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【フェブラリーS追い切り】有力馬の追い切りには気になる点も…

  • 2020年02月19日(水) 18時03分

今週も雨の影響は最小限で済んでほしいところ


 先週末は各競馬場で雨の影響を受けるレースが多くなりました。私は土日、東京競馬場でしたが、日曜日の東京は午前中にかなり強めの雨。水分が馬場に与えた影響も大きく、これによって、予想の精度は低くなってしまいました。

 雨で傷んだ馬場で行われる最終週。土曜日あたりは雨の予報も出ていますが、できれば雨の影響は最小限で済んでほしいところ。特に小倉は土曜日「全12レース、マラソン予想」、日曜日「レジェンド競馬アナウンサースペシャルトークショー」「競馬BEAT presents浜口京子予想ステージ・レース回顧トーク」に出演させていただく予定になっていますので、ビシッと予想を的中させたいと思います。

【フェブラリーS/モズアスコット】

 前走初ダートでもきっちり勝ち切ったあたりは、馬も厩舎もさすがといった印象ですが、休み明けで追い切り本数が少なくても勝ったところが私には痛恨でした。速い時計は3本の坂路追い切りでしたが、そのすべてが2F24秒台。そして、最終追い切りは4F目が最速になるラップでしたから、量ではなく、質で評価すべきだったのかも知れません。

 今回は中2週になるので、金曜追いからの最終追い。このローテはスワンSやマイルCSと同じになるので、そこを参考にすべきでしょう。どちらのレースも3本の坂路追いでしたが、今回は2本。日曜日の15-15がないパターンですが、これは輸送の違いがあるかも知れません。気になるのは1週前追い切りのラップの踏み方。スワンSが4F目最速だったのに対して、マイルCSは3F目最速。そして今回は後者と同じですから、いいラップの踏み方とは言えません。

 最終追い切りは坂路で4F51.4秒。全体が速いことはもちろん評価できるのですが、3F目と4F目が12.4秒のラップ。4F目が最速にならなかったことをどう判断するか。前走もスワンSも4F目最速ということを考えると、ちょっと評価を落とすべきかも知れません。

モズアスコット

全体的時計は速いが、ラップの踏み方は気になるモズアスコット(2月18日撮影)


【フェブラリーS/インティ】

 昨年の覇者。昨年は連勝で挑戦し、その連勝を伸ばすという、素晴らしい結果でしたが、今年は紆余曲折ある成績を経てきました。1年間、勝ち鞍がなかったというのは本当に不思議なところですが、やっぱり強くなった逃げ馬の宿命なのかなと思ったりもします。

 ローテーション自体は昨年と同じなので、その調教内容を参考にすべきだと思いますが、1週前追い切り、最終追い切りともに、坂路4F53秒台に対して、4F目最速ラップという内容でした。1週前追いは坂路4F53.7秒で、4F目12.3秒の最速ラップでした。

 そして最終追いは2回目のハローが終了した坂路。馬場の中央を軽快に駆け上がっていく姿を見て、前走のようにラチを頼りにするところがないと思った瞬間、右の方へとよれていきました。結局、時計は4F51.1〜3F37.7〜2F24.8〜1F12.5秒。2F目から12秒台を踏んだので、当然の4F目という気はしますが、昨年とはちょっと違うラップ踏みになったのは間違いありません。

インティ

昨年とは違うラップで登板したインティ(2月18日撮影)


【フェブラリーS/サンライズノヴァ】

 今年で3回目の挑戦になるフェブラリーS。過去2回は根岸Sからのローテーションでしたが、今年はレース間隔をあけています。これについては「オーナーとも相談して、意図的に間隔をあけた」と音無秀孝調教師。これまで休み明けで良績を残していることを思えば、このローテにチャンスありという印象もあります。ちなみに近走を見ると脚質も変わってきた印象ですが、今回どんな戦法を考えているのかは音無師にあらためて聞いて、ウマい馬券に記載するつもりです。

