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【共同通信杯・京都記念追い切り】晴れた馬場でのパフォーマンスを見てみたい!

  • 2020年02月12日(水) 18時00分

スピードの持続力は非凡なものがある


 今週は木曜日あたりから週末にかけて雨予報。レース当日に与える影響を思えば、雨はやっぱり憂鬱ですが、日曜日の東京競馬場は曇りの予報が出ています。できれば晴れた馬場でどんなパフォーマンスを発揮するのか見てみたいのがマイラプソディ。netkeiba.comの予想オッズは12日の時点で1.6倍。これは当然でしょうね。

 でも競馬週刊誌を見ると、マイラプソディ以外に◎を打っている方も多くいるようで、それがフィリオアレグロ。確かに新馬戦で負かしたサトノフラッグが未勝利、1勝クラスと連勝しましたから、そこに大物感があるのかも知れませんが、果たしてどうなんでしょう。いずれにせよ、このレースはパドックからじっくりと現場で観ることができそうなので楽しみです。

【クイーンC/ミヤマザクラ】

 京都2歳Sは勝ちに行く競馬をしながらも最後は差されてしまいましたが、その相手はマイラプソディ。これは仕方ないというところで、3着に3馬身の差をつけたところがこの馬の能力の非凡さを示していると思います。

 そこから約3ヶ月となりますが、当時よりも完成度が増した今回。普段のキャンターから、それを感じていましたが、より確信することになったのが2月5日の1週前追い切り。CWで他厩舎の1勝クラスを追いかけましたが、馬なりで交わし去っていくスピード感は素晴らしかったと思います。最終追い切りは坂路で4F目最速ラップ。その数字が11.8秒ですから、瞬発力も十分です。

ミヤマザクラ

スピード感が素晴らしいミヤマザクラ(2月11日撮影)


【共同通信杯/マイラプソディ】

 京都2歳Sを勝った後は、すぐにここ目標を発表。当然、日本ダービーを視野に入れての東京競馬場の経験ということになります。1月16日から坂路で時計を出し始めましたが、1月22日の時点で坂路4F52.7秒。この時の後半が12.6秒の持続ラップで25.2秒でしたが、この動きでも十分に重賞で勝ち負けという状態だったと思います。

 そこから「大目標に向けて、気になるところを修正していく」(大江祐輔調教助手)ということで、CWでの併せ馬。特に1週前追い切りには武豊騎手が跨って、コーナーで気を抜くという課題について取り組んでいます。現状でも十分なポテンシャルとスキルの組み合わせだと思っていますが、さすがはダービーを2勝している友道康夫厩舎。そういった意味でも、すでに視界には無敗のGIホースたちがロックオンされている状態といったところでしょうか。

 最終追い切りは坂路で単走。見た目には決して速いペースではなかったのですが、4F50.6秒。これは自己ベストを更新する時計ですが、もちろん引っかかったわけではありません。ゴール前も流すような感じで12.9秒。ここが13秒にならないあたりがスピードの持続力が非凡であるところを示したような気がします。

マイラプソディ

非凡なスピードの持続力があるマイラプソディ(2月11日撮影)


【京都記念/クロノジェネシス】

 オークスからぶっつけ本番だった秋華賞で見事にGIを制覇。その後のエリザベス女王杯は5着に終わりましたが、3歳春に比べて、いろんな意味での成長が見られた秋2戦の走りだったという印象があります。

 それだけに今回の帰厩した姿にびっくり。というのも、馬体が増えたことでパワーアップした走り。そこに安定感が加わって、3歳時よりも迫力が出てきたのです。このあたりは斉藤崇史調教師が一番感じているようで、この馬のことをしゃべる時は笑みがこぼれて、本当にうれしそう。これが現状のクロノジェネシスを物語っていると思います。

 2週前追い切り、1週前追い切りのCWでは併せ馬を先行する形、追走する形とこなしていますが、いずれも行きたがるような素振りは見せませんでした。週末には坂路で時計を出す調教内容にもなっており、本当に充実した調教内容。最終追い切りはCWでの併せ馬。北村友一騎手が跨って、手応えよく同入という内容でしたから、ここは結果も伴いそうな感じがします。

クロノジェネシス

3歳時よりも迫力が増したクロノジェネシス(2月11日撮影)


【京都記念/ステイフーリッシュ】

 中7週のレース間隔も追い切り本数が少なくて、高いパフォーマンスは難しいと思っていたAJCCがあわやの2着。勝負どころで不利などがあったレースですが、ここまで走られたことに正直、反省しかありません。そして京都記念は昨年2着のレース。重賞を勝った舞台でもあり、ここでは当然安定したパフォーマンスが期待できそうです。

 ひとつのポイントは昨年の最終追い切りで該当していた、坂路での4F目最速ラップ。4F53.8秒と遅い全体時計でしたが、4F目は12.3秒と鋭く伸びていました。今年の最終追い切りは坂路で3F目が最速になるラップ。3F目12.4秒からの4F目12.6秒ですから、大きく失速したわけではありませんが、昨年と違うパターンになったことは間違いありません。

【京都記念/クラージュゲリエ】

 日本ダービー以来という休み明け。そんなこともあってか、1月13日からしっかりと乗り込んで、ここに向けてつくってきているという調教欄になります。ただ、実際の動きというのは、3週前追い切り、2週前追い切り、1週前追い切り。すべてCWでの併せ馬でしたが、すべて遅れています。特に2週前と1週前は川田将雅騎手が跨って、反応が鈍い動きでしたから、見た目にはあまり評価できません。

 もともと追い切りでは動くタイプではなく、同時期の比較だと、1年前の共同通信杯でも中間の併せ馬では遅れていました。しかし最終追い切りではしっかりと先着して3着。ゆえに最終追い切りに注目したのは言うまでもありません。CWでの最終追いにも川田将雅騎手が跨りましたが、シロニイとの併せ馬には同入。動き自体に余裕がありましたし、ちょっと動ける状態になった印象はあります。

◆次走要注意

・2/9 3歳未勝利【ドスハーツ】(13人5着)

 初ダートということもあり、スタートで躓き、1コーナーへ入るまでには砂を被って嫌がる仕草。本命にしていましたが、この時点で相当厳しい展開でした。ただ、向正面あたりからの走りは思っていた通りのダート適性。最後の脚はかなり良かったと思います。

[メモ登録用コメント] [ダ1800m]最終追い切りが栗東坂路で4F目最速ラップなら勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・4歳上2勝クラス【ロードリバーサル】
 10月以来の休み明けになりますが、先週までの坂路での動きは良好。最終追い切りはCWでの併せ馬でしたが、先行していたシャドウハンターにしっかりと追いついて同入。6F80.5秒、1F12.1秒は完璧な時計。左回りで雨が予想される馬場という条件も合うはずです。

ロードリバーサル

左回りで雨が降る馬場も合いそうなロードリバーサル(写真奥)


【予想】井内利彰の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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