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【高松宮記念】枠番が例年以上に重要となりそう!

  • 2020年03月22日(日) 18時00分

■高松宮記念(G1・中京芝1200m)フルゲート18頭


★3行でわかる! 高松宮記念 攻略の糸口

1.内枠有利&外枠不利で、先行勢が圧倒的に強い条件!
2.前走上がり3F順位が4位以下の人気馬は絶対に買い!
3.前走プラス体重かつ480キロ以上だった馬が高信頼度!

データ特注推奨馬
 ★該当なし


 昨年は3連単449万馬券という大波乱となった高松宮記念。それだけに今年も──と期待してしまうが、基本的にはそこまで荒れる傾向の強いレースではない。上位人気馬の信頼度は非常に高く、今年も「あってヒモ荒れ程度」と考えるべきだろう。人気薄は1着ではなく、2〜3着で狙うのがオススメだ。

 レースの特徴はいくつもあるが、ハッキリと「内枠有利&外枠不利」であることや、かなり「先行勢優勢」であるのは、必ず念頭に置きたいところ。また、今年は前走で速い上がりをマークしている馬が多いが、高松宮記念での「前走上がり3位以内馬」は大不振。それとは対照的に、前走上がりが4位以下の人気馬は鉄板級の信頼度を誇っている。

 特注として掲載しているのは、前走馬体重とその増減によるデータ。ご覧の通り、前走がプラス体重だった馬とそれ以外では、極端なまでの成績差が出ている。ちなみに、大波乱だった昨年も「前走プラス体重」だった馬によるワン・ツー・スリー。あとは、前走馬体重が480キロ以上であるのも、このレースの好走条件といえる。

【コース総論】中京芝1200m Bコース使用

・コースの要所!

★ハッキリと人気サイドが強いコースで、7番人気以下馬の勝率は非常に低い。
★内枠有利&外枠不利と断定できる内容。ここまで内有利のコースも珍しい。
★スプリント戦らしく完全に先行勢が優勢。逃げ切りの多さもかなり目立つ。





 バックストレッチのやや2コーナー寄り地点からスタートする、中京芝1200m。スタート直後は緩やかな上り坂だが、それを過ぎると4コーナーまで下り坂が続き、そして最後の直線では急坂が待ち構えるという、けっこう起伏の激しいコースである。総合的な力が問われる、なかなかタフなコースといえるだろう。

 まずは人気別成績だが、強いのは間違いなく人気サイド。1着馬のうち6番人気以内馬が占める割合は、なんと87.1%にものぼる。7番人気以下馬のトータル勝率はわずか1.1%で、ここを1着で狙う馬券はハイリスク。人気薄を狙うならば、1着ではなく2〜3着のヒモとして扱うのが適当だ。当然ながら、極端な穴狙いも避けたほうがいい。

 次に馬番だが、こちらはハッキリと「内枠有利&外枠不利」である。内枠である馬番1〜6番は、信頼度の面でも回収値の面でもアタマひとつ抜けており、ギャップ値もプラス0.7と超優秀。コースデータでギャップ値にこれほどの大差が出るケースは、かなり珍しい。つまりそれだけ、極端なほどに内枠有利ということだ。多頭数の外枠はかなり不利で、評価も大きく割り引く必要がある。

 最後に脚質面。スプリント戦らしく、4コーナーを6番手以内で回った先行勢が他を圧倒している。目立っているのが逃げた馬の高い勝率で、単勝適正回収値も277.3という高さ。最後の直線が長く、さらに急坂もあるので差せそうなイメージだが、実際はかなり先行勢が優勢なのだ。ここをしっかり意識して、馬券を組み立てたい。

【レース総論】高松宮記念(G1) 過去10年(中京9回)

・レースの要所!

★基本的には順当決着傾向が強いレース。2〜3番人気が猛烈に強いのが特徴。
★コースデータ同様に、内枠有利&外枠不利&先行勢優勢。差せないレース。
★前走での上がり3F順位が「4位以下」の馬を重視。人気馬の信頼度は鉄板級。
★7歳以上の高齢馬は割引。鞍上の乗り替わりはプラスに捉えたほうがいいか。








 レースの平均配当は、単勝544円、馬連6361円、3連複10万3361円。単勝平均の低さに対して馬連平均や3連複平均が高いが、これは超ド級の大波乱となった、昨年の影響が大きい。ヒモが荒れるケースはあっても、アタマは堅いのが高松宮記念で、基本的には順当決着傾向が強い一戦。高配当が出るとしても、ヒモ荒れのケースが多い。

 1番人気も悪くない結果を残しているが、それ以上に素晴らしいのが2〜3番人気。こちらはトータル[4-5-3-6]で連対率50.0%、複勝率66.7%、単勝適正回収値121.7、複勝回収値135と、1番人気を圧倒している。そして4番人気以下だが、こちらはとくに強いゾーンは見当たらず、絞りきれない印象。ヒモにならば、かなり思いきった穴馬でも狙える。

 枠番と脚質については、コースデータと同様の傾向。つまり「内枠有利&外枠不利」で、「先行勢優勢」ということだ。先行勢の強さはコースデータ以上といえるもので、4コーナーを6番手以内で回った馬がトータル[8-5-5-42]と、馬券に絡んだ馬の66.7%を占めている。上がり上位馬の成績も不振で、もう「差せない」という前提で考えたほうがいい。

