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ファン心をくすぐるユーザー質問 「ジョッキーが感じるクラス間の差とは?」

  • 2020年02月04日(火) 18時01分
太論

▲ユーザー質問3連発!!太節でズバッと答えていただきました


今週の『太論』は、ユーザー質問3連発。「自分がずっと乗っていた馬に、ほかの騎手が乗って惨敗したらどう思う?」といった騎手心理に迫る質問や、ジョッキーが感じる「クラス間の差」についてなど、競馬ファンにとって興味深い質問が盛りだくさん。太節でズバッと答えます!(取材・文:不破由妃子)

未勝利と1勝クラスの違いはペースの中身!?


──今回は、ちょっと意地悪なこんな質問からです。「たとえば、デビュー戦から自分がずっと乗ってきた馬から降ろされた場合、次にほかの騎手が乗って惨敗したらどう思いますか?」。

小牧 ほらね、と思うかも(笑)。勝たれたら悔しいけど、走らんかったら「やっぱりなぁ」と思って、ちょっとホッとするところはあるかもしれんね。もちろん、馬のことを考えたら、誰が乗ろうと勝ち上がるのが大事なんやけど、そこはまぁ人間やから。

──「ほらね」に続くのは、「もう一度、俺に乗せてみやがれ!」ですか?

小牧 そうやね(笑)。そういう馬は、自分で何とかしたいと思うやろうから。

──続いては、「返し馬の見るポイントを教えてください。ジョッキーの勝利インタビューで、ときどき『返し馬のときから勝てる気がしてた』とおっしゃっているのを耳にするので、ぜひ教えてほしいです」。

小牧 ポイントかぁ。返し馬の感触は、あくまで乗ってみて感じることやからなぁ。自分しかわからんことやと思う。ずっと乗っている馬やったら、「あ、今日はこの前より状態がよさそうやな。イケるかもしれんな」とか思うことは確かにあるけど、その違いを言葉で説明するのは難しいね。

──テン乗りの場合でも、返し馬で期待が高まることはありますか?

小牧 もちろんあるよ。新馬とか、返し馬で「ああ、いい馬やなぁ」って思うことあるし。ずっと乗っている馬なら前と比較することができるし、初めて乗る馬でも、乗り心地がいい馬やったら、そりゃあ期待は高まるよ。ただ、その感覚も言葉で伝えられるものではなく、自分で感じ取るものやからねぇ。

──ファンが見た目で判断するのは難しいということですね。

小牧 うん。せっかく質問をくれたのに申し訳ないけど、こればっかりは本当に感覚やから、言葉では説明できん。ただ、パドックと一緒で、毛ヅヤとか馬の張りとかは判断材料になると思うけどね。ジョッキーの感覚にしたって、「あ、今日はいいな、勝てるかもしれん」と思っても、いざレースにいったらまったく走らないこともあるしね(苦笑)。わからんよ、こればっかりは。「返し馬のときから勝てる気がしてた」っていうのも、実際に勝ったから言えることで、同じように思っても負けてるパターンが山ほどあると思うよ。

──では最後の質問です。「ジョッキーの感覚として教えてほしいのですが、未勝利と1勝クラス、1勝クラスと2勝クラス、2勝クラスと3勝クラスで、クラス間の差が一番小さく感じるのはどこですか? 逆に、クラス間の差が一番大きく感じるクラスも教えてください」。

小牧 よっぽど能力が抜けている場合は別として、どのクラスもひとつ上がるだけで全然違ってくるけど、未勝利から1勝クラスに上がったときに違いを感じることが多いかなぁ。ただ、そう感じた馬であっても、一度そのクラスを走ったら変わるんだよね、不思議と。ペースに慣れるというかね。時計はあんまり変わらんのに、不思議やね。

──時計自体は、1勝クラスより未勝利のほうが速かったりもしますものね。

小牧 そうそう。ただ、やっぱり0と1には大きな違いがあると思う。一言にペースといっても、その中身が違うんやろうな。

──逆に、あまり差がないなと思うクラス間はありますか?

小牧 そうやなぁ、あくまで僕の感覚やけど、2勝クラスをポンと勝ったら3勝クラスでも通用する馬は多いね。2勝クラスに昇級してすぐに勝ったり、同じ勝つにしても楽勝したりした馬はとくにね。2勝クラスの勝ち方次第やから馬によるけど、ほかのクラス間に比べると、そこの差は小さいような気がするね。

太論

「その感覚も言葉で伝えられるものではなく、自分で感じ取るものやからねぇ」

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太論 / 小牧太
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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。その後もローズキングダムとのコンビで朝日杯FSを制するなど、今や大舞台には欠かせないジョッキーとして活躍中。

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