 肝心の動きも抜群。毎週のように坂路でクリソベリルと併せ馬を行っていますが、遅れたことはありません。休み明けなのに、馬体をスッキリ見せて、素軽さが出ているように思います。

 最終追い切りは坂路で松山弘平騎手が跨り、インディチャンプを追走。追いつくのかな?という疑問よりもこれは動くだろうなという前半の走り。しかし、後半になって、インディチャンプが加速するのについていくのがやっと。というよりも最後は離されるような形で、結局は遅れました。時計が4F51.0秒なので、決して悪い内容ではありません。ただ、遅れたという事実はちょっと気になります。

サンライズノヴァ

遅れた事実は気になるものの、内容は悪くないサンライズノヴァ(2月18日撮影)


【フェブラリーS/ヴェンジェンス】

 腰に疲れが出たということで、ここへの出走も状態次第ということでしたが、うまく調整を進めて出走が叶いそう。中3週というローテーションはチャンピオンズCと同じですが、当時が2本の追い切りで今回は3本。1週前の日曜日にCWで時計を出し、1週前追い切りは坂路というのはプロキオンSと同じになります。

 プロキオンと比較した場合の1週前追いで言えば、時計的には物足りません。2F24.3秒だったプロキオンに対し、今回は25.1秒。決して時計を要する馬場状態ではなかっただけに、ちょっと迫力不足の印象。最終追い切りは幸英明騎手が跨って坂路で単走。4F52.8〜3F38.1〜2F24.9〜1F12.7秒。25秒は切ったものの、これもちょっと物足りなさを感じる内容となった気がします。

ヴェンジェンス

全体的に物足りなさが目立ったヴェンジェンス


【フェブラリーS/ワイドファラオ】

 前走が決して悪くない調教内容と思っていましたし、1週前追い切りをCWで併せ先着はユニコーンSと同じでしたから、これは高く評価しました。ただ、ユニコーンでは最終追い切りもCWだったのに対して、坂路でした。これがどう出るか注目していましたが、結果的には煮え切らない着順という印象があります。

 今回はまたパターンを変えて、1週前追いから坂路。これはデビュー以来初めてのパターンになります。しかも先週末の日曜日にも4F56.1秒という時計。レース間隔が詰まっているのにここまで攻めてくると不気味さが漂います。

 最終追い切りは1回目のハローが終了した時間帯のCW。2コーナーから入場しましたが、先行馬がかなり前へ行ってしまったため、前半は単走のような走りぶり。後半になって追いつきましたが、最後は離されてしまいます。6F81.6〜5F65.6〜4F51.2〜3F38.3〜1F12.3秒と時計は悪くないのですが、あの突き放された姿を思い出すと、なかなか高い評価ができません。

ワイドファラオ

時計は悪くないものの、離されたのは気がかりなワイドファラオ(写真手前)


◆次走要注意

・2/15 3歳新馬【アルベロベッロ】(1人4着)

 パドックでの様子は頭を下げて、まだ気持ちが乗っていない、というよりもこれからレースだということが分かっていないような状況でした。それでも馬体は素晴らしいものを持っていたと思います。レースを使ったことでいろいろ覚えたと思いますから、次は変わってくるはず。

[メモ登録用コメント] [芝中距離]パドックで水平首の周回ができれば勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・フリージア賞【アメリカンシード】
 最終追い切りCWでの併せ馬は先行したということもあり、楽々と先着する内容。その時計が6F82.6〜5F66.4〜4F51.9〜3F37.4〜1F11.5秒という数字から、いかに楽な逃げ切りだったか分かると思います。それでも見た目にはまだ修正できる走りだと思いますし、ここは楽に勝ち上がってほしいところです。

アメリカンシード

ここも楽に勝ち上がって欲しいアメリカンシード(写真奥)


【予想】井内利彰の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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