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【京都記念】中穴狙いがとにかくオイシイ!

  • 2020年02月09日(日) 18時00分

■京都記念(G2・京都芝2200m外)フルゲート16頭


★3行でわかる! 京都記念 攻略の糸口

1.7番人気以下馬は全滅も、中穴から入る馬券は妙味十分!
2.前走で出走していたレースの「格」が結果に直結する一戦。
3.先行勢が圧倒的に強く、差せない。年齢は若いほど好成績。

データ特注推奨馬
★カレンブーケドール

 京都記念の傾向をひと言で表現するならば「穴馬壊滅」といったところか。少頭数で開催されることが多いレースとはいえ、過去10年で7番人気以下馬が1頭も馬券に絡んでいないというのは、ちょっとした異常事態だ。だからといって人気通りのガチガチでは決まらず、4〜6番人気が大活躍しているというのも、このレースの面白いところ。「上位人気の組み合わせなのに意外に配当がついた」という決着パターンが非常に多い。

 そして、前走で出走していたレースの「格」がモノを言うというのも、京都記念の大きな特徴。前走が中央G1もしくは海外遠征だった馬が強く、対照的に前走がG3や条件戦だった馬はかなり期待薄。有馬記念や菊花賞、香港国際競走からのローテで出走する馬がいれば、素直に高評価するべきだ。前走での人気や着順についてはあまり気にする必要はなく、大敗からでもアッサリ巻き返してくる。

 年齢は「若ければ若いほどベター」で、7歳以上の高齢馬は評価を大幅に割り引く必要アリ。そして、後方からの追い込みどころか中団からの差しもめったに決まらず、先行した組がそのまま押し切るケースが非常に多いというのも、予想する上で必ず意識しておくべきポイントである。

 現時点でのデータ特注推奨馬は、ジャパンカップで2着に好走したカレンブーケドール。さすがに今回は人気の一角となるだろうが、なぜかいつも過小評価されがちで、オイシイ配当をもたらしてくれる馬でもある。現在の馬場から、極端なキレ味勝負にならないと思われるのもプラス。待望の3勝目をあげられる可能性は、かなり高いはずだ。

【コース総論】京都芝2200m外 Bコース使用

※今回は京都芝2200m外、京都芝2400m外の2コースを集計対象としています

・コースの要所!

★人気サイドの信頼度が高いコース条件。人気薄ならば7〜9番人気が狙い目。
★ハッキリと内枠有利。「真ん中より内」に入った馬は人気薄でも要注意!
★先行勢と中団待機組が互角に張り合う。重賞ではやや差し優勢となりそう。





 京都芝2200m外だけではデータ母数が心もとないので、今回は京都芝2400m外のデータも含めた上で分析を行っている。かなり乱暴な分析になるが、この2コースはホームストレッチのスタート地点が200mズレるものの、勝ち負けに要求される適性などはそれほど変わらない。一緒くたに考えてもあまり影響が出ないはずだ。

 まずは人気別だが、こちらは上位人気馬が好成績。ただし、1番人気が飛び抜けて強いわけではなく、内容的には2〜3番人気のほうが優秀。つまり、1番人気ではなく「上位人気」を信頼すべきコース条件といえるだろう。人気薄では7〜9番人気の内容がいいが、ふたケタ人気の超穴馬も複勝回収値が高く、侮れない面がある。

 次に枠番別成績。最初のコーナー進入まで十分な距離があるコース条件なのだが、それでも意外なほど内枠が有利。単純に内外で比較したデータにおいても、勝率や連対率では約2倍という大差が出ている。平均人気の差を考慮しても、内枠のほうがベターであるのは間違いなし。「真ん中よりも内」の馬番を引いた馬は、たとえ人気薄であっても警戒が必要だろう。

 最後に脚質面だが、こちらは先行勢と中団待機組が拮抗。つまりは、組み合わせやペース、馬場バイアス次第である。逃げた馬が高確率で残っていることを考えると「少しだけ前優勢」なのだろうが、クラスが上がって中盤のラップが厳しくなるようだと、一気に差し優勢となる可能性もありそう。「後方に置かれると致命傷」という点だけ頭に入れておけば、とくに問題ないと思われる。

【レース総論】京都記念(G2) 過去10年

・レースの要所!

★7番人気以下馬はなんと全滅。大きく荒れるケースは今年も考えづらいはず。
★枠番は外枠が強いが過信は禁物。脚質面は完全に「前」が優勢なので要注意。
★前走レースの「格」が問われる一戦。年齢別では5歳以下馬の強さが目立つ。
★アノマリー系データながら前走馬番は要チェック。1〜6番だった馬はプラス。









 レースの平均配当は、単勝1030円、馬連2455円、3連複3043円と、馬連平均と3連複平均の低さが目立つ。それもそのはずで、過去10年の7番人気以下馬はトータル[0-0-0-55]と、なんと全滅しているのである。一昔前は人気薄もソコソコ上位に食い込んでいたのだが、近年はかなり順当決着傾向が強いレースと化している。

 だからといって「人気通りのガチガチ」では決まらないのが、京都記念の面白いところ。その要因となっているのが、中穴ゾーンである4〜6番人気の強さである。トータル[6-3-2-19]で勝率20.0%と、なんと1〜3番人気の勝率(13.3%)を上回る大活躍。単勝適正回収値233.5、複勝回収値132と、爆発力もかなりのものがある。今年も大いに期待できることだろう。