 差せないレースである裏付けとなるのが、前走での上がり3F順位別成績だ。これが「3位以内」だった馬の連対例は、過去10年でたったの4回。しかも、そのほとんどが3番人気以内馬で、4番人気以下馬は[0-1-0-32]と絶不調。対照的に「4位以下」だった馬は非常に強く、3番人気以内馬に限ればトータル[6-3-1-2]と、鉄板級の信頼度を誇っている。人気薄での激走が期待できるのも、こちらである。

 年齢別で強いのは5〜6歳馬で、7歳以上の高齢馬は大幅割引。7歳馬が2勝をあげてはいるが、これは2015年に香港からの遠征でこのレースを制したエアロヴェロシティと、南半球産馬である2010年の覇者キンシャサノキセキによるものだ。つまり「例外」であり、これを除くと全滅となると、やはり手を出しづらい。6歳以下馬、とくに5〜6歳馬を重視する姿勢が正解だろう。

 最後に騎手関連データ。単純な比較だと「継続騎乗>乗り替わり」なのだが、それぞれを人気別で集計すると、まったく別の姿が浮かび上がる。継続騎乗組で好走しているのは6番人気以内馬ばかりで、7番人気以下馬は[0-1-0-52]と全滅に近い惨状。ところが、鞍上が乗り替わった馬は人気サイドでは継続騎乗組より高信頼度で、人気薄でも期待が持てる内容となっている。鞍上の乗り替わりを割り引く必要は、まったくない。

【血統総論】


 血統面では、ディープインパクト、ロードカナロア、キングヘイローの産駒をプラス評価の対象とした。スプリント戦を得意とはしていないディープインパクト産駒だが、中京芝1200mでの信頼度はかなり高く、コース適性は十分あるはず。そのディープインパクト産駒を上回る適性を見せているのがロードカナロア産駒で、その信頼度の高さは驚異的。爆発力のあるキングヘイロー産駒には、人気薄での激走を期待したい。

★特別登録馬 総論×各論

 今年も春のG1シリーズがスタート!その開幕戦となる高松宮記念は、かなり面白いメンバーが揃った。タワーオブロンドン、ダノンスマッシュ、グランアレグリアといった短距離の実績馬はもちろん、ダートG1を制したモズアスコットや、香港マイル以来となるノームコアの参戦などで、大いに盛り上がりそう。G1シリーズのオープニングアクトにふさわしい、素晴らしいレースが期待できるだろう。

 それだけに、評価はメチャクチャ難しい。あらゆる側面から「買い」といえる馬は1頭も見当たらず、上位人気馬もデータ的には一長一短なのだ。非常に前が強いレース&コースでありながら、末脚のキレるタイプが多いというのも悩まされる理由のひとつ。組み合わせ的にも、意外なほど前有利の展開となる可能性がある。あとは、枠番の内外による有利・不利が大きいというのも、現時点での判断を難しくしている。

 ……と、ひとしきり泣き言を並べてから各論に入ろう。トップ評価は、昨年のスプリンターズSを勝っているタワーオブロンドンだ。前走のオーシャンSは3着に終わったが、稽古での動きはいかにも叩き台といった雰囲気で、それだけに上積みはかなり大きいはず。あとは、枠番と道中のポジション次第だろう。ヒューイットソン騎手が、この馬でどう乗るかにも注目したい。

 二番手評価にステルヴィオ。こちらも脚質や出遅れ癖がネックなのだが、長期休養明けを叩かれて、かなりの上積みがありそう。スタートを決めて中団からの競馬ができれば、この距離でも決して侮れない。ちなみに、脚質というファクターをのぞけば、もっとも多くのプラス評価を集めたのがこの馬である。

 三番手評価にナックビーナス。7歳と高齢であるのが大幅割引だが、能力的な衰えが見られないのは、前走のオーシャンSでも証明済み。ハナを主張してきそうなモズスーパーフレアとの兼ね合い次第だが、プラス評価となったファクターはこちらのほうが多く、速力についても見劣らない。展開次第で上位争いができるはずだ。

 以下はダノンスマッシュ、セイウンコウセイ、アウィルアウェイ、モズアスコット、モズスーパーフレアという評価の序列ではあるが、枠番次第でこのあたりはガラッと入れ替わる。かなりの混戦模様であるのは間違いなく、それだけに枠番というファクターが大きな影響を与えるはず。締切直前までウンウン悩んで、レースを存分に楽しみたい。


■総論×各論・先々週の馬券回顧



前走芝1600m組なのに(#^ω^)ビキビキ

 荒れるレース条件であるのを考えると、我ながら手堅くいきすぎた感アリ(反省)。こういうレースで、思いきった攻め方ができないようではイカンですな。それにしても、勝った05エーポスが見せた末脚は素晴らしかった。今後も要チェックの1頭デスヨ。そして……今年も早くもジリ貧ムードが漂い始めているのを何とかせねば。

※コース&血統データは2015年以降、レースデータは2010年以降が集計対象です。
※ギャップ値(G値)は、当該条件における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、優秀な内容となります。

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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