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【東京新聞杯】内枠の異常なまでの強さは今年も継続するか!?

  • 2020年02月02日(日) 18時00分

■東京新聞杯(G3・東京芝1600m)フルゲート16頭


★3行でわかる! 東京新聞杯 攻略の糸口

1.圧倒的に内枠有利のレース。真ん中より外は大幅割引!
2.最速上がり馬が大不振。差せるが、有利であるのは前!
3.1番人気と2ケタ人気が低調な成績。中穴狙いを推奨

データ特注推奨馬
★現時点ではなし

 詳しくは後述するが、東京新聞杯は「1番人気馬がアテにならない」レース。昨年はインディチャンプが人気に応えたが、同馬のその後の活躍を考えると、かなり「例外」的な存在といえる。つまり、後にG1をいくつも勝てるような素質馬だからこそ、ここで人気に応えられたと考えるべき。「相対的に実績上位だから」といった理由で1番人気に推された馬は、いたってフツーに負ける。そういった性質のレースである。

 最大の特徴は「圧倒的に内枠が優勢」であるという点だ。開幕から2週目で馬場コンディションがいいのだろうが、馬番1〜8番がトータル[9-8-6-56]で、9〜16番が[1-2-4-63]という、ハンパではない偏りっぷり。今年どういう馬場になるかは現時点では何ともいえないが、例年と同様の傾向ならば、真ん中よりも外の枠番を引いた馬は、評価をかなり割り引いて考える必要がある。

 そして「ある程度は差せるがイメージほどは差せない」という点についても、馬場の影響が多分に感じられる。最速上がり馬は[0-3-0-8]という信じられないほど低調な結果に終わっており、後方どころか中団からでもなかなか差せないというのが実際のところ。データから間違いなく、「内」と「前」を重視すべきだといえる一戦なのだ。

 あとは、中穴人気の強さや「前走低評価&大敗」からの巻き返しがきかないというのも、東京新聞杯の特徴。前走がふたケタ人気やふたケタ着順だった馬は、サッパリの結果に終わっている。馬場が読めないのでデータ特注推奨馬は「ナシ」としたが、それ抜きで考えるならば、レッドヴェイロンがもっとも期待できそうである。

【コース総論】東京芝1600m Dコース使用

・コースの要所!

★人気馬がしっかり。7番人気以下馬の勝率はかなり低めでヒモ狙いが正解か。
★外枠が好成績であるように枠番による成績の偏りはなし。フラット前提で。
★イメージよりも前が強いコース。最速上がり馬でもけっこう差しそこねる。





 数々のG1レースが開催される舞台である、東京芝1600m。例年、この次期はDコースが使用される。バックストレッチをフルに使うコース形態で、最初のコーナー進入まで500m以上と、十分すぎるほどの余裕がある。広々とした大回りで、さらに最後の直線も長いので、不器用なタイプの馬でも力を発揮しやすいといえるだろう。

 まずは人気別だが、基本的に強いのは人気サイド。内容を比較しても、もっとも優秀なのは1〜3番人気である。とくに勝ち馬においてこの傾向が顕著で、7番人気馬の勝率はかなり低め。素直に人気馬から入って、人気薄は2〜3着のヒモで狙うような買い方のほうが、好結果を呼び込めそうだ。

 次に枠番だが、こちらは基本的にはフラット。それを証明しているのが、外枠である馬番17〜18番の好成績だ。外枠があまり不利にならないコースであるのは形態からも想像がつくが、データからも「まったく問題なし」といえるだろう。ただし、当然ながらその時期の馬場バイアスには大きく左右されるので、その点だけは注意したい。

 最後に脚質面だが、こちらはイメージ以上に「前」が強い。最速上がりをマークした馬が素直に強いという印象だったのだが、実際には[7-16-5-17]と、2着に取りこぼすケースが非常に多いのだ。近年になって、東京の芝が極端なほど高速化しているのも、この結果に大きな影響を与えているはず。差し優勢のイメージにとらわれすぎないように、注意が必要といえそうだ。

【レース総論】東京新聞杯(G3) 過去10年

・レースの要所!

★1番人気の信頼度が低い一戦でふたケタ人気も弱い。中穴狙いがオイシイ。
★メチャクチャ内枠有利&外枠不利。ひとケタ馬番を引けるかどうかがカギ。
★コースデータ以上に「前」が健闘。差せるが先行勢も互角以上に張り合う。
★前走人気&着順は必ずチェック。今年は前走芝マイル組を信頼するべきか。









 レースの平均配当は、単勝887円、馬連5198円、3連複1万4578円。波乱傾向は強くもなく弱くもなく──といったところか。昨年は1番人気のインディチャンプが人気に応えたが、その前に1番人気で勝ったのは2007年のスズカフェニックスと、10年以上も勝てずにいた。昨年にしても「インディチャンプだから勝てた」と考えるべきで、G1級の資質を見せていない1番人気馬の取り扱いには注意が必要だろう。

 1番人気も弱いが、もっと弱いのがふたケタ人気の超人気薄。過去10年のトータル[0-0-1-58]と、全滅に近い惨状だ。となると、当然ながら狙ってオイシイのが「中穴」で、4〜6番人気や7〜9番人気は積極的に拾っていきたいところ。あとは、出走数の少ない牝馬が好成績を残しているのも、このレースの特徴といえる。

