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新型コロナ、感染者が出たら即時中止? いま競馬界で起きていること

  • 2020年03月30日(月) 18時01分
教えてノモケン

▲JRAが無観客施行に踏み切った2月29日の中山競馬場 (撮影:下野雄規)


 新型コロナウイルスの感染拡大は、全世界に深刻な影響を及ぼしている。東京五輪・パラリンピックの1年延期が本決まりとなる状況で、競馬界も無傷ではいられない。

 中央、地方の競馬は2月27日から無観客での施行が続く一方、海外でも無観客の香港、豪州、北米の一部を除けば、各地で中止が相次ぐ。3月28日のドバイ国際競走は22日に中止が決定。北米競馬の象徴・ケンタッキーダービーは9月5日に延期という異例の事態となった。

 国内の無観客施行は、現時点で業績へのダメージが想定より小さい状況で収まっているが、今後の展開次第ではさらなる影響が出る可能性がある。国内外の競馬産業と周辺産業が受ける衝撃波も、相当な期間に渡りそうだ。

ドバイ国際競走 ドタキャンの波紋


 直近で衝撃的だったのがドバイ国際競走の中止である。何しろ、地方馬モジアナフレイバー(大井)を含め、7競走に日本馬20頭が参戦予定で、サウジCデー出走馬4頭は早々にドバイ入り。19日までに残る16頭も現地に入っていた。3月中旬の段階で開催を危ぶむ声が高まり、主催者側も無観客施行を打ち出すなど、火消しに躍起だった。

 17日にアラブ首長国連邦(UAE)当局は全ての国に対するビザの新規発給停止措置を断行したが、遠征馬の関係者は特別ビザを発給され、日本の関係者の多くは22日の開催の後、成田空港と関西国際空港から現地に入る予定だった。

 ところが、22日午後10時過ぎ(日本時間)に主催者が中止を発表して事態は急転。空港で待機していた関係者はやむなくUターン。UAEでは直前に同国内初の死者2人が出ていた。渡航寸前でUターンした人はマシな方で、既にドバイ入りしていた人馬は厳しい状況に置かれた。

 アーモンドアイ(ドバイターフ出走予定)の主戦、クリストフ・ルメール騎手は、不測の事態に備えて20〜22日の中央での騎乗を取りやめ、19日にドバイ入りしていた。20頭を直接、担当する厩務員や調教助手も事情は同じ。ルメール騎手は無事に帰国したが、古川吉洋騎手とともに14日間の自宅隔離となった。

 ドバイ国際空港は25日から全旅客便の発着を止めており、薄氷の帰国だったが、高松宮記念、大阪杯は騎乗できない。貨物便は停止の対象外で、各馬の担当者の一部は馬と帯同して帰国する形となる。調整の末に、3月29日にようやく帰国した。

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1964年1月19日、東京都出身。87年4月、毎日新聞に入社。長野支局を経て、91年から東京本社運動部に移り、競馬のほか一般スポーツ、プロ野球、サッカーなどを担当。96年から日本経済新聞東京本社運動部に移り、関東の競馬担当記者として現在に至る。ラジオNIKKEIの中央競馬実況中継(土曜日)解説。著書に「競馬よ」(日本経済新聞出版)。

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