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【NHKマイルC】人気上位馬が持つ不安材料の数々

  • 2020年05月08日(金) 18時00分

ヒモ穴で狙うなら“ニュージーランドT負け組”!


 確固たる本命馬はいない今年のNHKマイルCだが、1番人気はレシステンシアだろうか。このレースと相性の良いダイワメジャー産駒だし、脚質を考えると良い枠を引いた。ルメール人気もあって馬券は売れそうだ。

 ただ不安材料も無くはない。強い逃げを打たなくてはならない馬なので、そのうえで府中の直線を乗り切れるか。東京芝1600mのGIを逃げ切ったのは1988年安田記念のニッポーテイオーから2012年NHKマイルCのカレンブラックヒルまで出なかった。そのあと4頭出てはいるのだが、勝ち切るという観点では簡単なものではない。

 タイセイビジョンはアーリントンC勝ちよりも朝日杯FSの2着や京王杯2歳Sのレコード勝ちが評価されて人気になりそう。こちらは差しタイプなので内枠はよしあし。外の伸びる馬場状態ならよいが、内をさばく競馬になったときスムースに進路が取れるかどうか。

 サトノインプレッサは3戦3勝と負けていない点は魅力。スタミナに余力があるのはこのレースでプラスとなるし、そもそもこのレースは距離短縮組が強い。あとは良馬場でどこまでやれるか。血統的に良がダメということはないだろうが、重・重・稍重ときてしまったので、未知の要素ではある。

 ルフトシュトロームも3戦3勝だが、ニュージーランドTの勝ち馬はNHKマイルCであまり結果が出ておらず、ニュージーランドTがいまの条件になった2000年以降で[1-1-0-16]。両レースの着順にはあまり相関性がないというか、同距離でも中山→東京のコース替わりは大きく影響するという印象。ニュージーランドT組を狙うなら負け組をヒモ穴で狙うほうがよいというのが個人的な見解だ。

 その負け組だが、ウイングレイテストはスクリーンヒーロー産駒で、同産駒はどちらかというと芝1600mでは東京より中山向き。狙うなら、かなりの穴になるがハーモニーマゼランあたりまで踏み込んでもよいように思う。

 サクセッションは個人的に関心の高い1頭。距離短縮組だし、クラシックで出走権を得ていた馬のマイル転向は基本的に狙う価値がある。実際にはプラスというほどでもないのだろうが、母の父がディクタット(安田記念2着)というのもこのコースではちょっとだけ心強い。

 シャインガーネットはファルコンSから距離延長という形になったことだけがマイナスで、もともとはマイル、しかも東京の特別戦を勝っている。個人的にこのレースの距離延長組は軸にはしない主義なのでヒモということになるが、このところ東京で良さを見せているオルフェーヴルの爆発力に期待したい。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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