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クィーンズバーンの息子スティーヴン

  • 2020年02月19日(水) 12時00分
●デルマアパタイト(牡 美浦・堀井雅広 父カジノドライヴ、母モンシュシュ)

 母モンシュシュはツクバコガネオー(13年エルムS-GIII・4着)の半妹で、現役時代に関東オークス(JpnII)で3着となった。3代母Dance Designは愛オークス馬で「Sadler's Wells×Habitat」という組み合わせ。したがってモンシュシュ(父スペシャルウィーク)は、スペシャルウィークの代表産駒で母が「Sadler's Wells×Habitat」だったシーザリオ(05年オークス-GI、05年アメリカンオークス-G1)とほぼ4分の3同血というユニークな配合構成だ。

 本馬はA.P.Indy 3×3という強度のインブリードを持っているが、これまでカジノドライヴ産駒のA.P.Indyクロス馬は2頭出走していずれも勝ち上がっており、本馬と同じ「カジノドライヴ×スペシャルウィーク」という組み合わせからはヴェンジェンス(19年みやこS-GIII)、ノーブルサターン(17年兵庫CS-JpnII・2着)が出ており成功している。ダート向きの中距離馬だろう。

●デルマシトリン(牡 美浦・伊藤伸一 父スウェプトオーヴァーボード、母リトルブレッシング)

 母リトルブレッシングはJRAで4戦して未勝利に終わったが、繁殖牝馬として優れており、本馬の全姉プリンセスメモリーはクイーンC(GIII)2着、阪神牝馬S(GII)5着、半姉グリサージュ(父クロフネ)はクイーンC(GIII)7着という成績がある。

「スウェプトオーヴァーボード×バブルガムフェロー」は地味な組み合わせだが、父の平均を上回る好成績を残している。とくにダートの成績がいい。全姉は芝で活躍したが、全兄コウギョウブライトはダートを主戦場としているので、牡の本馬もダート短距離で本領を発揮するはずだ。

●スティーヴン(牡 栗東・浅見秀一 父ルーラーシップ、母クィーンズバーン)

 3勝クラスに在籍中のアカネサス(父ロードカナロア)の半弟。父は同じキングカメハメハ系のルーラーシップに替わった。母クィーンズバーンは現役時代に阪神牝馬S(GII)を勝ったスピード馬。

 2代母シンコウエンジェルは繁殖牝馬として優れた能力の持ち主で、クィーンズバーンのほかにワイルドソルジャー(04年名古屋グランプリ-GII)、ダノンカモン(14年名古屋大賞典-JpnIII)、ルベーゼドランジェ(15年オーバルスプリント-JpnIII・2着)を産んでいる。

 勢いの感じられる牝系だけに母クィーンズバーンも繁殖牝馬として好成績を挙げており、本馬にも期待が掛けられる。「ルーラーシップ×スペシャルウィーク」の組み合わせはディアンドル(19年葵S-重賞)、ダンツキャッスル(19年ユニコーンS-GIII・3着)と同じ。芝・ダート兼用のマイラー。

●ナバーラ(牡 美浦・国枝栄 父キングカメハメハ、母ライツェント)

 ディアドラ(17年秋華賞-GI、19年ナッソーS-英G1/父ハービンジャー)、オデュッセウス(15年兵庫ジュニアグランプリ-JpnII・3着/父ファルブラヴ)の半弟。

 母ライツェントは未勝利馬ながらランフォルセ(重賞4勝)、ノーザンリバー(重賞6勝)を兄弟に持つ良血で、2代母ソニンクは未出走馬ながら繁殖牝馬として大成功、3代母は全欧3歳牝馬チャンピオンとなったSonic Lady、という日本屈指の名門ファミリーだ。

「キングカメハメハ×スペシャルウィーク」はリオンディーズ(15年朝日杯FS-GI)、タガノグランパ(14年ファルコンS-GIII)などと同じ。芝・ダート兼用の中距離タイプ。

●プロミストウォリア(牡 栗東・野中賢二 父マジェスティックウォリアー、母プロミストスパーク)

 ブリクスト(14年新潟2歳S-GIII・5着)、プロミストリープ(18年浦和桜花賞、18年東京プリンセス賞-2着)の半弟。母プロミストスパークはダートを中心に5勝を挙げて準OPまで出世した。

 2代母プレインは「ジェイドロバリー×ノーザンテースト×Promised Land」という北米血統なので、芝よりもダート適性が高い。

 父マジェスティックウォリアーは、アメリカ供用時代の産駒からベストウォーリア(14、15年マイルCS南部杯-JpnI)、エアアルマス(20年東海S-GII)を出し、日本における初年度産駒である現3歳世代は現時点で芝4勝、ダート13勝と、予想どおりダートで好成績を挙げている。

 父母双方からパワー型の血を受け継いだ本馬は高確率でダートホースとなるだろう。中距離向き。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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