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【フィリーズレビュー】今年も混戦模様で波乱含み!

  • 2020年03月08日(日) 18時00分

■フィリーズレビュー(G2・阪神芝1400m内)フルゲート18頭


★3行でわかる! フィリーズレビュー 攻略の糸口

1.波乱傾向が強い条件。7〜9番人気など穴狙いが有効!
2.レースもコースも内枠が好成績。馬番1〜6番はプラス。
3.差し優勢。前走最速上がり馬は必ず押さえる必要あり。

データ特注推奨馬
 ★ヒメノカリス

 桜花賞トライアルでありながら、桜花賞に「繋がらない」レースとしてよく知られるフィリーズレビュー。ここで3着以内に好走した馬が桜花賞に駒を進めた場合の成績は、トータル[1-0-2-25]で、過去10年で勝ったのは2017年のレーヌミノルただ1頭である。それほど、勝ち負けに要求される資質が桜花賞とは異なっているのだ。

 しかし、ファンはなんだかんだで「牝馬クラシック路線の一戦」として、このレースの馬券を買う。そういった背景もあってか、かなり波乱傾向の強いレースと化している。これは阪急杯のときにも解説したが、阪神芝1400m内というコースも、波乱傾向の強さはかなりのもの。つまり、コースとレースの両面から「荒れやすい」といえる。

 必ず覚えておきたいのが、「内枠有利」と「速い上がりが武器になる」という傾向だ。コースデータ、レースデータの両方から内枠有利と結論づけられる一戦で、フルゲートになった場合には、馬番1〜6番に入った馬を重視すべき。平均人気を大幅に上回る結果を残しているだけに、今年も大いに期待できるはずだ。

 そして、前走での上がりが最速だった馬も要注目。とくに素晴らしいのが「前走芝1600m戦で最速上がり」という条件を満たす馬で、破格といえるほどに高信頼度&高回収率。この条件をクリアするヒメノカリスを、特注データ推奨馬としたい。1勝馬で、出走が叶うかどうかは抽選次第となりそうだが、それでも期待大である。

【コース総論】阪神芝1400m内 Aコース使用

・コースの要所!



★波乱傾向の強いコース。7〜9番人気など穴馬から入る馬券での勝負を推奨。
★多頭数の外枠はハッキリと不利。勝率が飛び抜けて高い内枠を重視したい。
★単勝適正回収値がもっとも高いのは中団待機組。差し優勢の傾向にあるか。





 先々週の阪急杯でも取りあげている、阪神芝1400m内。繰り返しになるので今回はさらっと流させていただくが、けっこう波乱傾向が強いコースで、スプリント寄りの資質が問われる流れになりやすいのが大きな特徴だ。簡潔にいえば、人気のマイラーを嫌って、人気薄のスプリンターを狙うのがセオリーのコースである。

 人気別成績で目立っているのは、7〜9番人気の活躍。10〜12番人気も単勝適正回収値は大台である100を突破しており、このあたりを1着で狙ってみるのも面白そう。コンスタントに穴馬が激走しているだけに、ひねって買うのを推奨したい。枠番は「内枠有利&外枠不利」の傾向で、外枠である馬番13〜18番は信頼度、回収値、ギャップ値のいずれも低調。基本的には、内枠重視の姿勢が望ましい。

 脚質については、差し優勢の傾向が強い。内回りで仕掛けどころが早くなることや、最後の直線に待ち構える急坂の影響もあり、先行策から押し切るのが意外に難しい。上がり3F順位の上位馬が好内容を残しているのも、差し優勢の証明といえるだろう。つい先日に行われた阪急杯でも、4コーナー10番手通過のベストアクターが快勝している。

【レース総論】フィリーズレビュー(G2) 過去10年

・レースの要所!

★1番人気よりも2〜3番人気がオイシイ。人気薄では7〜9番人気が要チェック。
★外枠も強いがもっとも内容が優秀なのは内枠。脚質はハッキリと差し優勢。
★前走が最速上がりだった馬が絶好調。芝1600mからの距離短縮組も要注目。
★1〜2月の早生まれ馬がイマイチ。鞍上の乗り替わりを割り引く必要はナシ。









 レースの平均配当は、単勝1167円、馬連1万1513円、3連複3万8759円とかなり高めの水準。昨年も、12番人気のノーワンと3番人気のプールヴィルが1着同着という結果で、馬連万馬券となった。いわゆる「順当決着」のケースはほとんどなく、毎年のように人気薄が激走している一戦。同じ桜花賞のステップレースでも、先週のチューリップ賞とは傾向が明らかに異なっている。

 人気サイドでは、1番人気よりも2〜3番人気のほうが好内容。4〜6番人気は、3着に来ている回数こそ多いが連対例は少なく、ヒモで押さえる程度の評価が妥当といえる。注目したいのが7〜9番人気で、トータル[3-2-1-24]で勝率10.0%、単勝適正回収値202.3という優秀な内容。ふたケタ人気馬も侮れないが、7〜9番人気を重点的に狙ったほうが、的中率と回収率のバランスはよくなるはずだ。

 枠番データでは、内枠である馬番1〜4番の強さが目立っている。信頼度の高さもあるが、それ以上に優秀であるのがギャップ値。平均人気を大幅に上回る平均着順で、単勝適正回収値も178.7という高さ。ちなみに、少し範囲を広げて「馬番1〜6番」で集計した場合においても、トータル[7-2-3-48]と変わらず優秀な結果となる。内枠に入った馬は、かなり有利といえるだろう。

