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英国競馬が6月より再開、大幅な番組編成が発表される

  • 2020年05月27日(水) 12時00分

ロイヤルアスコット開催も新たに6競走が追加に


 3月18日から止まっていた英国における競馬開催が、6月1日(月曜日)からいよいよ再開される。

 統括団体であるBHAは23日(土曜日)、33ページにも及ぶ衛生条件のガイドラインを発表。当面は無観客で、場内に立ち入る出走馬関係者は騎手も含めて、マスクの着用やソーシャルディスタンスの厳守が義務づけられる。

 競馬再開に向けて、BHAからは当面の新たな番組編成が発表されている。再開後最初のG1となるのが、5日(金曜日)に行われる古馬のG1コロネーションC(芝12F)で、通常ならばエプソムが舞台となるところ、今年はニューマーケットに場所を移しての開催となる。また、3歳クラシック第1弾となる牡馬のG1二千ギニー(芝8F)が6月6日(土曜日)、牝馬のG1千ギニー(芝8F)が翌7日(日曜日)に、それぞれニューマーケットで施行される他、7月4日(土曜日)にはエプソムでG1英ダービー(芝12F6y)とG1英オークス(芝12F6y)が同日開催される。

 すなわち、ギニーもオークス/ダービーも、例年に比べるとほぼ1か月遅れでの施行となるわけだ。

 その一方、当初から予定されていた通り、6月16日(火曜日)から20日(土曜日)に開催されるのが、王室主催のロイヤルアスコットである。

 そういうわけで例年なら、ギニー、オークス/ダービーという春の3歳クラシックを終えた後にロイヤルアスコットを迎えるところが、今年はギニーとオークス/ダービーの間にロイヤルアスコットが挟まるという、特異なケースとなった。

 そして、開催日程こそ変わらなかったものの、ロイヤルアスコットも番組の内容は例年と大きく変わることになった。

 まずは、1日6競走で、5日間に30競走を行うのが例年の番組編成だが、今年は新たに6競走が盛り込まれ、初日から4日目までが1日7競走で、最終日は1日8競走が組まれることになった。競馬は再開するものの、平時よりも開催競馬場の数を絞るため、開催する競馬場でのレース数を増やすことになったものだ。

 例えば、開催初日の第1競走はストレートマイルを使用する古馬のG1クイーンアンS(芝8F)というのが定番なのだが、今年はその前に、バッキンガムパレスH(芝7F)が組まれ、クイーンアンは第2競走としての施行となる。

 そして、例年ならば初日に組まれている、3歳牡馬のG1セントジェームスパレスS(芝7F213y)が、今年は最終日の20日(土曜日)の施行となった。さらに、通常ならば4日目の金曜日に組まれる3歳牝馬のG1コロネーションS(芝7F213y)も、今年は最終日(20日)のカードに組み込まれている。

 例年ならば、欧州各国の二千ギニーや千ギニーの上位組が一同に会するのがセントジェームスパレスSやコロネーションSなのだが、6月1日が仏国のG1プールデッセデプーラン(仏国版二千ギニー、芝1600m)とG1プールデッセデプーリッシュ(仏国版千ギニー、芝1600m)で、前述したように6月6日と7日が英国の二千ギニーと千ギニーで、翌週の6月12日と13日が愛国のG1愛二千ギニー(芝8F)とG1愛千ギニー(芝8F)という日程になった今年は、これらのレースを走った馬たちをここに集めるのは無理な相談だ。そこで、せめて英国の二千ギニーと千ギニーを走った馬たちが、中1週で参戦出来るように、この2競走をロイヤルアスコットの中でも一番後ろに持ってくることになったのである。

 逆に、例年より前倒しでの施行となるのが、通常ならば3日目の木曜日に組まれる3歳牝馬のG2リブルスデイルS(芝11F211y)と、4日目の金曜日に組まれる3歳牡馬と騙馬のG2キングエドワード7世S(芝11F211y)で、今年は両競走ともに初日の火曜日に行われることになった。

 これも前述したように、今年はこの後にG1英ダービーとG1英オークスを控えており、この2競走がいずれも重要なプレップレースとなることが予想されている。そこで、本番までの間隔を考慮して、開催初日に組まれることになったものである。

 ロイヤルアスコットの主要競走は、開催翌週にグリーンチャンネルで放送予定なので、日本のファンの皆様は楽しみにお待ちいただきたいと思う。

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1959年(昭和34年)東京に生まれ。父親が競馬ファンで、週末の午後は必ず茶の間のテレビが競馬中継を映す家庭で育つ。1982年(昭和57年)大学を卒業しテレビ東京に入社。営業局勤務を経てスポーツ局に異動し競馬中継の製作に携わり、1988年(昭和63年)テレビ東京を退社。その後イギリスにて海外競馬に学ぶ日々を過ごし、同年、日本国外の競馬関連業務を行う有限会社「リージェント」を設立。同時期にテレビ・新聞などで解説を始め現在に至る。

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