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【青葉賞・天皇賞・春】安定感抜群のフットワークを見せた馬は? 有力馬の最終追い切りをチェック!

  • 2020年04月30日(木) 18時00分

雨が降った際に参考にしたい2011年の春天


 トレセンでの調教取材ができていないことで、トレセンニュースでお伝えしていた「今週の馬場」もお休みさせていただいています。よって、しばらくの間は当コラムの冒頭でざっくりとした時計の出方を解説することにします。

 先週の栗東坂路はかなり時計を要する状態でした。それに比べると、29日の坂路は少し時計が出るようになった印象を受けます。これは2F時計の比較で25秒以下をマークした頭数が先週よりも増えたことによります。ただ、通常よりも時計がかかる馬場状態であることは間違いないでしょうね。

 そして、今週は天皇賞・春。連覇を狙うフィエールマンが1番人気は納得ですが、問題は週末の天気予報。30日午前の時点で、5月3日の京都競馬場付近は降水確率50%程度の雨予報が出ています。良馬場なら、すでに他メディアで書いた調教適性で本命を決めようと思っていましたが、雨なら話は別。2011年の天皇賞・春を参考にすることになりそうですが、これについてはウマい馬券で記すことにします。

 最後にお知らせ。当コラムの最後に『今週の追い切り特報』がありましたが、これも現場で追い切りを見た感触で馬を取り上げていました。現状ではそれができないので、このコーナーはトレセンでの調教取材再開までお休みとさせていただきます。

【青葉賞/フライライクバード】

 未勝利、アザレア賞と連勝中。その最終追い切り場所は坂路・CWなので、今回の最終追いが坂路になった点に不安はありません。1週前追い切りはトラック馬場で併せ馬を行うというパターンは変わっていませんから、しっかり負荷もかけられています。

 むしろ最終追い切りの併せ馬では後半2Fでしっかり時計を出してきて24.9秒。そのラップは12.4秒から12.5秒ですから、少し時計を要する馬場状態でも最後まで大きな減速なしに駆け上がってきたことになります。初めての関東輸送、左回りなど気になるところはありますが、調教内容から不安はありません。

【天皇賞・春/ユーキャンスマイル】

 新潟記念を勝った時が1週前追い切りCWで全体時計も遅かったので、前回は1週前追いで時計こそ速いものの、場所がDPだったことで評価を下げてしまいました。しかも、CWでの最終追い切りの併せ馬はワグネリアンに遅れていて、やっぱり休み明けで動き一息という判断でした。

 今回は最終追い切りを坂路で行って、併せ馬に同入。ラヴィンフォールにやや手応え負けしている印象もありましたが、前回は遅れる内容だっただけに、もともと併せ馬では動かないタイプといってよいでしょう。1週前追い切りは場所こそCWでしたが、前走と同じように速い時計を出してきました。評価しないといけないのは分かっているんですが、どうも最終追いの動きの残像が高い評価をしにくくしています。

【天皇賞・春/キセキ】

 今回はゲート再審査を経ての出走。1週前追い切りにはCWで武豊騎手が騎乗しましたが、非常にいい感じで走れていたように思います。ただ、この馬に関しては、馬場入りや向正面でどんな走りをしているのか、特に3コーナーでどんな加速を見せるのかが一番見たいところですが、これに関しては仕方ないと思うしかありませんね。

 そういった意味で、最終追い切りの判断も難しいところなんですが、少しだけ気持ちが勝って走っているような気がします。これを本来の勝気な部分が戻ってきたと判断するのか、ゲート再審査などがあって、いつもとリズムが違っているのか。2戦続けてゲートが悪いだけに、ここが悩ましいところです。

【天皇賞・春/メイショウテンゲン】

 3歳秋は二桁着順を続けて、精彩を欠く時期もありましたが、ステイヤーズSから徐々に安定感が出てきました。当初はスキップすると思われた阪神大賞典でしたが、それでも最終追い切りCWでしっかりと時計を出して、レースでも結果を出しています。ただ、中山の弥生賞を勝っているように、直線急坂のあるコースが合うタイプなのかも知れません。

 最終追い切りは急遽乗り替わりが決まったことで、幸英明騎手が騎乗。CWでの併せ馬は完全に外が手応え有利のままゴールしています。全体時計が遅く、終い重点になったこと、内を通ったことでこの動きでしたが、内に位置すれば、こうなることはある程度想定していました。とはいっても、あの動きを見てしまうと、なかなか高い評価はしにくくなります。

【天皇賞・春/トーセンカンビーナ】

 青葉賞以来の重賞挑戦となった前走は2着。相変わらず、ゲートの出は今ひとつですが、レースでの走りには安定感が出てきました。藤岡康太騎手が追い切りにもレースにも騎乗するようになって、人馬の呼吸もぴったり。1週前追い切りのCWではエアウィンザーに手応え劣勢ではありましたが、動き自体はしっかりしていました。

 最終追い切りは久しぶりの坂路。坂路でも好走歴があるので、決して悪くありませんが、3歳上1勝クラスを勝った時以来ですから、近走とはパターンが違います。客観的にはここで評価を下げないといけませんが、動き自体は安定感抜群のフットワーク。併せた相手も圧倒されるような走りでしたから、パターンは違っても魅力を感じます。

◆次走要注意

・4/26 フローラS【ヒューマンコメディ】(13人9着)

 左回りは絶対に向いていると予想しましたが、なかなか外へ持ち出せない展開。多頭数ですから、これは想定しておかなければいけないところでしたが、最後はなかなかいい脚で追い上げているだけに、もうちょっと早目に出せていればといった感じ。

 個人的には次も左回りでこのくらいの距離なら馬券になると思っています。

[メモ登録用コメント] [左回り芝]最終追い切り南Wでラスト1F最速なら勝ち負け。

【予想】井内利彰の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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