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【日本ダービー】今年は「強い馬が勝つ」ダービーに!

  • 2020年05月24日(日) 18時00分

■日本ダービー(GI・東京芝2400m)フルゲート18頭/登録23頭


★3行でわかる! 日本ダービー 攻略の糸口

1.Cコース替わりで内枠有利&先行勢優勢のレースに!
2.堅く決まるかドカンと荒れるかの二択。今年は堅そう?
3.乗り替わりは大マイナス。馬体が「絞れた」馬を重視で!

データ特注推奨馬
 ★現時点ではなし


 ダービーでもっとも注目すべきポイントといえば、やはり「Cコース替わり」だろう。開催が進むにつれて、どんどん高速化していくこの時期の東京開催。そのトドメを刺すのがコレで、距離を問わずに前残りが頻発する。オークス週にどのような結果が出るかさだかではないが、おそらく今年も「前」がスーパー有利になることだろう。

 しかも今年は、上位人気が確実なコントレイルとサリオスの2頭が、いずれも前々で流れに乗れるタイプ。皐月賞では後方からの競馬となったコントレイルも、おそらく今回は前目のポジションを取ってくるだろう。登録馬の組み合わせ的に速い流れになるとは思えず、そうなれば皐月賞の再現となる可能性が大。荒れるときはドカン!と荒れるレースだが、今年は堅く決まる確率のほうが格段に高いと思われる。

 そう考える理由のひとつが、ここで掲載している前走での着差別成績である。ダービーは「前走が僅差負け」だった馬が強いレースで、前走2着以下から巻き返した馬のほとんどが、前走着差0秒5以内。0秒6以上の着差をつけられていた馬は、前走1番人気馬を除いて、巻き返せずに終わっている。となると、コントレイルに0秒7以上の着差をつけられていた前走皐月賞3着以下馬は、かなり買いづらいのである。

 また、青葉賞1着馬のオーソリティが回避し、別路線組にもコレという存在が見当たらないというのもある。さらに、鞍上が乗り替わる馬が期待薄なレースであることなども加味して考えると、勝ち負けになりそうな馬が「二強」以外に見当たらない。この両馬が外枠にでも入れば話は別だが、そろって内〜中枠に入った場合には、波乱はないと考えたほうがいいだろう。

【コース総論】東京芝2400m Cコース使用

・コースの要所!

★1番人気は高信頼度。配当妙味があるのは4〜6番人気と10〜12番人気あたりか。
★内枠有利&外枠不利の傾向。馬番1〜6番は回収値も高く素直に高評価すべき。
★上がり上位馬が好成績であるように差し優勢。中団待機組を重視したい条件。





 掲載しているデータ自体は、先週のオークス分とまったく同じ。ダービー週から使用されるCコースに限定したデータを掲載するのも考えたのだが、ただでさえデータ母数が少ないコースでそれをやると、精度がメチャクチャ下がってしまう。同じ内容の繰り返しになってしまうので、今週はさらっと流させていただこう。

 基本的には広々とした「紛れのないコース」で、当然ながら1番人気馬は高信頼度。ここは素直に信頼したい。配当妙味があるのは4〜6番人気と10〜12番人気のゾーンで、波乱含みの一戦ならばここから入るのもアリだろう。枠番は「内枠有利&外枠不利」で、Cコース替わりとなる今週は、なおさらこれを意識すべきタイミングといえる。

 脚質は、基本的には差し優勢。上がり上位馬の好成績が、それを証明している。先行勢も健闘しているのだが、逃げた馬が全敗しているように、東京の長い直線を最後まで踏ん張り抜くのは、かなり難しい。ただし、近年は「超高速馬場で物理的に差せない」といったレース結果になることが増えてきている点に注意が必要だ。

【レース総論】日本ダービー(GI) 過去10年

・レースの要所!

★なぜか3番人気がメチャクチャ強い。人気薄では10〜12番人気が要チェック。
★コースデータ以上に内枠有利&外枠不利。馬番13〜18番は大幅な割引が必要。
★好成績なのは差し馬ではなく先行勢。レースキャリアは「5戦」の馬が最良。
★マイナス体重で出走の馬が絶好調。鞍上が乗り替わる馬はその時点で期待薄。









 レースの平均配当は、単勝1687円、馬連5105円、3連複6万3301円という高めの水準。同じ舞台で行われる3歳馬限定戦だが、オークスとは明らかに傾向が異なる。2015〜2017年のように順当に決まるか、もしくはドカンと荒れるかという、両極端な結果に。昨年は12番人気の伏兵ロジャーバローズが勝ち、一昨年は16番人気のコズミックフォースが3着に激走するなど、人気薄が存在感を発揮している。

 注目したいのが「3番人気馬」の強さ。2012年以降で3番人気馬が馬券に絡まなかったのは、なんと2018年(キタノコマンドール12着)だけである。今年どの馬が3番人気に推されるかは読みづらいが、コレを理由に馬券が買えるほど絶好調。直前のオッズを必ずチェックしたいところである。人気薄では、10〜12番人気が狙い目だろう。

