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【きさらぎ賞】クラシックへ期待の馬が名乗りをあげる

  • 2020年02月08日(土) 12時00分

木々や花々が春に向けて芽をふくらませるのに似ている


 立春がすぎれば、いくら寒さがもどろうとも、春へのきざしをそこここで感じる。待ち続けていた春のいのちが光の呼びかけに応じていて、次から次へと姿をあらわしていくからで、こちらの気持ちをいっそう春に向けていく。

 立春、春が立つとは、春がはじめて姿をあらわすという意味。梅の枝に姿を見せ、福寿草、レンギョウを咲かせ、ケヤキ、クヌギ、コブシといった木々の芽をふくらませ、春は確実に見えてくる。この様子は、クラシック戦線に名のりを上げる、これからの3歳の重賞レースを見ていくのに似ている。

 どれもが競走馬としてスタートしたばかりで他との力関係もわからない。ここでいい成績を残してくれたらと出走してくる登竜門。どこに魅力を感じるか。まだ2月のこの時期のため、出走頭数は少ないが、その中で顕著なのが2月、3月生まれが好成績を残していること。今年も早生まれの馬には注目したい。

 それと、ここでもディープインパクト産駒が目立っている。2011年以降の過去9年で5勝、2着5回と相変わらずだ。今年も3頭いる。もう一点、池江寿きゅう舎の成績が突出していること。2011年から8頭が出走してきて、4勝、2着1回、3着2回で、実に7頭もが3着までに来ていた。ただ1頭、2013年のリグヴェーダだけが大敗していたが、キャリア一戦、2ヶ月ぶりでプラス12キロの馬体、息の乱れが早くなり初戦の新馬戦で駆使した末脚は再現できなかったのだ。

 こう見てきて、今年の顔ぶれで魅力を感じるのは、アルジャンナということになる。1月23日の早生まれ。9月2000米の新馬戦を勝ったが、2戦目の東スポ杯では完成度の差で、のちのGI馬コントレイルに敗れたが、それでも東京1800米のレコードを上回っていた。京都の外回りはいいタイプで、このディープ産駒で池江きゅう舎所属は注目しないわけにはいかない。

 次には、年明けの京都コースでの好走は大きな意味を持つので、シンザン記念を9番人気ながら中団からしぶとく伸びて3着に入ったコルテジアを。ひとハロン延長はいい筈。

 これに、朝日杯FSでは速いペースで追走に苦しみながら、最速のペースで追い上げ3着に入ったグランレイを。京都のやや重で4馬身差で未勝利勝ちしていて、今の馬場に向いている一頭だ。ストーンリッジなど新馬を勝って2戦目の3頭は、少し控え目に。

 東京新聞杯は、1勝馬ながら朝日杯FS2着がある4歳馬クリノガウディーの一発を楽しみにしている。気性の激しさから勝てずにいたが、初めて乗る横山典騎手で心機一転の追い込みに期待してみたい。

 今週は光の春にふさわしい馬を見つけたい。

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ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

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