわからない


──今回はこんな素朴な質問から。「中央で芝ばかり使われて勝ち上がれず、地方に移籍して楽勝して中央に戻ってきた後、ダートでオープン馬にまでなるような馬がたまにいますが、調教の段階で芝向きかダート向きか分からないものなのでしょうか。たとえばゴルトブリッツの戦績なんかを見ていると、すごく不思議に感じます」。

小牧 ある程度はわかるけど…。本当のところは、走らせてみなければわからないというのが正直なところやな。ダートにしても芝にしても、調教でちょっと違うかなぁと思っても、レースにいったら走る馬もいるしね。

──レースと調教では、それほどの違いがあると。

小牧 違う、違う。調教コースにもダートがあるから、ダートコースで追い切ればわかるんちゃう?と思うかもしれんけど、そんなに簡単じゃない。そこで「走りそうやな」と思っても、レースにいけば違うなんてことはよくある。もちろん、調教の感触とか血統である程度判断するところはあるけど。

──調教で乗った感覚で適性を考える場合、脚さばきが硬いとか柔らかいとか、おもな判断材料はそのあたりですか?

小牧 そうやね。脚さばきが重かったり硬かったりすると、ダートかなと思ったりするけど…。でも、実際は芝のほうがいい馬もいたりするしね。

──エピファネイアがそうだったと聞いたことがあります。デビュー前に調教で乗った川田さんも「ダートかな」という評価で、レースに乗った福永さんも、新馬戦の返し馬までは「ダートだな」と思っていたと。

小牧 そうそう、そういうことがあるねん。もちろん、その逆もね。とにかく、レースのあのスピードで走ってみないと本当のところはわからんね。

──続いては、昨秋7年ぶりに短期免許を取得して来日したスミヨン騎手の騎乗について。「みやこSのスミヨン騎手の騎乗について質問です(ウェスタールンド3着)。制裁を受けたこともあり(3コーナーと4コーナーで二度の制裁)、当然褒められた騎乗ではないと思ってはいますが、個人的には狭いスペースへ馬を一瞬で動かせるスミヨン騎手の上手さを感じる騎乗だったとも思います。小牧騎手は、この騎乗についてどう思われますか?」。

小牧 制裁になったらアカンのやけど…、確かに質問にあるような技術はスゴイと思う。やっぱり、ギリギリのところを狙うのも技術やからね。スミヨンは中に入っていくからね、逆に。

──中に入っていく、というのは?

小牧 狭いところにあえて、ということ。ロスなく乗ろうっていう気持ちが強いんちゃうかなと思う。僕も、ひとつでも上の着順に持ってくるために「せこく乗ろう」といつも思っているけど、それとはまたちょっと違うというか。もちろんテクニックなんやけど、そのぶんギリギリというケースが増えてしまうんやろうね。

──最後は、乗馬をやっている方からこんな質問です。「自分は乗馬をしているんですが、鐙がなかなか踏めません。ジョッキーの方は、あの短い鐙でどこに力を入れてるんですか?」。

小牧 あのね、なんせ体の力を抜くことや。足先に力を入れて、体の力は抜くこと。そうしたらフワフワと乗れると思う。乗馬やったら、絶対にね。その感覚を掴めれば、自然と鐙を踏めるようになると思うんやけど。

──以前、鐙を踏むということについて、小牧さんは「親指を支点にしている」とおっしゃってましたよね。今もそうですか?

小牧 一応、そうやね。人それぞれこだわりがある部分だから、言葉ですべてを説明するのは難しいけど、僕は僕で、自分が乗りやすいところでバランスを取ってる。なんにせよ、まずは体の力を抜くことや。

太論

▲「鐙を踏むコツは、体の力を抜くことや」

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太論 / 小牧太
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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。その後もローズキングダムとのコンビで朝日杯FSを制するなど、今や大舞台には欠かせないジョッキーとして活躍中。

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