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【スプリングS】使われて上積みの大きいココロノトウダイに注目/古澤秀和

  • 2020年03月20日(金) 18時00分

使われた上積みも大きく、距離もちょうど良さそうなココロノトウダイ(c)netkeiba.com、撮影:下野雄規


 こんにちは、古澤秀和です。

 今週は皐月賞トライアルのスプリングSが行われますが、このレースについて主に馬場や馬体面から見解を述べたいと思います。

 まず、今の中山の馬場傾向ですが、先週日曜の競馬を見ると基本的に差しが決まるのですが、内が悪くないのに全体的に外を回して届かずといった競馬も見られました。ただ、基本的には差し馬場と考えても良いでしょう。馬場質については走破時計や上がり時計が掛かり気味で重い印象です。今週も木曜から金曜にかけて雨予報が出ていますし、日曜も軽く雨予報が出ています。同じような馬場を想定したいと思います。ただ、先週はそのような馬場でもディープインパクト産駒の好走があったように、軽さで勝負するタイプではなく、地脚の強さがあるタイプは拾うべきだと思います。基本的にはスタミナやパワーに寄せれば良いでしょう。

 それではこのレースに出走を予定している有力馬についてそれぞれ見ていきましょう。

ヴェルトライゼンテ
 父のドリームジャーニーを大きくして力強くしたような馬体です。父はスタミナ寄りでしたが、この馬は若干それよりもパワーに寄っています。筋肉量がしっかりとありますし、その質も強い印象。前走時よりもパワーアップしています。皮膚を薄く見せますが、仕上がりは若干重い印象。ただ、張りの良い馬体から動ける態勢ではありそうです。馬場はピッタリ合いそうですし、上位争いには持ち込めそうです。

ココロノトウダイ
 前走時は締まりがなく、ぼやけたような立ち写真でしたが、今回は引き締まってまとまりも良くなってきました。急上昇と考えて良いでしょう。胸前が逞しく、トモの張りも十分。四肢も柔らかくてスタミナを要求される馬場にも対応できるでしょう。距離もちょうど良いくらいで、ここはチャンス十分でしょう。

サクセッション
 500キロオーバーの逞しい馬体。骨格がしっかりしていて筋肉量も豊富。ダートでもと思わせるくらい、いかにもパワーを感じさせます。ただ、手先の柔軟性が高いので、芝で実績を出しているのはその辺りが要因でしょう。前走時はトモが勝ったバランスに映りましたが、今回は前後躯のバランスが良くなった印象。マイルを使ってきていますが、これなら2000mくらいまでは十分持ちそうです。前走時はハイペースを早めに仕掛けて押し切る強い内容。体力勝負に持ち込めばここも上位争いは必至です。

ファルコニア
 440キロ台の小柄な馬ですが、後肢が長いので馬体写真を見ると大きく見せます。手先が非常に柔軟で、まだ芯が入っていない感じはありますが、トモの実の入りは良くなっています。前走は昇級戦でタフな流れを上がり36.3秒で差し切り。まだふらつくところがあるので直線の急坂がどう出るかわかりませんが、この頭数でタイトな流れにはならなさそうですし、この馬の持ち味は更に生きそうです。

【総括】
 現時点では仕上がりが良く、好位で運べて馬場も合いそうなココロノトウダイを中心に考えています。結論はウマい馬券で。

■プロフィール
古澤秀和(ふるさわひでかず)
2002年に雑誌「競馬王」でデビューしたのを機に、プロ予想家としての活動を開始。中央競馬で全レースのパドック・返し馬を徹底観察。そこから競走馬の能力、適性などに加え脚質も見抜き、馬券を組み立てる。パドック派にありがちな本命予想ではなく、複勝で10倍を超えるような穴馬を見つけるのが得意。必ず開催競馬場に足を運び、生の馬を徹底観察。繋(つなぎ)や蹄、体型、骨量、筋肉の量・質、関節の柔軟性や、脚元、馬具などのデータを採取。それを基盤としながら、血統やレースリプレイ、過去データ分析などのファクターを絡めて予想している。主に各馬の「適性」を見極めることに注力し、「適性外の条件で惨敗」→「適性条件で巻き返し」というパターンに重点を置いた予想を展開。これにより、複勝10倍を超えるような穴馬も高頻度でピックアップしている。

高回収率をたたき出す馬券のプロたちは、どのような視点で重賞レースにアプローチをしているのか。ときに冷静に、ときに大胆に直球勝負で攻める予想家たちの熱き見解は必見。 関連サイト:ウマい馬券

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