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ダイワメジャー×オールドスタッフのファミリー、というニックスを持つグッドアズゴールド

  • 2020年02月12日(水) 12時00分
●カフジピスケス(牡 栗東・矢作芳人 父ハーツクライ、母ローズキャサリン)

 母ローズキャサリンは現役時代アメリカで走り、創設当初でまだ重賞格付け前だったブリーダーズCジュベナイルフィリーズターフ(芝8f)で2着(1着は桜花賞馬グランアレグリアの母タピッツフライ)。

 母の父Speightstownは現役時代にブリーダーズCスプリント(米G1・ダ6f)など重賞を4勝した一流馬で、04年に米最優秀スプリンターに選出された。パワーを帯びたスピードを武器としており、日本ではリエノテソーロ(16年全日本2歳優駿-Jpn1など重賞3勝)をはじめマテラスカイ(18年プロキオンS-GIII、19年ドバイゴールデンシャヒーン-首G1・2着)、モズスーパーフレア(19年オーシャンS-GIII)、ドスライス(11年クラスターC-Jpn3)などコンスタントに活躍馬を誕生させている。

 父ハーツクライはスピード豊かな繁殖牝馬と好相性を示しているので悪くない。芝向きのマイラー。

●グッドアズゴールド(牝 栗東・笹田和秀 父ダイワメジャー、母アンティックドール)

 現在3勝クラスで2戦連続2着となっているアシュリン(父マンハッタンカフェ)の下。父はダイワメジャーに替わった。

 オールドスタッフのファミリーとダイワメジャーは相性が良く、これまでにエクセラントカーヴ(13年京成杯オータムH-GIII)、クライムメジャー(16年サウジアラビアロイヤルC-GIII・3着)といった活躍馬が誕生している。

 本馬は父がダイワメジャーで2代母がAntique Auctionなので、エクセラントカーヴと4分の3同血の関係となる。母アンティックドールはMr.Prospector 2×4で現役時代に芝1200m戦を勝ち上がったスピードタイプ。本馬は芝向きのスプリンターマイラーだろう。

●ダノンディアマンテ(牡 美浦・堀宣行 父ディープインパクト、母フィリス)

 母フィリスは、ローズS(GII)をレコード勝ちしたブロードストリート(父アグネスタキオン)、青葉賞(GII)で3着と健闘したフィニステール(父ダンスインザダーク)の半姉で、繁殖牝馬としてはこれまでにJRAで出走した7頭中6頭が勝ち上がるという好成績を挙げている。

 母の父がダート向きのアフリートなので、産駒はどちらかといえば芝よりもダートのほうが良く、本馬の全兄サトノゲイルは芝からダート路線に転じて現在2勝を挙げている。

「ディープインパクト×アフリート」の組み合わせは、総じてダート向きに出る傾向はあるものの、フィラストリートの牝系でもあり、馬のデキ次第では芝でやれる可能性もあるだろう。芝・ダート兼用のマイラー。

●ノーウェアランド(牡 栗東・友道康夫 父ディープインパクト、母ハヤランダ)

 母ハヤランダは重賞こそ勝っていないものの、サンクルー大賞(仏G1・芝2400m)3着、凱旋門賞(仏G1・芝2400m)4着のほか、G2とG3で何度か2着となっている。母の父Landoは95年のジャパンC(GI)優勝馬で、独ダービー(G1)やバーデン大賞(G1)2回など独伊日のG1を7勝した名馬。

 日本で誕生したハヤランダの初仔のパスティス(父ハーツクライ)、2番仔のゴルディロックス(父オルフェーヴル)はいずれも未勝利。3番仔の本馬はディープインパクトを父に持つ。「ディープ×Lando」は初めての試みとなるが、Landoの父Acatenango(独リーディングサイアー5回)は母の父としてディープインパクトと相性抜群(ワールドエースとワールドプレミアの兄弟などを出す)なので面白い。芝向きの中長距離タイプ。

●メイショウコホク(牡 栗東・藤岡健一 父ダイワメジャー、母アルペンローズ)

 アルゼンチン共和国杯(GII)2着、ダイヤモンドS(GIII)3着などの成績があるメイショウカドマツ、現在3勝クラス在籍中のメイショウキョウジの全弟。

 母アルペンローズは未勝利馬だが、2代母Amizetteは本邦輸入種牡馬トワイニングの全妹にあたり、3代母Courtly DeeはGreen Desert、ヤマニンパラダイス、アンブロジン、Bertoliniなどの2代母で、現代の血統に大きな影響を及ぼしている名牝。

 全兄メイショウカドマツは母の父Kris S.のスタミナを強く受けたのか、スピードタイプのダイワメジャー産駒にしては例外的にスタミナに秀でていた。もう1頭の全兄のメイショウキョウジはAmizetteが強く出たのか芝向きの短距離馬となった。対照的な個性を持つ2頭の全兄を持つので、本馬がどのようなタイプとなるのか読みづらいが、いずれにしても楽しみな素材だ。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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