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【ヴィクトリアマイル】絶対女王が輝きを取り戻せるか!

  • 2020年05月16日(土) 12時00分

リピーターが好走傾向にある


 早朝の強い日差しの中、椿の新しい葉が光っている。眩しい。なんだか木がよみがえったように見える。つい先日まで、透き通るような美しい桃色の花を咲かせたばかりだったが、それが終って寂しい姿になっていた。いっぺんに脚光を浴びているようで、うれしくなってきた。そのときのこと。

 古馬牝馬のためのGIレース、ヴィクトリアマイルが誕生した2006年、その第1回の優勝馬ダンスインザムードがその2年前の桜花賞以来の輝きを取り戻したときに感じたことを思い出していた。デビュー4連勝で桜花賞馬になり、ダンスパートナー、ダンスインザダークに続く3兄弟クラシック制覇を達成したのにその後14連敗、ようやく2年1ヶ月振りのGI奪取で桜の女王の意地を見せていた。しかも、8年目の北村宏騎手にとってこれがGI初勝利。ヴィクトリアマイルがこれからどんなレースに成長していくか、そこに思いが及んでいた。

 第2回は、12番人気のコイウタが大金星、松岡騎手のGI初優勝を生み、レースの方向性がつかみにくいと実感した。そして第3回、エイジアンウインズが女傑ウオッカを破るにいたり、このレースの輪郭が見えてきたのだった。ペースがゆっくり流れることが多く、スタミナに乏しい馬でもなんとかもたせることができること。コイウタ、エイジアンウインズは、産駒にスピードとパワーがあるフジキセキの血を引いている点。これはのちのストレイトガールの連覇につながる。また、パワーを生かした短距離戦が得意なクロフネ産駒からはホエールキャプチャが、ここでGIの惜敗続きにピリオドを打っている。今年連覇を狙うノームコアの母父がクロフネというのは注目しておきたい。

 最初に連覇を達成したヴィルシーナは、4歳のときはGIが5戦目。それまでの4戦は全て2着と中距離ではあと一歩だったが、マイルで開花したディープインパクト産駒で、その他の勝ち馬アドマイヤリード、ジュールポレールはいずれも奥手でそのとき、心身の成長がみられた存在だった。

 今年のアーモンドアイはGI6勝の絶対女王だが、このケースは、名牝の時代を飾ったウオッカ、ブエナビスタ、アパパネが3年連続でヴィクトリアマイルを勝っている。不運を乗り超えて輝きを取り戻すことに期待して、一年のスタートを見守りたい。

 リピーターが良く走るので、ノームコア、プリモシーン、サウンドキアラに、明きらかに馬体がこれまでで一番いいと言うスカーレットカラーを圏内に。成長著しいものは、是非マークしておきたい。そしてあと一頭、馬場が合いそうなロードカナロア産駒のトロワゼトワルを。持ちタイムが光る。

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ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

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