 超重要なのが枠番だ。コースデータではフラットという結論だったが、レースデータでは「外枠に入ったらアウト」といっても過言ではないほど大きな成績差が出ている。今年の馬場がどうかはフタを開けてみないとわからないが、例年通りの傾向ならば「真ん中よりも外」である馬番9〜16番は大幅割引。ちなみに昨年は「02番→06番→01番」で決着している。

 馬場による影響の大きさは、4コーナー通過順位別成績でもハッキリ見てとれる。最速上がり馬が[0-3-0-8」というのは、にわかには信じがたい結果だろう。中団からの差しや後方からの追い込みでの馬券絡みも当然あるが、それにはかなりの能力が必要となるはず。展開や馬場によるメリットを得られるのは、間違いなく「前」だ。

 年齢別成績で内容のよさが目立つのは、4歳馬。連対率や複勝率の高さは、頭ひとつ抜けている。6歳馬も4勝5連対という結果を残しており侮れないが、7歳以上になると信頼度が一気にダウンするという点に注意したい。前走距離別では、前走芝2200m以上戦からの距離短縮組が好成績なのだが、コレに該当する出走予定馬は現在のところ見当たらない。今年は素直に、前走芝マイル戦組を上位に取るのがよさそうである。

 意外に侮れないのが、前走での人気&着順からの絞り込みだ。前走が2ケタ人気や2ケタ着順だった馬の巻き返しが期待できないレースであるのは、データからも一目瞭然。さらにいえば、「前走1ケタ人気かつ1ケタ着順で今回も1ケタ人気」であるのが、好走の必要条件といえる。かなりハードルの低い条件だが、これをクリアした馬だけを狙うことで、馬券の効率は大幅にアップするはずだ。

 最後に騎手関連データ。継続騎乗と乗り替わりで成績差が見られないことから、これを気にかける必要はほとんどなさそう。関東所属騎手や外国人騎手の成績がそれほどよくはなく、関西所属騎手が好成績であるというのも、このレースの特徴である。

【血統総論】


 血統面では、ディープインパクト産駒、キングカメハメハ産駒、ルーラーシップ産駒、クロフネ産駒をプラス評価の対象とした。ちょっと意外だったのが、当コースにおけるキングカメハメハ産駒の強さである。その信頼度の高さはディープインパクト産駒以上で、単勝適正回収値や複勝回収値も優秀。あとは、クロフネ産駒が見せているコース適性の高さも素晴らしい。もし出走してきたならば、必ずチェックすべきだ。

★出走予定馬 総論×各論

 特別登録が出る前の段階で、出走の意向が把握できているのは14頭。昨年秋のマイルCSからのローテとなるのが、レイエンダ、プリモシーン、クリノガウディーの3頭。それ以外にも、東京・キャピタルSで好走しているレッドヴェイロンやドーヴァー、3勝クラスを勝ち上がってきたヴァンドギャルドとシャドウディーヴァなどが、出走を予定している。これまた難解なメンバーが顔を揃えたものだ。

 東京名物の「スーパー高速馬場」で開幕週から前残りが多発するようだと、馬券はさらに難しくなる。というのも、有力馬に差し・追い込みタイプが多く、かなり前有利の展開になってもおかしくないからだ。そう大きく荒れる傾向のレースではないが、それでも例年以上に波乱傾向が強くなる可能性は十分アリ。ちょっとひねって買ったほうが面白そうな印象である。

 現時点でのトップ評価はレッドヴェイロン。ルメール騎手が、レイエンダではなくこちらに乗る予定であるというのは非常に大きい。過去にはG1のNHKマイルCでも3着に好走しているように、コース適性の高さは文句なし。この母の産駒にしてはポジションが取れるので、ここも「中団より前」で流れに乗るようなレースを期待したい。

 二番手評価にヴァンドギャルド。3勝クラスを勝ち上がっての昇級戦となるが、早い段階から重賞級の素質を見せていた馬で、3連勝でオープンまで駆け上がってきたのも納得。昇級戦でも能力はまったくひけを取らないはずで、このレースとメチャクチャ相性がいい福永ジョッキーが騎乗予定であるのも、大きな魅力だ。

 三番手評価にドーヴァー。前走の京都金杯は6番人気で7着という結果だったが、2走前のキャピタルSでは、レッドヴェイロンに完勝している。それだけに、得意コースに戻るのは大きなプラスで、7歳馬であっても侮れない側面がありそう。中穴人気が強いレースでもあり、前走の結果で人気を落とすようならば逆にオイシイ。

 以下は、シャドウディーヴァ、サトノアーサー、プリモシーン、レイエンダ、ケイアイノーテックという評価の序列。しかし、こんなものは枠番次第で一気にひっくり返る。ここまで内枠が外枠を圧倒しているレースはきわめて珍しく、これだけを理由に「馬番1〜8番の3連単ボックス」勝負を試してみたくなるほど。別のレースで儲かって財布の中身に余裕がある場合には、本気でやってみようかと考えている。


■総論×各論・先々週の馬券回顧



1番人気は押さえろよ(#^ω^)ビキビキ

 05スティッフェリオと10ステイフーリッシュという紛らわしい2頭から流す馬連で勝負。ルメール騎手のナイス騎乗で10ステイフーリッシュが2着に好走するも、実績断然の1番人気11ブラストワンピースを買っていないのが、あまりに自分らしすぎる(落涙)。マイネルフロストの故障は、好きな馬だっただけにすごく残念。

※コース&血統データは2017年以降、レースデータは2010年以降が集計対象です。
※ギャップ値(G値)は、当該条件における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、優秀な内容となります。

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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