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【阪神大賞典】遂に素質が開花する欧州血統

  • 2020年03月20日(金) 19時00分
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『クラシックで成功するハーツクライ産駒』とは真逆


 阪神大賞典はハーツクライ産駒が過去8年で延べ12頭出走。うち6年で連対馬を出しています。

 さらに興味深いのがハーツクライ産駒の母父「国別血統タイプ」の成績(国別血統タイプはスマート出馬表を参照)

「母父欧州型」は出走した6頭がすべて連対。逆に「母父米国型」は出走した6頭はすべて馬券圏外。この血統傾向は「クラシックで成功するハーツクライ産駒」とは真逆。

 当コラムでも何度も書いていますが、ハーツクライ産駒、そしてディープインパクト産駒もクラシックで成功するには「母父米国型」や「ダンチヒ」の血を持つことが重要。逆に母方の血統は「欧州」色が強いと、クラシックには間に合わないケースがほとんど。

 昨年のダービーもディープ産駒で母系に欧州の名血サドラーズウェルズを持つ馬を消したら1、2着の2頭しか残りませんでした(とレース前に書いて本線で的中しました)。

 ハーツクライ、ディープインパクト自体は、いわゆる「緩さ」が長所であり、短所でもある馬。後ろからの競馬をするタイプで体力の完成が遅いタイプ。

 似たような種馬同士で競馬をする今の時代の場合、3歳早い時期から道中のスピードに乗る持続力に長けた米国血統やダンチヒの血を「補う」配合がうまくいくのはこのためです。

 逆に欧州血統を持つ血統は、ダービーの時期までには道中のスピード勝負に乗れる体力の成長が追いつかない馬がほとんど。だからクラシックでは不利。

 ただし、阪神大賞典はダービーや皐月賞とは逆に、道中のスピードも必要なければ、体力の完成の早さも当然不要。末脚とスタミナが要求されやすいために「クラシックでは開花しづらい血統タイプ」が毎年のように才能を開花させるわけです。

 競馬は農業。春に桜が開花するのと同じように、欧州血統が毎年のように阪神大賞典で開花するのです。

 タイセイトレイルは父がハーツクライ。母父シンボリクリスエスは「欧州型」。さらに母母父も「欧州型」のカーリアン。ハーツクライと欧州型の配合馬のセオリー通り、道中のスピードにはまったくついていけない馬。その代りに、末脚とスタミナの要求度が高まるレースになるほど才能を開花する馬。阪神大賞典に適した血統の馬。

 トーセンカンビーナは父がディープインパクト。母父は欧州型のホークウィング。同種牡馬は日本よりも馬力とスタミナが要求される英国の中長距離実績馬。英国のG1エクリプスS優勝実績、英ダービーでも2着。母の母父パントレセレブルも凱旋門賞勝ち馬。母系は欧州血統が強い血統ともいえます。

 トーセンカンビーナは古馬混合戦の「末脚」と「スタミナ」が要求されることで才能を開花する血統。機は熟したのではないでしょうか。

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血統馬券予想理論『血統ビーム』の提唱者で、『ブラッドバイアス』『大系統』『小系統』などの血統予想用語、概念の作者。血統ビームの革新性は20世紀末の競馬予想界に衝撃を与え、現在は競馬ファン、競馬評論家に多大な影響を与え続けている。また『競馬予想TV!』『競馬血統研究所』(ともにCS放送フジテレビONE)に出演するなど活躍中。Twitterはコチラ。
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