【クイーンC】桜花賞よりもオークスに結びつくことが多い
注目馬が多いというだけでなく、レベルの高い一戦
昨年のこのレースには、日曜の京都記念で人気を分けるクロノジェネシス(1着)と、カレンブーケドール(4着)が出走していた。最近10年、このクイーンCを経由して桜花賞を3着以内に好走した馬は、そのクロノジェネシスなど4頭。一方、オークスで3着以内に快走した馬は昨年のカレンブーケドール、クロノジェネシス、15年のミッキークイーン、12年ヴィルシーナなど6頭存在する。
距離は1600m。勝ち負けした馬は当然、桜花賞へ挑戦することが多いが、東京コースとあって、どちらかといえば昨年のカレンブーケドール(桜花賞は出走できず)のように、オークスに結びつくことが多い。
今年はブラストワンピースの半妹ホウオウピースフル(父オルフェーヴル)、スワーヴリチャードの半妹ルナシオン(父ディープインパクト)、ポポカテペトルの全妹ミヤマザクラ(父ディープインパクト)など、どちらかといえばオークス向きの馬が多い。早くからの注目馬が多いというだけでなく、レベルの高い好カードになった。
ホウオウピースフルの父オルフェーヴルは、初年度産駒からGI馬ラッキーライラック、エポカドーロを送ったあと、どうも平均点が低いためか、生産界の評価は落としている。種付け頭数は14年から3年連続200頭超えだったのに、昨19年は52頭だった。
ところが、現5歳馬を筆頭に3世代が走っているだけなのに、目下の総合サイアーランキングは少差の4位。実際にはどんどん評価を再上昇させている。ダートで開花する馬も多い。
また、ステイゴールド系オルフェーヴル産駒に求められるのは平均点ではなく「中に大物が含まれるはずだ…」であり、2戦2勝ホウオウピースフルには、ラッキーライラックのような成長を示し、オークスを展望できるくらいの快走を期待したい。
2戦の勝ち方はハデではないが、前回は抜け出すときに気合を入れただけ。不器用な大跳びタイプではなくピッチ走法で鋭く伸びる。百日草特別の自身の最後の2ハロンは推定10秒8-11秒2だった。スピード能力もある。
数字以上にスケールを感じさせたルナシオンと、上がり32秒9で新馬楽勝のアカノニジュウイチ(母と祖母はアルゼンチン育ち)はまだ1戦1勝だが、過去54回、キャリア1戦で勝った馬は3頭だけなので、ここで評価一変の新星となる可能性を秘める。最終追い切りが光ったのはシャンドフルール(父キズナ)だった。