この組み合わせなら主役はもちろんあの馬
遠い時代のレース史をみると、第4回の1968年は8月に、翌69年は3月、70年は1月、さらに71年は7月に行われたという驚くべき記録がある。
近年も、2011年までは5月末、12年からの5年間は一転12月初旬、そして2017年から3月に移っている。そこでヤマカツエース(父キングカメハメハ)は、3カ月ちょっと(12月→3月)のあいだにこの重賞を2回も制することに成功。重賞4勝となったヤマカツエースは昨春から種牡馬となり、いま、初年度産駒がどんどん誕生している(交配数58頭)。
3月に移った近年は、大阪杯、安田記念、宝塚記念…など、前半戦のビッグレースを展望するエース級の前哨戦となった。GI級が中心になる。昨年2着のリスグラシューはのちに「宝塚記念、コックスプレート、有馬記念」を制して年度代表馬になった。
皐月賞馬の4歳サートゥルナーリアは、昨年末の有馬記念を2着。リスグラシューに5馬身もちぎられてはいるが、この組み合わせならもちろん主役。左回りうんぬんは、あのひどい精神状態だった日本ダービーでも4着(2分23秒1)しているくらいだから、まったく問題ない。死角があれば、完敗はあっても完勝の記録は少なく、馬場の回復が遅れ接戦になったときに他馬より重い58キロが有利ではないこと。また、上のエピファネイアは【6-2-1-5】。リオンディーズは【2-1-0-2】。グローブシアターは【5-0-3-9】など、連戦連勝タイプではないことくらいだろう。
金鯱賞はこれからの上昇度に注目のレースでもあり、目下5連勝中の同じ4歳ロードマイウェイ(父ジャスタウェイ)、地力強化の4歳ラストドラフト(父ノヴェリスト)にも大きく期待したい。
ロードマイウェイは、ジャングルポケットの牝馬に、ジャスタウェイの組み合わせ。3代母シンコウラブリイ。一見バリバリの主流血脈のように見せて、必ずしもそうではないところがいい。もし6連勝なら、一躍、春の主役候補となる。パワフルではないものの、4走前の内容から馬場の回復が遅れても心配ない。
ラストドラフトの父ノヴェリスト(その父Monsunモンズーン)の血統背景はドイツ血脈がベース。初年度産駒のWolfeウォルフ(母は阪神JFのピースオブワールド)は、古馬になってオーストラリアの重賞を勝っている。
現在では異色に近い、伝統のBlandfordブランドフォード系のノヴェリストは、3歳時はイタリアのG1を勝った程度だった。ところが、4歳時はキングジョージVI世&クイーンエリザベスSを大レコード2分24秒60の独走。次のバーデン大賞2400mは2分33秒90で勝つなど、9秒も時計の異なるG1を別馬のように変身して制し4戦4勝だった。
4歳になったラストドラフトも前回あたりから確実に変わっている。外に振られる大きな不利があったが、ゴール前は勝ったブラストワンピースと遜色ない力強さだった。人気とのバランスを考えると、ラストドラフトから入る手がある。