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ケンタッキーダービー第2回前売馬券、1番人気は今年も『その他の馬』

  • 2020年02月12日(水) 12時00分

個別ではティズザロウ&ナダルが9倍で1番人気


 5月2日のチャーチルダウンズ競馬場で行われる第146回ケンタッキーダービー(d10F)へ向けた、フューチャー・ウェイジャーのプール2が、2月7日(金曜日)から9日(日曜日)の3日間にわたって発売された。

 ケンタッキーダービーの主催者が催す、パリミューチュアル方式による長期前売りがフューチャー・ウェイジャーで、第146回ケンタッキーダービーに向けては、昨年11月28日から12月1日までのプール1、今回のプール2、3月6日から8日までのプール3、4月3日から5日までのプール4の、4回が予定されている。

 具体的には、主催者がそれぞれの時点で有力馬と目した23頭を抽出して、1番枠から23番枠に割り振り、24番枠にその他の全ての馬をフィールドして、24頭立ての競馬を想定した馬券を発売するのである。

 プール2で1番人気に推されたのは、24番枠にひと括りにされた「その他の馬」で、オッズは3倍だった。本番までまだ3か月近くある中、勢力分布は依然として流動的で、この時期のフューチャー・ウェイジャーで「その他の馬」が1番人気になるのは、毎年のことである。

 個別の馬では、いずれもオッズ9倍でティズザロウ(牡3、父コンスティテューション)とナダル(牡3、父ブレイム)が、横並びで1番人気となった。

 3歳時にG1フロリダダービー、4歳時にG1ドンH(d9F)を制したコンスティテューション(その父タピット)の、初年度産駒の1頭となるのがティズザロウだ。同馬はニューヨーク産馬で、ファシグティプトン・サラトガ・ニューヨーク産2歳市場にてサッカトガステーブルに11万ドルで購買され、バークレイ・タッグ厩舎に入厩した。

「ニューヨーク産」「サッカトガステーブル」「バークレイ・タッグ」と言えば、2003年に北米競馬界に大ブームを巻き起こした2冠馬ファニーサイドと、全く同じチーム構成だ。昨年8月9日にサラトガのニューヨーク産限定メイドン(d6.5F)を制しデビュー勝ちを飾ると、次走はいきなりベルモントパークのG1シャンパンS(d8F)に挑み、ここを4馬身差で楽勝してG1制覇を果たしている。

 続くチャーチルダウンズのG2ケンタッキージョッキークラブS(d8.5F)で3着に敗れ、連勝は止まったが、2月1日にガルフストリームパークで行われたG3ホーリーブルS(d8.5F)を3馬身差で快勝し、3歳シーズンを順調に滑り出している。次走は、3月28日にガルフストリームパークで行われるG1フロリダダービー(d9F)が予定されている。

 そのティズザロウと1番人気を分け合うナダルは、ファシグティプトン・ガルフストリーム2歳セールの出身馬だ。公開調教で、1Fでは3番目の好時計となる10秒フラットをマークし、70万ドルで馬主の代理人が購買。西海岸の伯楽ボブ・バファート師の管理下に入った。2歳セール出身ながら、2歳時は不出走に終わったナダルは、今年1月19日にサンタアニタで行われたメイドン(d6.5F)でデビュー。ここを3.3/4馬身差で制し、初陣を飾った。

 2戦目となったのが、2月9日にサンタアニタで行われたG2サンヴィセンテS(d7F)で、ここには昨年の全米2歳牡馬チャンピオンのストームザコート(牡3父コートヴィジョン)も出走していたが、ファンは緒戦の勝ち方が良かったナダルをオッズ1.3倍の1番人気に支持した。

 そして、ハイペースの2番手を追走した同馬は、ゴール前で渋太さを発揮して抜け出し3/4馬身差で優勝。無敗の連勝を飾るとともに、重賞初制覇を果たした。次走は3月14日にオークローンパークで行われるG2レベルS(d8.5F)の予定だ。

 なお2番人気(4.1倍)に甘んじたストームザコートは、勝ち馬から2馬身少々遅れた4着に敗れている。実は、このサンヴィセンテSが発走したのは、9日の西海岸時間で午後3時30分。一方、フューチャー・ウェイジャー・プール2の発売が締め切られたのは、同日の東海岸時間で午後6時。東海岸は西海岸より3時間進んでいるから、サンヴィセンテSが行われた時には、フューチャー・ウェイジャーの発売は既に終わっていたのである。

 締め切りがサンヴィセンテSの後だったら、おそらくはナダルが単独で1番人気になっていただろう。

 以下、G3イロコイS(d8.5F)勝ち馬で、1番人気に推されたG1BCジュヴェナイル(d8.5F)は発馬直後に躓いた影響で8着に大敗したデニシズモーメント(牡3、父ティズナウ)が、オッズ11倍で3番人気。2月1日にアケダクトで行われたG3ウィザーズS(d9F)を制し重賞初制覇を果たしたマックスプレイヤー(牡3、父オナーコード)が、オッズ14倍の4番人気と続いている。

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1959年(昭和34年)東京に生まれ。父親が競馬ファンで、週末の午後は必ず茶の間のテレビが競馬中継を映す家庭で育つ。1982年(昭和57年)大学を卒業しテレビ東京に入社。営業局勤務を経てスポーツ局に異動し競馬中継の製作に携わり、1988年(昭和63年)テレビ東京を退社。その後イギリスにて海外競馬に学ぶ日々を過ごし、同年、日本国外の競馬関連業務を行う有限会社「リージェント」を設立。同時期にテレビ・新聞などで解説を始め現在に至る。

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