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【日経新春杯】勝馬の年齢傾向以外についてはとらえ方の難しい重賞

  • 2020年01月17日(金) 18時00分

内枠も有利なレースだが…


 日経新春杯は前走2勝クラスを勝ってきた馬がいきなり通用してしまうこともあり、なかなか難解な一戦。4歳馬が強く5、6歳がそれに続くという傾向だけは間違いがないが、それ以外についてはとらえ方の難しい重賞だ。

 4歳馬のレッドジェニアルはこのレースで有利な内枠を引き、人気であっても逆らいづらい存在になった。今回は武豊騎手のテン乗りだが、新しい一面が出てくるのかどうかも楽しみだ。

 同じく内枠を引いた4歳馬のメロディーレーンはそのキャラクターもあってある程度人気を集めそう。ただ過去10年前走2勝クラス組が[1-1-1-1]なのに対し、馬券に絡んだ馬はいずれも前走を勝ってきていた。そのぶんハンデが伸びていないわけでもあるので、枠+ハンデでどこまでやれるかというところだろう。

 残る1頭の4歳馬モズベッロは今回さほど人気がなさそうだが、京都外回りは合いそうだし侮れない存在。展開次第では良い馬券を演出する可能性がある。

 重賞好走歴がある中ではアフリカンゴールドが距離とコースで良いところを見せそう。アルゼンチン共和国杯では差しに回ったが、今回差しタイプの人気馬が多いことを考えると、今回は本来の持ち味である好位の競馬をしたほうがよいかもしれない。

 そのアフリカンゴールドにアルゼンチン共和国杯で先着したタイセイトレイルも有力馬の1頭。3頭出しの矢作厩舎だが、川田騎手との組み合わせは2015年以降[9-5-5-27]で勝率・複勝率ともまずまず良い。

 同じ矢作厩舎のサトノガーネットは重賞勝ち直後で2キロ増となり、その克服がまず課題。必ず上がり上位の脚を使ってくる馬だが、馬場そのものが速いと相対的な優位性が失われるというか、上がりのかかる馬場のほうがベターな面があると思う。当日の馬場傾向を見て扱いを判断したい。

 レッドレオンはレース数こそ使えていないものの大敗歴が少なく、まだここから上がありそうな馬。昨春の烏丸Sで先着された相手が3頭もいるが、当時はかなり前残り色の強い決着だった。自身の位置か展開のどちらかが変われば逆転も不可能ではない。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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