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【連載開始から5年】ホスト藤岡佑介騎手が語る サークル内での反響と心に残ったアノ対談 (前編・無料公開)

  • 2020年03月04日(水) 18時02分
with 佑

▲「with 佑」のホストを務める藤岡佑介騎手 (C)netkeiba.com


藤岡佑介騎手が“今”語り合いたい旬なゲストをお迎えし、競馬談義を繰り広げる『競馬対談 with佑』。この3月で5年目を迎えることができました。これもひとえに、これまでに登場してくださったホースマンの皆様、そして当コラムを応援してくださる読者の皆様のおかげです。いつもありがとうございます。

今回は連載開始5年目を記念しまして、ホストの佑介騎手自身がここまでを振り返ると共に、心に残った対談や裏話を披露します。その対談をすでに読んでくださった方も、まだ読んでいないという方も、ぜひ今一度振り返りながらお楽しみください!

(取材・文=不破由妃子)


対談終わりにノリさんから「今日は楽しかった」


 2016年3月から始まったこの連載も、おかげさまで5年目に突入しました。第1回の(川田)将雅から、前回のオイシン(マーフィー)まで、延べ32人のホースマンが登場。僕は、普段から競馬や馬の話をけっこうするほうですが、先輩にしろ後輩にしろ、「よくここまで話してくれたな」と思う回が多く、本当にありがたいです。

 今ではサークル内でも読んでくださっている方が多いようで、「面白かったよ」と声を掛けていただく機会も増えました。最近で一番反響が大きかったのは、やっぱりノリさん(横山典弘騎手)。ノリさんの新人時代の話から、影響を受けた人物にまつわる逸話、ダービーの思い出やノリさん独自の精神論まで、「こういう取材の場でも、こんなに喋ってくれるんだ!」とちょっとビックリしたほど、貴重なお話をたくさんしてくださいました。

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▲2019年9月に登場した横山典弘騎手 (C)netkeiba.com


(横山典弘騎手との対談はこちらから)

 ちなみに、ノリさんというと、マスコミ嫌いのイメージがあるからか、編集部の方から「横山さんにオファーするとき、緊張しませんでしたか?」と聞かれたのですが、それに関してはまったく(笑)。普段からいろいろ教えていただいている僕としては、「たぶん出てくれるだろう」という思いがあったし、実際「おぅ、いいよ」と二つ返事で引き受けてくださいましたからね。

 しかも、対談終わりには「今日は楽しかった」とまで言ってくださって。僕としては、ゲストに楽しんでもらえるのが一番ですし、それが読者のみなさんにも伝わってくれたとしたら、これ以上のホスト冥利はありません。

 昨年11月の和田さんの回も、「面白かったよ」という声をたくさんいただいた回のひとつです。ゲート裏で輪乗りをしているときに、四位さんから「佑介、今回の対談面白いな」と言っていただき、「ありがとうございます。僕自身、面白かったです」なんて話をしていたら、そのすぐあと、将雅も「俺も面白いと思った」と。

 あの回は、『日本一元気な42歳、和田竜二を大解剖!』が大きなテーマで、流れのなかで騎乗技術についての深い話になったのですが、普段和田さんはあまり多くを語らない方なので、同業者にとっても興味深い内容だったのかなと思います。

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▲2019年11月に登場した和田竜二騎手 (C)netkeiba.com


(和田竜二騎手との対談はこちらから)

 僕が個人的に面白かったのは、昨年4月の(三浦)皇成の回ですね。なぜかというと、皇成とはそれまで、ああいうスタンスで話をしたことがなかったから。普段から割と深い話をさせてもらっているゲストが多いなか、皇成とはそういう機会がなかったんですよね。だから、あの対談で初めてじっくり話をして。

 皇成自身、「取材でこんなに馬のことや競馬のことを話したのは初めてです」と言っていたように、デビュー当時の苦悩や葛藤、「このままではいけない」という思い、そこから抜け出すために自分に課した課題まで、ものすごくストレートに心の内を見せてくれた対談だったように思います。

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▲2019年4月に登場した三浦皇成騎手 (C)netkeiba.com


(三浦皇成騎手との対談はこちらから)

 ジョッキー同士、トレセンや競馬場で毎週のように顔を合わせ、プライベートでご飯を食べに行ったりもしますが、改まって競馬や馬の話をすることって意外と少ないんです。だから、『with 佑』は僕にとってもすごく貴重な機会になっていて、対談で話を聞くと、それまで以上にその人に対して興味が湧くし、騎乗を見るときの視点も変わり、それがまた自分の引き出しを増やすことにつながっていく。毎回、ゲストから受ける刺激は本当に貴重で、ストレートに僕のモチベーションになっています。

 僕にとって、この場がめちゃくちゃプラスになっているのは確かなのですが、いつも気になっているのは、関係者が面白いと思う視点とファンの方が面白いと思う視点は、また違うのかなということ。ゲストや競馬の魅力が伝わってこその対談だと思っているので、この機会に「もっとこういう話を聞きたい」などご要望があれば、ファンの生の声というのも聞いてみたいなと思っています。

(文中敬称略、次回へつづく)
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with 佑とは
JRAジョッキーの藤岡佑介がホスト役となり、騎手仲間や調教師、厩舎スタッフなど、ホースマンの本音に斬り込む対談企画。関係者からの人望も厚い藤岡佑介が、毎月ゲストの素顔や新たな一面をグイグイ引き出し、“ここでしか読めない”深い競馬トークを繰り広げます。

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1986年3月17日、滋賀県生まれ。父・健一はJRAの調教師、弟・康太もJRAジョッキーという競馬一家。2004年にデビュー。同期は川田将雅、吉田隼人、津村明秀ら。同年に35勝を挙げJRA賞最多勝利新人騎手を獲得。2005年、アズマサンダースで京都牝馬Sを勝利し重賞初制覇。2013年の長期フランス遠征で、海外初勝利をマーク。2018年には、ケイアイノーテックでNHKマイルCに勝利。GI初制覇を飾った。

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