 次に枠番データだが、外枠である馬番11〜15番が素晴らしい内容という、コースデータとは真逆の結果が出ている。この時期の馬場バイアスが影響しているのかもしれないが、信頼度の高さ、回収値の高さのいずれも文句なし。ただし、信頼できるのはデータ母数の多いコースデータのほうだ。判断が難しいが、今年は少頭数になりそうでもあり、枠番については「気にしない」という方針を推奨したい。

 ただし、脚質はメチャクチャ気にするべきだ。コースデータよりも格段に「前」が強い結果となっており、馬券絡みした30頭のうちじつに22頭までが、4コーナーを5番手以内で回った先行勢。後方どころか、中団から差すのさえ難しいという結論となった。最速上がり馬の勝率が13.3%しかないのも、前優勢の裏付け。逃げた馬がそのまま残る確率も高く、かなり先行勢優勢と考えたほうがいい。

 年齢別成績では、5歳以下馬の成績が優秀。昨年3着のマカヒキのように、6歳馬はソコソコ馬券に絡んでいるが、7歳以上馬になると信頼度は大幅にダウンする。年齢については「若ければ若いほどいい」が結論だ。そして前走クラス別成績では、前走が中央G1もしくは海外遠征だった馬が絶好調。前走で出走していたレースの「格」が、そのまま結果に繋がる傾向が強い。

 騎手関連データからは「鞍上の乗り替わりを割り引く必要なし」「外国人ジョッキーの騎乗馬はここでも強い」というのが、押さえておきたいポイント。そして最後に、なぜこのような結果が出ているのか説明できない、アノマリー系データを紹介しておこう。京都記念では、前走馬番が「01〜06番」だった馬が猛烈に強く、なんと過去10年に馬券絡みした馬の過半数がコレに該当する。判断に迷った場合には、ぜひ前走馬番をチェックしてほしい。

【血統総論】



 血統面では、ディープインパクト、ステイゴールド、ルーラーシップ、そしてオルフェーヴルの産駒をプラス評価の対象とした。なかでも特筆に値するのがオルフェーヴル産駒が見せている適性の高さで、勝率は25.0%と断然のトップ。単勝適正回収値162.2、複勝回収値147、ギャップ値プラス0.2と、人気薄での激走も大いに期待できる内容だ。もし出走してくるならば、押さえておいて損はない。

★出走予定馬 総論×各論

 出走の意向が把握できている馬が9頭しかいない上に、パフォーマプロミスが脚部不安で回避。特別登録する馬はここから多少は増えるだろうが、それでも少頭数となりそうである。注目は、現4歳世代のトップクラス牝馬である、クロノジェネシスとカレンブーケドールの出走。あとは、AJCCの2着馬であるステイフーリッシュや、愛知杯で2着に好走したアルメリアブルームなども出走を予定している。

 トップ評価は、データ特注推奨馬にもあげたカレンブーケドール。牡馬を相手にジャパンカップで2着に好走した実績は、胸を張れるものだ。4歳馬であること、先行脚質であること、ディープインパクト産駒であること、前走馬番が1番であることなど、プラス評価となった項目の多さもナンバーワン。現在のやや特殊な馬場さえこなせれば、勝ち負けになって当然といえる。

 二番手評価にステイフーリッシュ。前走のアメリカJCCでは、最後の直線では1頭だけラチ沿いを選択して粘るという、ルメール騎手の好判断もあって2着に好走している。今回は岩田康騎手に乗り替わる予定だが、前走と同じような競馬ができれば、この相手関係でも好走できる地力の持ち主。京都での好走実績もあり、引き続き好走が期待できそうだ。

 三番手評価にクロノジェネシス。前走の「格」がそのまま結果に直結する傾向のレースだけに、前走エリザベス女王杯組というのは大きなプラス。大崩れしない信頼度の高いタイプでもあり、好位〜中団やや前で流れに乗るレースができれば、ここでも上位争いが期待できそうだ。やや小柄な牝馬でもあり、現在の馬場が懸念材料ではあるが、バゴ産駒ならばアッサリこなせる可能性もありそうである。

 四番手評価にノーブルマーズ。こちらは中山金杯からのローテで、しかも7歳と高齢であることなど割り引く材料も多いが、時計のかかる馬場は大歓迎のクチ。今回の鞍上については把握できていないが、積極的な騎乗ができるジョッキーが乗ってくるようならば、前走以上の結果も十分に期待できるはず。ソコソコ人気薄での一発があるとすれば、おそらくこの馬だろう。

 現時点で評価できるのはここまで。あとは、特別登録が出てからしっかり精査したいところだ。ここまで「4〜6番人気」が強いレースも珍しいので、直前のオッズは必ず確認しておくべき。個人的には、「カレンブーケドールから4〜6番人気に流す馬連」で勝負してみたいと考えている。


■総論×各論・先々週の馬券回顧



初ダートは買えねえ(#^ω^)ビキビキ

どんなにダート適性がありそうな馬であろうが、データで馬券を買う以上は、初ダートの馬なんて絶対に買えませぬ。というわけで、11モズアスコットが1着にきた時点でアウト。この組み合わせだと、例年ほど差しや追い込みが決まらない──という「読み」自体は合ってたんですけどねえ(吐息)。

※コース&血統データは2015年以降、レースデータは2010年以降が集計対象です。
※ギャップ値(G値)は、当該条件における「平均人気-平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、優秀な内容となります。

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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