 脚質は差し・追い込み優勢。スプリント寄りの資質が問われるコースであるためか、未完成の3歳牝馬だと「最後に止まる」傾向が強いようだ。4コーナー10番手以下からでも勝ち負けになっており、上がり最速馬も過半数が馬券絡み。逃げ切った馬が過去10年で1頭も出ていない(2002年サクセスビューティが最後)など、コースデータ以上の差し優勢の一戦となっている。

 注目したいのが、前走での上がりが「最速」だった馬。過去10年の勝ち馬のうち5頭がこれに該当しており、[5-2-0-18]で単勝適正回収値218.7、複勝回収値102と、非常に優秀な結果を残している。とくに素晴らしいのが「前走芝1600m戦で最速上がり」という条件を満たしていた馬で、その勝率はなんと60.0%! 現在までに出走の意向を把握している馬で、この条件を満たすのはヒメノカリス1頭だけだ。

 前走距離別成績では、前走芝1600m戦組が優秀な成績。それに次ぐのが前走芝1400m組で、評価を割り引く必要はない。ただし、前走で芝1200m戦やダート戦に出走していた組は大幅割引で、これを理由に「消し」で勝負していいほど。回収値の面から見ても、主軸に据えるべきは前走芝1600m組だ。

 ちょっと奇をてらったデータとして用意したのが「生月」別でのもの。この時期の重賞となると、完成度が高い早生まれのほうがよさそうなものだが、実際は3〜4月生まれの馬のほうが好成績なのだ。昨年も、2月生まれ&1番人気だったアウィルアウェイが7着に敗れている。「早生まれの人気馬」の評価は少し割り引いたほうが、いい配当の馬券にありつけそうな印象である。

 最後に騎手関連データだが、ここは鞍上が乗り替わる馬のほうが高信頼度&高回収率。鞍上のスイッチを気にする必要はなさそうだ。それどころか、騎手というファクター自体を気にする必要がなさそう。外国人ジョッキーの成績がいいのは、ほとんどの重賞で共通する傾向である。それ以外はとくに大きな偏りは見られないことから、ジョッキーを気にせずに買ってみるのもアリだろう。

【血統総論】


 血統面は、ディープインパクト、ロードカナロア、ハービンジャー、ブラックタイドの産駒をプラス評価の対象とした。先日の阪急杯を制したのはディープインパクト産駒のベストアクターで、2位入線(3着降着)はロードカナロア産駒のダイアトニックと、血統データにかなり忠実な結果だった。ハービンジャー産駒とブラックタイド産駒は、もし出走してくれば一発があって不思議ではないはずである。

★出走予定馬 総論×各論

 特別登録前の想定段階でも、フルゲート近い頭数が出走の意向を表明しているフィリーズレビュー。フェアリーSからの捲土重来を期するアヌラーダプラや、前走は阪神ジュベナイルFに出走して5着と結果を残したヤマカツマーメイド、1勝クラスの万両賞をレコードで制したカリオストロなど、今年もかなり難解なメンバー構成となりそうだ。

 トップ評価は、特注データ推奨馬であるヒメノカリス。出走できるかどうかは抽選次第だが、それが叶えばかなりの高確率で上位争いができるはずだ。兄にアルアインがいるという超良血で、父がディープインパクトであるのもプラス材料。小柄なだけに、速い時計が出る軽い馬場のほうが向くタイプ。生まれは4月1日と、アノマリー系データもクリアしている。2〜3番人気に推されるならば、なおさら面白い。

 二番手評価にマテンロウディーバ。前走はリステッド競走の紅梅Sに出走して見どころ十分の3着と、素質の高さを見せている。こちらも「前走最速上がりのディープインパクト産駒」だが、前走馬体重406キロとかなり小柄で、馬体の維持が好走の必要条件となりそう。とはいえ素質は十分で、出走が叶って7〜9番人気となった場合に狙ってみるのが面白そうな印象である。

 三番手評価にカリオストロ。1勝クラスを勝った前走が逃げ切りだったように、こちらは末脚のキレるタイプではない。しかし、今回と同コースの万両賞をレコードで逃げ切って、カイルアコナ以下を5馬身も突き放した内容は文句なし。今回の相手関係ならば、大威張りできる内容といえる。展開や組み合わせに恵まれれば、今度も上位争いができそう。ちなみに、こちらも「4月生まれ」だ。

 以下はヤマカツマーメイド、ケープコッド、アヌラーダプラという評価の序列だが、出走は抽選次第という馬が多いのでハッキリした評価順を出すのは現時点では難しい。また、内枠が有利なコース&レースだというのも、前述の通り。最終的な評価は、ここからかなり入れ替わると思われる。


■総論×各論・先々週の馬券回顧



狙った穴馬が来ねえ(#^ω^)ビキビキ

 人気薄での激走条件に合致していたのは、01ジョイフルと13ハッピーアワーの2頭。というわけで、そこから流す馬単折り返しで勝負したワケですが……後方から一気の脚で突き抜けたのは14ベストアクターでした(胃痛)。かなりゴチャついたので、外枠もいい方向に働いたんでしょうね。イカン、逆神モードから早く脱却せねば。

※コース&血統データは2015年以降、レースデータは2010年以降が集計対象です。
※ギャップ値(G値)は、当該条件における「平均人気-平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、優秀な内容となります。

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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