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【フェブラリーS】期待感を持って今年最初のGIを迎えたい

  • 2020年02月22日(土) 12時00分

連覇か、新星の誕生か


 まだ風の冷たい中、梅をもとめて歩く。どこからかただよってくるかもしれないその香りをもとめて歩く。これは、梅探る、探梅という季語になってきた。そこには、漠然とした期待感がある。その梅探るの思いで、一年で最初のGIレース、フェブラリーSを見ていくとどうなるか。

 ひとつの見方として、昨年のチャンピオンズCの1、2着馬、クリソベリル、ゴールドドリームがサウジアラビア、ドバイの国際競走に行くため、ここに出走していないことで多くの馬にチャンスが広がったのではという点。

 そこで3着だったインティの連覇が濃厚になったと期待感を強めてきた。それも、58キロを背負って戦った前走の東海Sで、前哨戦としては納得の3着と武豊騎手自身が語っていたことに頼もしさを感じる。3年連続連対を果たしたゴールドドリームの例を見るように、リピーターの出やすいレースであり、左回りのマイル戦というのもインティの後押しとなる筈だ。

 圧巻逃げ切り、新砂王7連勝とたたえられた昨年から、今回はどんな進化を見せるか。展開の主導権を握ったときの武騎手は無視してはならないから、たとえ逃げなくとも怖い。

 根岸Sでダートも制圧とたたえられたモズアスコットは、史上5頭目の芝・ダート両方でのGI制覇がかかるが、ダート2戦目で課題が無いことはない。ルメール騎手も語っているように、ウィークポイントのスタートがどうかだ。どうあろうとも長い直線で瞬発力を引き出すことを念頭に戦うから、もしかしたら他力本願になってしまう。

 だが、芝の重賞で実績のあるものの大くずれは少なく、まして人気馬の総くずれは考えにくいから、今年は手堅く終ると見ておく。

 東京のダートは、パワーにスピードがもとめられるので、展開が乱れたときの伏兵を考えておくべきだろう。前走の武蔵野Sで強引に運びすぎたサンライズノヴァは、ひと頃の不振を脱したとなれば、得意のコースで入着は考えられるのでは。

 根岸Sからの一変組では、ワンダーリーデルを少し。1ハロンの延長で、ジリジリ伸びてくる脚に魅力が増す。そして、もう一頭アルクトスを。ダート全7勝のうち6勝を左回りで挙げており、特に東京のマイルは4戦4勝とベストの舞台だ。4ヶ月の休養で地力が強化され、ダートの新星と期待したい。

 期待感持って梅探るの思いで見てきたが、この他にチュウワウィザード、オメガパフュームなどここに登場していない馬もいて、今のダート界は層が厚い。

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ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

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