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【大阪杯】最後の決め手は今年も「奇数」かも!?

  • 2020年03月31日(火) 18時00分

■大阪杯(GI・阪神芝2000m内)フルゲート16頭/登録14頭


★3行でわかる! 大阪杯 攻略の糸口

1.人気馬が強いコース&レース。あってヒモ荒れ程度か。
2.脚質は不問だが、最速上がりを出せそうな馬は特注!
3.前走勝ち馬の過信は禁物奇数馬番の強さも目立つ!

データ特注推奨馬
 ★該当なし


 昨年は9番人気のアルアインが制した大阪杯だが、GIIで開催されていた時代から、基本的には堅く決まる傾向が強いレース。「テイエムオペラオーが4着に沈んで大波乱」といった例もなくはないが、それでも俯瞰して見れば、かなり順当に決まっている部類の重賞である。ふたケタ人気馬が馬券に絡んだのは、1996年の3着馬アラタマワンダーが最後。おそらく今年も、あってヒモ荒れ程度だと思われる。

 特徴として強調しておきたいのは2点。まずは、速い上がりを使った馬が猛烈に強いという点から紹介しよう。最後の直線が短い内回りコースでの開催だが、最速上がり馬の信頼度の高さは相当なレベル。これは、コースとレースの両方に共通する傾向である。速い流れにでもなりそうな組み合わせならば、なおさら「買い」だろう。

 そしてもうひとつが「前走1着馬が弱い」という傾向だ。今年はダノンキングリー、ブラストワンピース、クロノジェネシス、カデナの4頭がこれに該当するが、前走1着馬のトータル勝率は、たったの4.8%。この組の過信は禁物といえる。この組よりも「前走が僅差負けだった馬の巻き返し」を狙ったほうが、ここは確実にオイシイ。

 さらに付け加えたいのが、ここでデータを掲示している馬番「偶数・奇数」データ。相関関係をいっさい説明できないアノマリー系データではあるのだが、それにしても面白い。大阪杯は圧倒的に「奇数馬番」が強いレースで、人気別で集計したデータでも、その優劣はハッキリ。最終的な判断に迷った時にでも活用していただきたい。

【コース総論】阪神芝2000m内 Bコース使用

・コースの要所!

★基本的には1番人気など人気サイドが強いコースだがヒモ荒れは十分狙える。
★内枠である馬番1〜4番が好内容。ただし外枠不利ではない点に注意が必要。
★先行勢が優勢も最速上がり馬の強さは驚異的。二本柱で攻めるのがいいか。





 正面スタンド前の「坂下」がスタート地点。そこから一気に急坂を駆け上がって、1コーナーへと進入する。加速がついていない状態で急坂を上るわけだが、それでも序盤はそれなりのペースで流れる。内回りで、コーナーを上手に回れる器用さも要求されるなど、かなりタフなコースといえるだろう。

 確かな能力がなければ勝ち負けできないコースだけに、ここでは人気サイドの強さが目立っている。1番人気馬は勝率35.1%という優秀な数値をマークしており、しっかり勝ちきっているのが好印象。2〜3番人気馬もなかなかの強さを見せており、回収値の高さも優秀といえる。人気馬を素直に信頼すべきコースだ。

 対照的にイマイチなのが4〜6番人気で、2〜3着にはくるがほとんど勝てていない。ここの評価を割り引いて、相手には7〜9番人気や10〜12番人気を狙ったほうが、オイシイ配当にありつけそうだ。さすがに13番人気以下になると期待薄だが、ヒモ荒れはコンスタントに発生しているコース。ここをうまく狙い打ちたい。

 次に馬番だが、内枠である馬番1〜4番が素晴らしい結果を残している。勝率は頭ひとつ抜けており、単勝適正回収値や複勝回収値の高さもトップ。高信頼度の背景には平均人気の高さがあるが、それを大幅に上回る平均着順なのだから、ケチはつけられない。「内枠だけが少し有利」という認識でオッケイだろう。

 脚質については、データ母数の少なさもあって大きな偏りが出ており、なかなか判断が難しい。逃げた馬の半数が馬券絡みを果たすなど、傾向としては「前」優勢。中団待機組との比較でも明らかに強いのだが、それ以上に目立つのが上がり最速馬の強さである。勝率は53.8%という猛烈な高さで、単勝適正回収値や複勝回収値の高さも驚異的。「好内容の先行勢」と「最速で上がれそうな馬」の二本柱で攻めるか、予想される展開によってどちらを重視するかを切り替えるなど、臨機応変に対応したい。

【レース総論】大阪杯(GI) GII開催時を含む過去10年

・レースの要所!

★人気馬が非常に強く順当に決まる傾向が強い一戦。ふたケタ人気馬は全滅。
★枠番は外よりも内のほうがベター。上がり上位馬の強さはここでも目立つ。
★信頼度が高いのは距離短縮組だが、人気薄での一発があるのは距離延長組。
★前走1着馬が非常に弱いのが特徴。前走「僅差負け」の馬に注目すべき一戦。









 2017年にGIへと格上げされ、今年で4年目となる大阪杯。雑なデータになるのは承知の上で、GII開催時も含めた過去10年のデータを集計した。レースの平均配当は、単勝818円、馬連5216円、3連複4245円とかなり低めの水準。これを見てもわかるように、大阪杯は順当決着傾向が非常に強いレースといえる。

 1番人気は[4-2-2-2]で連対率60.0%、複勝率80.0%と高信頼度。そのわりに3番人気以内馬の信頼度が低いのは、3番人気が[0-0-1-9]と足を引っ張っているからである。ゾーンで見ると、狙ってオイシイのは中穴である4〜6番人気。11回もの馬券絡みがあり、単勝適正回収値や複勝回収値の高さも目立っている。

