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【京都新聞杯・新潟大賞典・NHKマイルC】状態面から調教を徹底分析!有力馬たちの追い切り評価は?

  • 2020年05月07日(木) 18時00分

今回も調教判断が難しい一頭とは…


 トレセンへの取材規制が始まり、調教を見ることができないようになってから、ほぼ1ヶ月が経とうとしています。調教時間中も調教データの整理など、やることはたくさんあって、正直、この時間があることで助かる部分もありますが、やっぱり「その時」にしか感じることができない追い切りの動きを見れないのは虚しさに近いものがあります。

 ただ、競馬に関わる人々がそれぞれの形で自粛、規制するからこそ、競馬開催は継続されているわけで、それこそが最大の目的といってよいのでしょうね。そんな自問自答をしながら、取材が再開できる日を心待ちにしていますが、やっぱりライブで見たかったアドマイヤビルゴの追い切り。まずはレースでの走りに注目しましょう。

【京都新聞杯/アドマイヤビルゴ】

 前走は2週前追い切りがCW、1週前追い切りがDPで併せ馬という内容。その動きが力強く、デビュー前の追い切りとは全く違う印象を受けていましたが、それがレースできっちり結果として出たと思います。それだけに、前走から今回にかけてもきっと成長しているんだと思います。

 ただ、これに関しては直接動きを見ることができているわけではないので、何とも言えません。しかし、調教欄を見ると、2週前と1週前の追い切りはCWでしっかりと併せ馬を行っていますから、きっと成長しているのでしょう。そして最終追い切りは坂路で単走。これも前回と同じですが、力強い動きに変わりはありません。あとはレースでどんな走りを見せてくれるかでしょう。

【新潟大賞典/エアウィンザー】

 前走に引き続き、長期の休養明けになりますが、追い切り本数に関してはたっぷりとこなしています。2週前追い切りはCWで天皇賞春に出走したトーセンカンビーナとの併せ馬で絶好の動きを見せました。さすがに今回は前走と違う結果になるのでは、と注目していましたが。

 最終追い切りは坂路。これは西宮Sを勝った時と同じパターンですから、決して悪くないと思います。ただ、その時は馬なりで併せ馬に先着したのに対して、今回は仕掛けられての同入。相手が馬なりだったことを考えると、相手がかなり動いたと思ってよいのかも知れませんが、こちらの動きが今ひとつだったという見方もできます。判断の難しいところではありますが、連勝していた頃に比べると、その勢いはないように思えます。

【NHKマイルC/レシステンシア】

 桜花賞では1週前追い切りの時計が遅く、最終追い切りでは自己ベストを更新するという坂路で4F時計の出し方を嫌って、無印評価。レース結果はほぼ勝ったも同然の2着。馬に対しても、陣営に対しても申し訳ありませんでした、という気持ちとともに、調教判断の難しい馬になってしまったなあという感じです。

 そして、今回もそう。というのも、最終追い切りが坂路4F56.5秒。東京競馬場への輸送があっての時計かも知れません。ただ、ここまで2回のGIでの最終追いは坂路4F時計の自己ベストを更新しています。それと対極する時計の出し方だけに、今回も調教判断が難しい局面になりました。

【NHKマイルC/サトノインプレッサ】

 ここまで無傷の3連勝。こぶし賞と毎日杯の調教には共通点があって、1週前追い切りは坂路で併せ馬に遅れ、最終追い切りはCWで併せ馬に先着するパターン。今回も1週前追いは坂路で遅れたので、最終追いはCWかと思いましたが、坂路での最終追いとなりました。

 最終追い坂路は新馬戦を勝った時と同じ。当時は単走で今回は併せ馬でしたが、その動きはやっぱりもたつくところがありました。坂路では動かない馬ということでいいと思いますが、新馬の時も1週前はCWで併せ先着。2週続けて、坂路で追い切ったことで併せ馬がもたついたことがレースで影響しなければ、と思ってしまいます。

【NHKマイルC/タイセイビジョン】

 休み明けだった前走は中間にCWでの追い切りを併用してきたこともあり、きっと太目なんだろうなと思いましたが、馬体重は朝日杯FSよりも10キロ増えていました。それだけにレースでのパフォーマンスはかなり下がることをイメージしていましたが、結果は1着。稍重馬場で上がりを要する展開になっても、きっちりと結果を出したことは大きな収穫だったのではないでしょうか。

 今回は中2週ということもあり、単走での坂路追い切りが2本。時計は2本続けて、ほぼ同じような感じでしたが、思えば、前回はきっちり仕上がっていたということなのでしょう。そこから大きな上積みはないかも知れませんが、マイナスになったこともないとは思います。

◆次走要注意

・5/3 スイートピーS【ホウオウエミーズ】(9人8着)

 道中のラップは決して速くありませんでしたが、なかなか位置を上げることができず後方から直線一気のレース。上がりが33.3秒ですから、決して脚を使っていないわけではありませんが、あれでは着順は上がりません。でも、この経験で今後はもう一段上の走りができると思います。

[メモ登録用コメント] [芝]最終追い切り南Wでラスト1F最速なら勝ち負け。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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