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【日経賞】父のように遅咲きと思えるあの馬の開花に期待

  • 2020年03月27日(金) 18時03分

初コンビの岩田康誠騎手とも合いそう


 土曜日の中山は雨の影響は避けられない。渋馬場の巧拙予測も重要だが、別定戦の2500mだけに底力とパワーが求められるレースになる。

 昨年のこの日経賞を2着した時点で【1-7-0-2】。日本ダービー4着(0秒2差)、菊花賞2着(フィエールマンと鼻差)などの成績から、1勝馬ながらGI級の能力を秘めるトップホースの評価を受けていたエタリオウ(父ステイゴールド)が、この1年間は5戦して【0-0-0-5】。4歳後半から大スランプに陥ってしまった。

 気迫が戻るように調教、調整方法を変え、実戦でも先行策を試すなどしているが、なかなか「勝った!」と思わせた菊花賞当時の勢いが戻らない。

 ただ、勝ったスワーヴリチャードと1秒0の7着(先週の阪神大賞典を制した5着ユーキャンスマイルとは0秒3差)だった重馬場の昨秋のジャパンCあたりから、調教の気配、動きは明らかに良くなっている。

 有馬記念は完敗の10着とはいえ、最後の坂までは好位でがんばり、5馬身も抜け出したリスグラシューを別にすれば、他の有力馬とはそれほど大きな差はなかった。

 スランプは抜け出しかかっている。この中間は3月4日、12日、19日と3週連続して長めからビシッと追って自己最高に近い好時計(昨年の日経賞2着当時より速い)を3回も記録している。直前は気力充実を図るように控えめにし、覇気が戻っている。

 岩田康誠騎手とは初コンビだが、途中であまり動かず後方に控え、ジッと機をうかがう騎乗が現在のエタリオウに合う可能性がある。

 5歳春の日経賞(1999年)で3着した父ステイゴールドは、その時まで【3-9-3-9】。3勝はすべて下級条件戦であり、エタリオウと同じように重賞はずっと未勝利。3歳秋から28連敗を喫したステイゴールドの重賞初制覇は、6歳(馬齢表記変更により当時は7歳)春の目黒記念になってだった。父と同じように遅咲きと思えるエタリオウの開花に期待したい。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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