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【フェブラリーS】例年とはまた違ったにぎやかさ

  • 2020年02月21日(金) 18時00分

前哨戦のレベルや相性などがカギになりそう


 今年最初のJRA・GI、フェブラリーS。地方馬の参戦などもあって、例年とはまた違ったにぎやかさを感じさせるレースとなった。

 昨年の覇者インティは東海S3着からの参戦。この1年勝利がないが、前走の道中位置から3着という結果は、この馬の精神的成長を感じさせるし、2キロ不利な斤量を背負っての3着なら前哨戦としては上々。また単騎逃げにでも持ち込めるようなら、あっさり連覇となってもおかしくはない。

 モズアスコットは初ダートで根岸Sを制してここに臨む。なかなかできない偉業のあとなので期待はふくらむが、あとは根岸S組というグループそのものの強さ。1頭だけ別次元の存在で同馬だけはここでも好走する可能性もあるし、例年のように別路線の馬が上位に来てしまう可能性もある。馬券的には扱いが難しい存在だ。

 サンライズノヴァとアルクトスはこのレースと相性の良い南部杯の1、2着馬。当時先着したのはサンライズノヴァだが、同馬は既に2回フェブラリーSに出走して4、7着。1つ年下でこのレース初出走となるアルクトスのほうに個人的には期待している。

 1600mがどうかだが、堅実な競馬を続けているデルマルーヴル。前半この距離の流れに乗れるようなら、上位争いに食い込んでくる。

 ヴェンジェンスはかなり久々の東京戦だが、脚質を考えると展開次第でプラスのコース替わりになる可能性はある。東海S組はイメージ以上に走っているので、この馬も忘れてはならない存在だ。

 地方勢は例年以上に楽しみな馬が揃った。ノンコノユメはなんといっても中央時代の2018年にこのレースを制した馬。尾持ちでスタートを改善した地方のレースと違ってフェブラリーSではまたスタートの問題をクリアしなければならないが、五分に近いスタートなら上位争いが可能になる。

 モジアナフレイバーは東京大賞典3着、ミューチャリーはジャパンダートダービー3着があり、条件次第では中央馬ともそれなりの競馬ができる馬。3頭揃ってというのは難しいだろうが、どれか1頭は馬券圏内に近づいてほしいところだ。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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