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【中山記念】「やる時はやる!」漢になったウインブライト

  • 2020年02月23日(日) 18時01分
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2つの星(GI2勝)が輝く調教ゼッケン(撮影:佐々木祥恵)


6歳の芦毛馬、ウインブライトが中山記念で始動します。主戦の松岡騎手も「ついに来ましたよ」と本格化を確信した昨年は、国内で重賞を連勝したのち、海を渡ってついにGIを制覇。暮れの香港でGI2勝目を挙げ、6戦4勝の成績で、JRA賞・最優秀4歳以上牡馬も受賞しました。

そんなウインブライトですが、実は普段はおっとり系なんだとか。3連覇の偉業もかかる今年の初戦を前に、担当厩務員の野木晴久さんにお話を伺いました。

(取材・文=佐々木祥恵)

本当に大丈夫かなというくらい大人しかったけど…


 中山記念3連覇がかかるウインブライトを訪ねたのは、フィリップ・ミナリク騎手が騎乗して2週前追い切りを終えた日の午後だった。馬房から顔を出し、訪問者を興味深そうに見ている。芦毛の馬は気性が激しいとよく言われるが「こんな感じで大人しいですよ」と話すのは担当厩務員の野木晴久さんだ。

 デビューは2歳の6月と早い時期だった。母のサマーエタニティも同じ畠山厩舎の管理馬で、母が産んだ子供たちもこれまですべて畠山厩舎に入厩している。その中で野木厩務員が担当したのは、ウインブライトと1つ年上の姉ウインファビラスだった。

「近くで見ていた母親や担当していた姉とは少し違うタイプかなというのが、入厩当初の印象です。姉はヤンチャで、母親とも似ていました。姉とは全兄弟だったのでこの馬もうるさいのだろうなと思っていたのですが、全くそういうところがないんです。あまりにおっとりしていたので、最初は熱発でもしているのかなと思ったほどです(笑)」

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芦毛…ステイゴールド産駒…でもおっとり(C)netkeiba.com


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まゆげ。「よく言われますがずっと見ている顔なのでそう思わなかったです…」と野木厩務員(C)netkeiba.com


 初勝利まで3戦を要したが、その後は、ひいらぎ賞2着、若竹賞1着と昇級後も好走が続き、皐月賞トライアルのスプリングSで見事に重賞初制覇を成し遂げた。

 主戦の松岡正海騎手は、レースに向けての追い切りの後、記者から質問を受けるたびに「完成はまだ先」と答えていたのを思い出すが、3歳春には既に重賞を勝っているのだから、元々のポテンシャルが高いのは間違いなさそうだ。

「あの頃は走るなという感じはあまりなかったのですが、それでも重賞を勝ってくれましたし、すごいなと思いました」

 だがその後に出走した皐月賞(8着)、ダービー(15着)はともに着外に敗れており、松岡騎手の言葉通りまだ成長途上だったのだろう。

 3歳秋シーズンは毎日王冠では10着に敗退したものの、続く福島記念ではその時点での持てる力を存分に発揮して、古馬相手に重賞2勝目を挙げている。

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重賞初制覇となったスプリングS。まだずいぶんと黒いです(撮影:下野雄規)


「成長して馬が良くなればもっと走るようになるという話はよく聞きますけど、実際は良くならないまま終わるケースも多いです。だからこの馬もどうなのかなと思ってはいたのですが、本当に良くなってきてくれました。段々体重も増えましたし、体の恰好も良くなってきました」

 4歳となって中山金杯2着ののち、中山記念で重賞3勝目を掴む。その年の秋2戦は本調子にはなく見せ場のないまま終わったが、年が明けると中山金杯、中山記念と連勝し、その勢いのまま臨んだ香港でのクイーンエリザベスII世カップで念願のGIタイトルを手にした。

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