 逆に、サッパリな結果に終わっているのが穴馬だ。7〜9番人気は[1-3-0-25]と4回の馬券絡みがあるが、10番人気以下馬はなんと全滅。昨年4着のマカヒキや一昨年4着のヤマカツエースなど、惜しいところまではくるのだが、あと一歩が足りない。今年もおそらく、ふたケタ人気馬は「消し」でいいだろう。

 判断が難しいのが馬番データだ。より正確な分析が行えるように「ひとケタ人気馬」に限定したデータも用意した結果、極端に大きな差はないが内枠のほうがベターという結論となった。内外で比較すると、連対率や複勝率ではけっこう大きな差が出ている。ただし、外枠を理由に評価を割り引く必要はないと思われる。

 次に脚質面だが、こちらは簡潔にいえば「不問」だ。脚質による成績差が非常に小さい印象で、展開や組み合わせ次第でどこからでも台頭可能。少なくとも、先行勢が優勢とはいえない結果であるのは間違いない。また、上がり上位馬が猛烈に強いのは、コースデータと同じ。速い上がりを繰り出せる馬は、必ず押さえておきたい。

 前走距離別成績では、2400m以上からの距離短縮組が強さを見せている。有馬記念やジャパンカップ、凱旋門賞など、前走で「芝2400m以上のGI」に出走していた組は、とくに成績優秀だ。ただし、単勝適正回収値がもっとも高いのは前走1800m戦組で、ソコソコ人気薄の馬を思いきって1着で狙う手もありそうではある。

 注目したいのが、前走着順&着差別でのデータである。大阪杯はなぜか「前走勝ち馬」が弱いレースで、前走からの連勝を決めたのは2018年のスワーヴリチャードだけ。トータル[1-2-4-14]で勝率4.8%と、意外にアテにならない。逆に買う価値が大アリなのが、前走が僅差負けだった馬。信頼度や回収値の高さはご覧の通りで、この組の巻き返しを狙うのはかなり面白いはずだ。

 最後に騎手関連データだが、こちらはとくに目立った部分なし。関東所属騎手の成績が悪いが、これは関東馬の低調な成績が大きく足を引っ張っている。外国人騎手の強さが「ボチボチ」程度で、連対率は関西所属騎手のほうが高いというのが、もっとも注目すべき点だろうか。今年に関しては、騎手というデータを軽視してもよさそうな雰囲気である。

【血統総論】


 血統面では、キングカメハメハ、ハービンジャー、ジャスタウェイの産駒をプラス評価の対象とした。ディープインパクト産駒がプラス対象となっていないのは、登録馬に占める割合が多い(14頭中6頭がディープインパクト産駒)という大人の事情と、飛び抜けて適性が高いコースではないという理由からだ。もっとも高く評価するのはジャスタウェイ産駒で、その適性の高さは「異常」といっても過言ではないレベル。ヴェロックスとロードマイウェイの巻き返しがあっても、血統データからは不思議ではない。

★特別登録馬 総論×各論

 特別登録馬は14頭だが、現時点で既にクレッシェンドラヴの回避が発表されており、最高でも13頭立てとなりそう。GI戴冠を目指すダノンキングリーに、牡馬を相手に京都記念を完勝してきたクロノジェネシス、AJCC快勝で今年の好スタートを決めたブラストワンピースなど、なかなか粒ぞろいのメンバーとなった。

 だが、現時点でのトップ評価はラッキーライラック。このレースでの前走1着馬のアテにならなさは繰り返し解説した通りで、「僅差負け」の馬を重視するとなると、この馬に白羽の矢が立てられそう。前々で競馬をすることが多い馬だが、タメればとんでもないキレ味を発揮できるのは、昨年のエリザベス女王杯で証明している。内の奇数馬番でも引いてくれれば、なおさら期待できそうである。

 二番手評価にクロノジェネシス。馬場がかなり悪かった京都記念だが、それを苦にせず好位から最速上がりで後続を突き放したのだから、強いのひと言。馬体も、4歳を迎えてさらに成長した印象を受けた。こちらも末脚のキレは十分に備えており、地力に関しても見劣りはしないはず。ラッキーライラックともども、牝馬の強い時代を改めて感じさせてくれそうだ。

 三番手評価にワグネリアン。勝ち星からは遠ざかっているが、一線級を相手に好内容のレースを続けている。久々で出走するのは3着だった昨年と同じだが、中間の順調さは今年のほうが数段上。前走がジャパンカップで0秒3差3着と、「僅差負け」のパターンに合致するのも魅力的だ。相手関係から考えても、ここならば勝ち負けになって当然。ダービー馬の底力に期待したい。

 以下はダノンキングリー、ブラストワンピース、ヴェロックス、サトノソルタスという評価の序列。ただし、人気や枠番、馬場バイアスが現時点では読めないので、そのままの評価順とはいくまい。このレースと相性がいい「奇数馬番」をどの馬が引き当てるのかも、注目したいところ。チョイ荒れ程度の配当を、狙って獲りたい一戦である。


■総論×各論・先々週の馬券回顧




アカン流れが続いてるぜ(#^ω^)ビキビキ

「03ヴェルトライゼンデが2〜3着に取りこぼす」という読みはズバ当たりも、05ファルコニアを1着に固定しているようではドモナラズ(落胆)。07ガロアクリークがここで巻き返してくるとは──と、驚きのあまりポカーンとしちゃいましたよ。ホントは、こういう馬をデータで推せるようにならないといけないんだよなあ……反省。

※コース&血統データは2015年以降、レースデータは2010年以降が集計対象です。
※ギャップ値(G値)は、当該条件における「平均人気-平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、優秀な内容となります。

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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