スマートフォン版へ

【根岸S】世代交代とレースラップ、2つの激流を制するのは

  • 2020年02月01日(土) 18時00分

6歳以下の若い馬が有利も、ベテラン勢の末脚には警戒


 最大のポイントは、近年の東京芝1400mはスローが珍しくなく、先行タイプの好走が多いが、ダート1400mのこのレースは逆。差し=追い込み馬向きの厳しい流れになることが多く、逃げ切りは2005年のメイショウボーラーが最後。逃げて馬券に関係した馬も、2008年に2着したタイセイアトムを最後に出現していない。

 今年は、人気の5歳コパノキッキングが自在性を増し、好位から1分09秒3で抜け出したカペラSのようなレースができる。昨年、マーフィー騎乗で中位差しを決めた当時(56キロで1分23秒5)より、一段と強くなっている。その昨年は辛勝に近かった。58キロの負担重量を考えれば、今年のマーフィー騎手は強気に早めのスパートに出る可能性が高い。前のグループは苦しい。

 もうひとつは、ダート界の世代交代が早まり、明らかに有利は最近10年間で9勝もしている「4-6歳馬」。ただし、差しタイプ向きの展開を味方に「7-8歳馬」が8頭も3着以内に食い込んでいる点にも注目。その「7-8歳馬」は順に「10、10、4、5、15、6、10、3」番人気だった。好配当をもたらすのはタフなベテランの台頭。

 7歳ワンダーリーデル(父スタチューオブリバティは、Storm Cat直仔)に注目。ダート1400mで5勝しているが、それは5歳時までの成績で、最高タイム1分23秒1のレベルも高くない。しかし、6歳の昨年は東京ダート1600mで2勝している。

 注目はその中身で、11月の武蔵野Sは自己最高の1分34秒6だっただけでなく、中団より後方でなだめて追走。直線は外に出して残り200mで一気に先頭に立つと、自身の1400m通過は1分22秒3(良馬場)だった。6月にアハルテケSを1分34秒8で差し切った際も、重馬場とはいえ1400m通過は先頭で1分22秒1だった。

 パワーアップして1600mまでこなせるようになったことではなく、同時に自身のベストの距離と思える1400mの中身がアップしている点に注目したい。前回の凡走は1800m。マイラーというよりスプリンターにも近い短距離型だけに仕方がない。

 ワンダーリーデルには、短距離タイプの父スタチューオブリバティ(5年間の供用でオーストラリアに輸出)のスピード能力に、母方に連続して配されてきた「マヤノトップガン、コマンダーインチーフ、ブレイヴェストローマン、シルバーシャーク、ハーケン…」の高いダート適性が加わっている。

 コパノキッキングが強さを発揮し、早めのスパートで先行タイプを苦しくしてくれるのは、差すワンダーリーデルにとって望むところでもある。ベテラン勢の伏兵には追い込む8歳スマートアヴァロン(父サウスヴィグラス)を加えたい。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング