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【佐賀記念】ロードゴラッソ、ノーヴァレンダら実績馬の復権か、ここから飛躍を目指す新興勢力か

  • 2020年02月10日(月) 18時00分

今年の飛躍を目指したい馬たちが集結!


 2月11日(祝・火)、佐賀競馬場で行われる『第47回佐賀記念』。このレース、2015年のマイネルクロップから昨年のヒラボクラターシュまで5年連続で「佐賀記念でダートグレード競走初制覇」という馬が勝利を手中に収めています。今年もここをきっかけに飛躍を目指したい馬たちが集結しましたが、もちろん実績馬たちも復権を狙いたいところ。加えて期待の地方馬も参戦し、興味深い面々が揃いました。

 まずJRA5頭のうち実績馬からご紹介しましょう。

 ロードゴラッソは3歳の12月に芝からダートに転向したのち、めきめきと頭角を現し、昨年9月のシリウスSで重賞初制覇。続くJBCクラシック7着、浦和記念3着、東京大賞典5着と一線級相手では苦しい戦いを強いられてきましたが、JpnIIIの今回はメンバー的にも実績上位。初の佐賀ですが、地方競馬遠征も5回目と慣れも見込め、中核をなす存在と言っていいでしょう。

昨年のシリウスSで重賞初制覇を果たしたロードゴラッソ(写真は2019年シリウスS優勝時、(c)netkeiba.com)


 4歳馬ノーヴァレンダは2018年の全日本2歳優駿を制した2歳チャンピオン。その後は勝ち星から遠ざかっていますが、昨年10月の白山大賞典では初の古馬相手でグリムの3着に健闘。今回、登録の段階では補欠でしたが繰り上がって出走可能になった運も味方に付け、好走に期待。佐賀競馬初登場のアンドレアシュ・シュタルケ騎手が復活の勝利へエスコートします。

初の古馬相手となった昨年の白山大賞典では3着に健闘したノーヴァレンダ(写真は2019年白山大賞典出走時、撮影:武田明彦)


 昨年の関東オークスを制した4歳牝馬ラインカリーナ。その後もブリーダーズゴールドC3着、クイーン賞3着と牝馬重賞で上位争いに加わっています。レース展開のカギを握る存在で、前残りの展開になれば楽しみ。もし勝てば、牝馬による制覇は1996年のリンデンニシキ以来という快挙です。

昨年の関東オークスを制したラインカリーナ(写真は2019年関東オークス優勝時、撮影:高橋正和)


 JRAから参戦する4歳馬3頭のうち残る1頭は、ダートグレード競走初挑戦のナムラカメタロー。ダートに転向後、6戦4勝で現在2連勝中と勢いがあり、適性がはまれば台風の目になる可能性を秘めています。

現在2連勝中と勢いがあるナムラカメタロー(写真は2019年駒場特別優勝時、(c)netkeiba.com)


 6歳馬テルペリオンは重賞タイトルこそまだ手に入れてないものの、昨年7月のマーキュリーC3着とロードゴラッソ(4着)に先着。これまでダートグレード競走に3回挑戦して、昨年の名古屋大賞典5着、前述のマーキュリーC3着、白山大賞典4着とすべて掲示板確保。前走・ブラジルCは逃げて失速しましたが、それ以外の近走は上位馬と大きな着差はなく、今回初コースもこなしてくれそう。

過去3回挑戦したダートグレード競走ではすべて掲示板を確保しているテルペリオン(写真は2019年白山大賞典出走時、撮影:武田明彦)


 地方勢は地元佐賀の有力馬2頭に期待。

 グレイトパールはJRA所属時代に平安S(2017年)、アンタレスS(2018年)を制しているダートグレード競走2勝馬。2018年11月にJRAから移籍後10戦5勝で、昨年は佐賀スプリングC、九州大賞典、東海菊花賞と重賞3勝を挙げ、もともとの実績馬が新天地で再び花を咲かせました。昨年の佐賀記念では2番人気に推され4着。果たして昨年以上の走りを見せることができるか、非常に楽しみです。

昨年は重賞3勝を挙げたグレイトパール(写真は2019年東海菊花賞優勝時、撮影:谷口浩)


 そのグレイトパールを前走・佐賀の中島記念で撃破したウノピアットブリオ。雨・不良馬場の中、直線外に出したグレイトパールに対し、内から伸びたウノピアットブリオが抜け出し、6馬身差をつけて快勝。54kgで、グレイトパール(56kg)と2キロ差はあったものの、これで8連勝の勢いはナンバーワン。2008年兵庫のチャンストウライ以来の地方馬による制覇なるか、グレイトパールとともに地元ファンの期待が集まります。

前走の中島記念を快勝したウノピアットブリオ(写真は2019年中島記念優勝時、提供:佐賀県競馬組合)


【今回のイチオシ馬】
・ロードゴラッソ
近走で戦ってきたメンバーを考えたら、ここは負けられない戦い。

【気になる馬】
・テルペリオン
コツコツと堅実にクラスを上げてきたここまでの戦歴は、2018年に佐賀記念を制し重賞初制覇を飾ったルールソヴァールを彷彿させ、無視できない1頭。

 歴代優勝馬の中でもひときわ目を引く存在がスマートファルコン(2009年)とホッコータルマエ(2013年)。この名馬2頭はともに4歳で佐賀記念を制し、その後のダートグレード競走での大活躍は皆さんもご存知の通り。今年参戦の4歳馬たちも偉大な先輩を目指し、古馬になって飛躍するきっかけをつかみたいところ。その前に立ちはだかる実績馬たちがそれを阻止するのか?今年もまた“初重賞制覇”の馬が勝つのか?地元佐賀の強豪も加わって、様々な興味が尽きない手に汗握る戦いになりそうです。

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埼玉県出身。フリーアナウンサー。競馬好きが高じてこの世界へ。2001年から15年間、グリーンチャンネルで「中央競馬全レース中継」のキャスターを務める。2016年度から「グリーンチャンネル地方競馬中継」のコメンテーターとして出演。さらに全国各地の競馬場のトークイベントに参加するなど、中央競馬・地方競馬の垣根を越えて活躍中。

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