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東京新聞杯の「内半分」と「外半分」

  • 2020年02月04日(火) 12時00分

1〜4枠と5〜8枠で明暗がクッキリ


 単純に考えて、競馬はなにもなければ内枠有利になるはずである。芝コースで内が痛んで外差しがよく届くというような環境になれば別だが、最近は芝の管理が進んでいるので、どうしても内枠有利になりやすい。

 そのような構図と関係があるかはともかく、東京新聞杯は「内半分」の強さがかなりはっきりしたレースである。過去10年のうち1回だけ10頭立てがあったが他はすべて14頭以上と頭数が揃ってきたレース。さらに仮柵位置はすべてDという前提で過去10年の枠番別成績をご覧いただきたい。

 東京新聞杯・枠番別成績(過去10年)

回収率向上大作戦


 正確には枠ごとに入る頭数が1頭だったり2頭だったりするので1〜4枠と5〜8枠がそれぞれフィールドの半分ずつというわけではないが、それでもおおざっぱに言って「内半分」と「外半分」に大きな成績差があることがお分かりいただけるだろう。特に外から1着を取るのはかなり難しくなっている。

 10回だけが対象なので、人気馬が偏って枠に入ったという可能性もある。そこで単勝10倍未満の馬だけに限定してみると、1〜4枠時が[7-4-3-11]で勝率28.0%・複勝率56.0%、回収率が単159%・複122%。それに対して5〜8枠は[0-1-4-16]で複勝率23.8%、複回収率は43%となっている。

 これはどう見ても内外の差があると考えていいだろう。今週はいつも以上に枠順の決定を楽しみに待ちたい。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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