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【根岸S・シルクロードS追い切り】2重賞ともGIへの重要な前哨戦

  • 2020年01月29日(水) 18時00分

叩きか本番か、余力残した仕上げも問題なし


 年末年始と連続開催だった中山が終了し、今週から東京開催がスタート。個人的には『The・競馬場』の東京の方が好きですが、最近の中山は「指定席トークショー」というイベントを行っていて、ここに出演させていただくことが楽しみだったりします。先週の最終日は栗山求さんと山本愛子さんの出演回でしたが、私と津田麻莉奈さんで乱入。栗山さんいじりでいっぱい楽しんでしまいました。

 ネット経由で簡単に馬券を買うことができ、外出先でもリアルタイムでレースを観戦できる時代。なかなか競馬場へ、とはならないかも知れませんが、いろんなイベントが行われていて「レジャー化」しているのが今の競馬場。小倉競馬場では最終週にイベントに出演させていただく予定ですし「最近は競馬場へ行ってない」という方にぜひともお越しいただければ、なんて思っています。

【根岸S/コパノキッキング】

 カペラSから根岸Sというローテーションは昨年と同じ。しかもカペラSが連覇ですから、年齢をひとつ重ねても、勢いに関しては昨年と変わらないといってよいと思います。むしろ、追い切りの動きを主観的に評価させてもらえば、昨年よりも重厚感がある走りになってきたという印象すら受けています。

 昨年も今年もほぼ変わらない調整内容。2週前、1週前とCWでの単走追い切りを消化していますが、その時計は昨年よりも速いくらい。行きたがるところを抑えながらの追い切りだった昨年よりもスムーズにスピードを出せているのが、その要因だと思います。最終追い切りCWでの単走も見た目にはさほどスピードが出ていない感じがしながら、時計は6F80.9〜5F64.6〜4F50.4〜3F36.8〜1F12.2秒。まあ、本当に充実しています。

コパノキッキング

昨年より重厚感が増している印象を受けるコパノキッキング


【根岸S/ミッキーワイルド】

 霜月Sを勝った後はすぐにここを目標に設定。季節問わず、太りやすい性質ということで、1ヶ月以上前に栗東へ戻すというのが、この馬の調整パターンです。前回よりは時計を出し始める時期が遅くなりましたが、これはレース間隔の違いもありますから、特に問題ではありません。

 短距離ダートを走る馬にしては珍しく、追い切りの併せ馬ではあまり先着しないタイプ。前走時の1週前追い切りでも併せ馬は遅れており、これは今回と同じです。最終追い切りは単走になりましたが、坂路4F56.3秒。安田隆行調教師からは「輸送を考慮して」という理由を聞いていますので、これは麦秋Sの時と同じパターン。そういった意味では前走霜月Sの最終追いが4F52.8秒だったので、時計差の分、状態にも少し差があると考えてよいかも知れません。

【根岸S/モズアスコット】

 ダートの適性については、これだけ攻め駆けする馬ですから、走っても不思議ではないというのが個人的な印象。ただ、今回はあまり実績のない休み明け、そこがポイントになるような気はします。

 ちなみに休み明けでも好走したのが、一昨年のスワンS。ここはレースの20日ほど前から坂路で15-15の追い切りを開始。2週前追い切りはさほど強い内容を課さず、1週前追い切りでしっかりと動かしたという感じです。今回は1月17日の2週前追い切りが最初の時計。ということで、時計の出し始めが当時よりも遅くなっています。その負荷が強く、坂路4F52.8秒ですから、本数を時計で相殺したイメージですがどうでしょう。最終追い切りは時計を要する馬場状態だったこともあり、坂路4F52.2秒。この馬にしては少し物足りない数字ですが、4F目最速ラップを踏んだ点はいいと思います。

モズアスコット

追い切りでの走りからダート適性は疑いようのないモズアスコット(1月28日撮影)


【シルクロードS/モズスーパーフレア】

 今春も高松宮記念が目標になりますが、昨年とは違い、ローテーション重視でこのレースへ出走してきました。要はGIを使う時にレース間隔を詰めたくないという意図です。だからといって調教を緩くするわけではなく、しっかり仕上げて使う。ここまでそのパターンに変わりはありません。

 今回も1週前追い切りでは坂路4F50.5秒。これは1月22日の二番時計ですし、最終追い切りは1月29日の一番時計となる4F50.3秒。とにかくしっかり時計を出しているだけに状態に関して疑うところはないでしょう。あとは時計を要する今の京都の芝への適性と56キロ。ここでしょう。

モズスーパーフレア

早い時計が出せており状態に不安はないモズスーパーフレア(1月28日撮影)


【シルクロードS/レッドアンシェル】

 CBC賞を勝った後はスプリンターズSを使うプランがあったようですが、順調にはいかず、結局ここまでレース間隔があきました。追い切り本数は山のように積んでいますが、坂路で53秒を切ったのは1週前の4F52.3秒だけ。これに対する評価がひとつポイントになるのかも知れません。

 また、2F時計が楽に25秒を切れるのもこの馬の特徴。そういった意味では1週前、最終追い切りともに24秒台ですし、特に最終追いは2F24.8秒、1F12.0秒。全体時計は4F53.3秒と遅くなりましたが、終いしっかり動けたという意味ではよかったと思います。ただ、ここが目一杯でなくてもよいはずなだけに、そんな余力残しの仕上げでもあるでしょう。

レッドアンシェル

余力残しの仕上げにも映るレッドアンシェル(1月28日撮影)


◆次走要注意

・1/26 3歳未勝利【エレガントチャーム】(5人1着)

 キャリア1戦の久しぶりということで人気はありませんでしたが、パドックで見た時の大物感は抜けていました。ここは勝って当然の結果だと思いますし、まだまだ上を目指せます。

[メモ登録用コメント] [芝マイル]最終追い切りが南Wでラスト1F最速ラップなら勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・海の中道特別【テーオーフォルテ】

 1年ぶりの休養明けになりますが、その期間に何度か栗東入厩で使う手前までの調整はしていました。今回はその中で最も順調ですし、最終追い切りのゴール50m手前で見せた反応の良さがその証。追い切り時計が遅いのは全く関係ありません。

テーオーフォルテ

反応の良さから順調さをうかがわせるテーオーフォルテ


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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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