 次に枠番だが、やはりCコース替わりの影響が大。よく知られているように内枠が好成績で、とくに、過去10年[3-2-1-4]という馬番1番の強さは、目をみはるものがある。枠番の評価序列は「内>中>外」で、外枠は大幅割引。スタートダッシュを決めてポジションを取りにいける馬でなければ、なかなか勝ち負けには持ち込めない。

 脚質別での成績にも、Cコース替わりの影響が色濃く見られる。4コーナーを6番手以内で通過した先行勢がもっとも優秀な内容を残しており、上がり3F順位も「最速の馬よりも2位のほうが好内容」とあらば、差し優勢とはいえない。差し優勢というイメージが強く、実際にコースデータからは差し優勢なのだが、ここはレースデータを重視すべきだ。

 前走レース別成績では、順当に皐月賞組が好成績。京都新聞杯や青葉賞といったトライアルからのローテもそれなりには上位にくるが、アテにはしづらい。レースレベルが高い皐月賞組の上位馬を信頼するのがベターだろう。レースキャリア別成績では、ここまでに5戦を消化している馬の活躍が目立つ。ただし「3着」に関しては、キャリア6戦以上馬がくるケースが多いので注意したい。

 面白いのが前走→今回での馬体重増減別成績だ。現段階では評価できないデータになるが、日本ダービーは前走から「マイナス体重」だった馬が好成績のレース。トータル[7-6-5-62]で複勝率22.5%、複勝回収値124と、申し分のない内容を誇っている。プラス体重で出走してきた馬は、当日3番人気以内であるのが好走条件。4番人気以下だと、期待値は大幅にダウンする。

 最後に騎手関連データだが、オークス同様に鞍上の乗り替わりは大マイナス。1985年のシリウスシンボリ以降、ダービーを乗り替わりで制した馬は30年以上も出ていない。つまり、鞍上が乗り替わるガロアクリークやサトノフラッグが勝つ確率は、きわめて低いのである。2〜3着にくるのが精一杯という前提で、馬券を組み立てるべきだ。

【血統総論】


 血統面では、ディープインパクト産駒、ルーラーシップ産駒、オルフェーヴル産駒をプラス評価の対象とした。もっとも安定感があるのはやはりディープインパクト産駒で、波乱決着だった昨年もワンツー。過去4年のダービー馬のうち3頭がディープインパクト産駒なのだから、コース適性が高くて当たり前だ。次点をあげるならば、単勝適正回収値とギャップ値が優秀であるハーツクライ産駒か。

★特別登録馬 総論×各論

 さて、今年もダービーがやってくる。無観客となるのは残念だが、ここまで競馬が途切れずに続けられたことに対する喜びのほうが、はるかに勝る。冒頭でも述べたように、今年のダービーはおそらく「二強対決」の様相。皐月賞で強い内容を見せたコントレイルとサリオスに、人気が集中することだろう。

 特別登録段階での上位評価組は5頭。トップ評価は、順当にコントレイルである。皐月賞の内容は強いのひと言で、中山であんな位置から一気の脚で突き抜けたとなると、ダービーは「盤石」といえるほど。距離適性に関しても、サリオスよりコントレイルのほうが上だろう。偉大なるディープインパクトが送り出した晩年の傑作が、その卓越した能力をここでも発揮してくれそうだ。

 二番手評価も超順当にサリオス。この中間は外厩には出されず、美浦トレセンで調整が進められている。ダービーで強い「前走僅差負け」という条件を満たす数少ない存在で、鞍上もD.レーン騎手が継続騎乗予定。さらにいえば、中間の調整過程から推測するに、前走から馬体を絞っての出走となりそうな雰囲気である。買い材料の多さだけなら、コントレイルに勝るほど。もし逆転があるなら、この馬だけだろう。

 大きく離れての三番手評価にワーケア。弥生賞での完敗で一気に評価を下げた感があるが、素質はこちらも一級品のはず。前走の敗因がメンタル面などにあるのであれば、巻き返せる可能性はあるはずだ。デビュー戦からルメール騎手が乗り続けているのが、高いポテンシャルの証明。皐月賞をパスしてダービーに全力投球したことが、プラスに出るケースも十分に考えられる。

 そして、四番手評価にサトノフラッグ、五番手評価にマンオブスピリット。以下は、枠番と人気次第でガラッと入れ替わる程度の差しかない。馬番1番を引き当てた馬や、ダービー当日の「3番人気馬」も高く評価すべきだが、あまり手を広げると今年はトリガミの危険がありそう。昨年とは違って、買い目を絞って厚く張る方向で攻めたいところである。


■総論×各論・先々週の馬券回顧




見せ場はあったがそれでも(#^ω^)ビキビキ

穴馬候補にあげた3頭のうち、なんと2頭が除外というヒキの弱さ。残った1頭である13トロワゼトワルから流す馬券で勝負して、見せ場は十分だったんですが……12アーモンドアイさんの驚異的な強さの前にはなすすべナシ(呆然)。もし安田記念にも出てくるようならば、この春でいちばん盛り上がるGIになるかもデスネ。

※コース&血統データは2013年以降、レースデータは2010年以降が集計対象です。
※ギャップ値(G値)は、当該条件における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、優秀な内容となります。

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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